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こけし手づくり体験

鳴子峡温泉にある、桜井こけし店で、こけし作り体験をしました。オッサン一人で。すみません。好きなんですよ、こういうの。
こけし手づくり体験は、高さ15cmくらいのこけしに絵付けをする、というもので、1800円。こけしのボディは売り物と同じ素材なので、出来上がりは、本格的なこけしになる、とマップルに書いてあった。
夕方4時に行ったら、他のお客さんは、誰もいなかった。店の横にある作業場も、空っぽだった。店は静かで、うっすらとジャズが流れていた。桜井こけし店は、こけしをアートとして考えているモダンなこけし店で、店内には、伝統的なこけしのほかにも、パステルカラーのアートなこけしも飾ってあった。しばらく店内を眺めてから、こけし手づくり体験を申し込んだ。
通りに面したガラス張りの壁の前に、作業用のカウンターがあった。お店の若い女の人が、そこに、絵の具と筆を用意してくれた。カウンターには、絵付けの方法の細かい説明が書かれたA4の紙が一枚と、見本のこけしがいくつか置いてあった。マップルに載っていた写真では、こけしを持った女子に、店のおじさんが、作り方を丁寧に教えていた。実際には、絵の具と筆を用意してもらう以外は、完全に放置だった。マップルの写真が演出なのか、お客が女子の場合と、オッサンの場合では、扱いが違うのかは、わからなかった。
絵付けをするために、筆を手にした。まずは、紙の上で、何回か練習した。普段は、筆なんか使わないので、思い通りの形に描く以前に、思った通りの太さの線を引くのが、できなかった。思い通りの場所に、筆を下ろすのも難しかった。さらに、一日中、アクセルグリップを握り続けていたせいか、右手が微妙に震えた。A4の紙には、紙の上で練習して、筆遣いに慣れてから、本番にしましょう、と書いてあった。何回練習しても、筆遣いに慣れた気がしなかった。仕方がないので、練習に飽きたところで見切りをつけた。
作り方の紙と、見本のこけしを見ながら、1人でコツコツと頑張った。お店の人は、ずっと、そっとしておいてくれた。静かな居心地のいい部屋で、1人で黙って作業をするのは、楽しかった。1時間以上かけて、こけしに筆を入れた。
出来上がったこけしは、いろんなところの線がガタガタで、太さや色にムラがあるけど、そういうのも含めて、仕上がりは、大変気に入っております。

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