見出し画像

橋の愛で方

今帰仁城から、比地大滝に向かって、R505を走り、県道248に入って、東に向かった。
ワルミ大橋に差し掛かった時に、橋の上から景色を眺めている観光客が見えた。どういう景色が見えるのか、知らなかった。駐車場もあるくらいだから、きっと、良い景色が見えるんだろう、と咄嗟に判断した。橋の手前の駐車場にバイクを止めた。
橋の真ん中まで歩いて、景色を見下ろした。下の海には、軽石がたくさん浮いていた。少し前の、海底火山の噴火の影響だった。向こうには、入り組んだ湾が見えて、その先に、海の上を渡る、長くてまっすぐな白い橋が見えた。古宇利大橋は、比地大滝に行ったあと、帰りに寄る予定になっていた。でも、見ちゃった。見たら、行きたくなった。だって、すぐそこに見えている。
ワルミ大橋から古宇利大橋は、実際に近かった。ナビの言うとおりに走って、最後に、左に曲がって、しばらく行くと、海と、その真ん中を上に向かって伸びていく長い橋が見えた。そのまま、橋を渡った。橋の上からは、まっすぐな道路と、両側の柵と、その外側に、海が少し見えた。橋を渡り切ったら、すぐにUターンした。海の上を気持ちよさそうに伸びる橋の上を走っても、海は、あまり見えなかった。古宇利大橋を一往復した後で、橋の手前の展望所にバイクを止めた。
展望所から、橋のたもとの砂浜に下りられた。砂浜から見上げる古宇利大橋は、水色の海の中を、対岸に向かって、清々しく、まっすぐに伸びていた。海の上の橋は、道路として渡るものじゃなくて、建造物として、離れて愛でるものだった。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?