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ハンバーガーは、うまい

R202を走って、佐世保に着いたのは、3時過ぎだった。
佐世保には、佐世保バーガーという名物がある。ご当地料理というけれど、ハンバーガーは、ハンバーガーだ。同じ材料をそろえて、同じ作り方をすれば、どこで食べても、同じハンバーガーだ。佐世保でないと、それが作れない理由は、ない。ラーメンと同じだ。徳島で、徳島ラーメンを食べたけど、ラーメンは、ラーメンだった。
腹の様子をうかがった。11時に、長崎でちゃんぽんを食べた。ちゃんぽんは、無事に消化されていた。小腹が空いたので、佐世保バーガーを食べることにした。
ログキットは、交差点の角にあった。歩道の隅に、邪魔にならないように、バイクを止めた。1階は、バイク屋だった。2階に上がった。中途半端な時間だったので、店内に、他の客はいなかった。メニューに、一瞬だけ目をやって、佐世保バーガーを注文した。店の奥の、窓際のカウンターに座った。それほど時間がかからずに、紙に包まれた、大きなハンバーガーが出てきた。つぶして食べてくださいね、とお店の人が言った。言われたとおりに、ラップペーパーの上から、ハンバーガーをつぶした。
口を大きく開けて、かぶりついた。しっかりとした、肉の味がした。うまかった。続けて、もう一口、かぶりついた。ソースと、卵が、肉に加わった。めちゃくちゃうまかった。コーラを一口飲んだ。コーラもうまかった。そこからあとは、手が止まらなかった。パティと卵とトマトとベーコンとソースで、口の周りをベタベタにしながら、ハンバーガーの中に顔を突っ込むようにして、一気に食べた。
さっき、R202を走っているときに、腹の様子をうかがいながら、それなりに腹が減ってたらね、みたいなことを考えていた。間違っていた。ログキットのハンバーガーは、九州で食べたものの中で、一番うまかった。今、こうやって、ツーレポを書きながら思い出すだけで、腹が減る。ハンバーガーなんて、どこで食べてもハンバーガー、というのは、間違っていた。今は、逆に、家の近所で、佐世保バーガーを食べられる店があったら、行ってしまいそうだ。

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