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カップルいろいろ

榛名神社の参道にある三河屋の駐車場にバイクを止めたのは、日曜日の2時過ぎだった。連休でもないのに、参道には、観光客がたくさんいた。
それはそれとして、まず、焼きまんじゅうを食べた。長い串に、小さな大福くらいの大きさの、丸くて平たいまんじゅうが4個ついていた。お店の人が、甘辛いタレの中に串を丸ごとつけて、炭火で焼いていた。少しあぶっては、タレにつけて、また焼く。それを、何回も繰り返していた。タレの焦げた匂いが、こっちに漂ってきた。まんじゅうは、あんこが入ってなくて、具の入っていない肉まん、というか、パンみたいなものだった。1串で、おやつにちょうどいいくらいのボリュームになった。
榛名神社の参道は長かった。一番奥の御神体の岩まで歩くと、ちょっとした散歩になるくらいの長さだった。静かな参道を、ゆっくり歩いた。しばらくして、観光客のうちの、かなりの割合が、カップルなのに気が付いた。縁結びの神様として有名だとは聞いていたけれど、そんなにご利益があるのだろうか。
いろんなカップルがいた。あの二人は付き合い始めて間もないな今が一番いい時だぞ、とか、あの二人の距離感だとまだ付き合ってないな男子がやや前のめりだ落ち着け、とか、あっちの方は付き合って長そうだけどお互いの方を全然向かないからそろそろ終わるか、とか、そういうのを想像しながら歩いた。向こうは向こうで、こんなところに一人で来て何が楽しいんだあのオッサン友達いないのか、とか、ホント何考えてんのかわかんない気持ち悪い、と言っていることだろう。
そうやって、下世話な人間観察をしていると、カップルは、若者だけじゃないことに気が付いた。子育てが終わったとみられる夫婦のカップルも、たくさんいた。こっちの方は、若者たちよりも、さらにバラエティに富んでいた。手をつないでいたり、参道の両端に離れていたり、旦那さんが興奮気味にしゃべりまくっていたり、奥さんが乙女のようにはしゃいでいたり、何も話さずに寄り添って歩いていたり。若者と違って、今、ここに二人で来ている、ということは、今まで共に暮らしてきて、その間いろいろあったかもしれないけれど、今でもここに一緒に来られるくらいに仲が良い、ということなので、これは、見ていて、大変に微笑ましかった。いまさら、縁結びの神様の御利益が必要なようには見えないけれど、お二人のこれからがますます平和でありますように、と願った。
いったい何目線だ、という話ですよね。自分でもそう思います。一人で来ちゃっているお前のところはどーなんだ、と言われそうですが、仲良く暮らしていますよ。たぶん。あれ?どうかな、私は仲良くしているつもりなんだけどな、いや、あー、大丈夫ですよ大丈夫。

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