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どこの骨

ソーキそばの元祖、我部祖河食堂の駐車場に着いたら、ラーメン屋の匂いがした。意外な気がしたけど、骨付きの肉を柔らかくなるまで煮ているのだから、当然といえば当然だ。店に入って、席に着いたら、テーブルがうっすらと油っぽくて、それも、ラーメン屋みたいだった。
でも、出てきたソーキそばは、沖縄そばの太い麺と、色が濁っていないスープのせいで、見た目は、ラーメンよりも、うどんに近かった。大きなソーキが3枚も乗っていた。
ダシがしっかりきいているわりにあっさりしたスープが、とてもおいしかった。ソーキは、見た目通りに、しっかりとした食べ応えだった。
ソーキそばには、ソーキを食べた後に出てくる骨を入れるための皿もついてきた。肉は柔らかくなっているので、骨はすぐに取れた。そうやって、骨を、取り皿に出しながら食べていて、あることが気になった。
この骨、どこの骨だ?
骨の大きさは、かなり小さかった。鳥の手羽先よりも、ちょっと太いくらいだった。肉の中には、骨が並行して、何本も入っていて、見た目からすると、肋骨にしか見えなかった。確か、ソーキって、肋骨のことじゃなかったっけ。豚の肋骨って、スペアリブのことだよな。うちの近所の肉屋で売っているスペアリブって、いかにも肋骨、というくらいに太いぞ。もし、仮に、これが肋骨だとすると、こんなに小さい肋骨の豚の大きさは…。いや、やめよう。こっち方面を掘り下げると、良くない結果になりそうな気がする。ソーキそばは、おいしい。それでOKだ。考えるな。食え。
ツーリング中はネット検索を禁止しているので、ソーキの謎は、謎のままだった。ツーリング中の謎は、謎のまま終わることが多いのだけれど、ソーキの謎だけは、ずっと気になっていた。
ツーリングが終わってから、調べてみた。ソーキそばのソーキは、軟骨ソーキと言って、普通のスペアリブの先にある、軟骨の部分、だそうです。正直に言うと、その、軟骨ソーキが、豚肉の、どの部分なのか、よくわからなかった。でも、普通の豚にある、普通の骨だとわかった。それでよかった。

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