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デジタル人材の無駄遣い

1.デジタル人材として公務員へ

私が、公務員を一度やめた理由は大きな理由は、以下の記事でも触れましたように「ざんねんなシステム導入」を目のあたりにし、私がそれを止める動きを行ったため、IT業務から組織的に外されたことが大きいと思っています。

こんな私でも、IT企業(一応は東証一部の関連企業)でリーダー採用されるのですから、SEとしても無能ではなかったのかなと思います。そして、IT採用の公務員として現職に落ち着いたのも、1人の職業人として役所という公的機関こそ、効率的な運営がなされなければならないという想いから「ざんねんなデジタル化」を止め、運用しやすい事例をつくるべく、公務員に戻りました。

2.デジタル採用職員の扱い

私は以前中核市の職員として、端末運用、サーバ運用を行っており、職員からの問い合わせを以下にして減らすか、職員がいかに楽できるかを考えながら、情報の提示の仕方、調整などの草の根運動などをしていました。
現職でも、そのような役回りがくるのかと思っていましたが、現実は違いました。一番下の職位での採用は仕方ないにしても、リーダーSEをしてようが、高度な国家資格をもっていようが、意見を聞き入れられることは少なく思いました。

私の業務自体も、契約、予算、決算、法改正対応などのデジタル技術とはあまり関係のない炎上案件対応が多く、他律的に業務負荷が上げられる状態が続いていました。(調整能力や火消し能力はITスキルの一環であることは理解していますが…)

入庁して半年後には、上流でいろんなことがコントロールできればどれだけ対応が楽かと思うと同時に、一番下の職位から係長級になるまでの時間を雑用で終わらせるのも時間の無駄のように感じていました。

そのため、IT採用してもその能力を活用しないデジタル人材の無駄遣いと自分で皮肉っぽく発言することも多かったです。
ただ、今の公務員の大量中途退職事情を考えると、職員のレベルやスキルに応じて、役職や役割を決めることも重要ではないかと思います。これは20代のころから感じていますが、声を大にして言わないといけない時代がやってきたのかもしれません。

私の職場には、私の他にもIT採用職員はいらっしゃって、3年で3分の1は退職している状況です。非常に残念です。
能力がある人を採用しても、その能力に見合う報酬や業務を割り当てないとデジタル人材の無駄遣いとなるわけです。

3.少し動いてみた

私は昨年秋ぐらいに異動願いを出すことにしました。
係長級まで、あと3年。それまでに現状維持では、自分の中で何も向上しないし、火消までする高度な雑用係として、精神的に疲弊するのは目に見えていました。
係長級になるまでは、管理部門へ行き、組織管理に必要な知識やスキルを身につけたいという希望をしました。具体的には、労務管理の業務を経験したくて、人事関係部署を希望しました。
その結果、水道局で公営企業会計に携わることになりました。

4.周囲からいただいた反応

デジタル人材として採用されて、1年程度で、デジタル業務から外れることに多くの驚きの声をいただきました。私からデジタルをとれば、何が残るぐらいの勢いかと思います。

私は7年前までは、企業の財務会計や福祉に携わっていたので、その経験も活かせることになると思いますし、税法は勉強しなおしになると思います。
また、今年度の業務を見ると、文書管理、財務会計、契約管理、法務管理など、デジタルと直接関係ない業務が多かったので、異動に正直あまり驚いていません。
かつて、水道局の経理へ異動を希望していましたこともありますので、周囲の方が思われるより、すぐに受け入れられました。

5.今の正直な感想

まず、人事部門には感謝しています。デジタル人材の無駄遣いで苦しむ私の異動を認めてくださり、自分のスキルや経験に見合った職場に移していただけたことは率直にありがたいと思いました。

7年ぶりに企業の会計税務と複式簿記をさわるので、ワクワクしています。消費税法改正によるインボイス対応もあるので、システム改修や運用整備などもあると思いますので、いい経験になるかなと思っています。
規模は小さいですけれど、財政的な業務に携われるのは自分にとってプラスになれるかなと思います。

6.これからの活動

私はシステム運用を楽にするのに、交通整理をする知識や経験を積んできました。この業務フローを整理する能力は自分の業務の他、公務員というレベルで役立てたいなとは思っています。
それが、自組織内なのか、コミュニティなのか、外部講師なのか、はたまた移籍なのかは、見えていませんが、何らか社会に貢献できる形で、還元できたらなとは思っています。ITの記事も財務会計の記事も今後は書いていくことになるかなと思いますが、引き続きお付き合いのほど、よろしくお願いいたします。


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