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ポルトガルが舞台のイタリア映画

"SOSTIENE PEREIRA"

1995年 104分
監督:ロベルト・ファエンツァ
主演:マルチェロ・マストロヤンニ
(見出し写真はイタリアのWikipediaのページより、その他の写真もWikipediaより借りています)

ポルトガルに行くと決めた時、私の中ですぐに思い出したのはこの映画だった。公開当時、映画館で観ているのだが、正直内容はあまりよく覚えていなくて、マストロヤンニが市電に乗っている風景ぐらいしか思い出せなかった。

アントニオ・タブッキというイタリアの小説家の作品が原作で、『供述によるとペレイラは』という邦題で須賀敦子氏によって日本語にも訳されているが、原作は伊語・日本語ともに未読。
映画はマストロヤンニが主演を演じた最後のイタリア映画である。

旅行から戻り、もう一度観たいと思っていたら、イタリアのアマゾンプライムにあったため、改めて視聴した次第だが、なかなかおもしろかった。

あらすじ

舞台は1938年のリスボン、主人公は市の主要新聞の文化コラムを担当する年配のジャーナリストであるマストロヤンニ演じるペレイラ博士。フランス文学を愛し、数年前に亡くなった妻の肖像画に話しかけることを日課とする彼は、「死」の恐怖に苦しめられている。教会の司祭にも相談するが、いつものことかと、軽くあしらわれてばかり。
そんな時、とある若者が書くエッセイを気に入り、彼に新聞の土曜日のコラムを担当させることに決める。ステファノ・ディオニジ演じるモンテイロ・ロッシはお金が必要なため、仕事を引き受けることにするが、なんと担当するコラムでは、まだ生きている有名な作家や知識人の最初の死亡記事を、いつでも発表できるように執筆するという、とんでもない内容だった。

モンテイロ、そして彼の恋人マルタと知り合い、平穏だったペレイラ博士の日常が少しずつ変わっていく。
そしてある事件をきっかけに、行動を起こすのであった。

メインキャストたち

映画を見た当時はマストロヤンニ以外よく知らなかったが、今見たら豪華!

フランス人俳優ダニエル・オートゥイユ
ニコレッタ・ブラスキ(右)、日本だとロベルト・ベニーニ(左)の妻として知られているかも
ポルトガル人俳優ジョアキム・デ・アルメイダ。『24(シーズン3)』などアメリカのドラマでお馴染みの彼!
ステファノ・ディオニジ(写真:このサイトより)

やはりマストロヤンニはマストロヤンニ

自分の好きなフランス文学の世界に浸っているペレイラ博士であるが、時は1938年、私はよく知らなかったのだが、「エスタド・ノヴォ」と言われるサラザールによる独裁政権下。モンテイロなどの若者達と知り合うことにより、現実に目を向け始める。そんな変化の様子がシリアスではあるものの、どこかコミカルさが出ていて面白い。

グランジャという北部の海沿いに”タラソテラピー”という海洋療法でダイエットするために行くのであるが、普段はジェントルマンなスーツ姿であるペレイラ博士も、当時のつなぎの男性用の水着などを着て、水にぷかぷか浮いたり、若者と張り合って泳いだりする姿がなんとも可愛い。

彼の出演作品はたくさんあり、何本かソフィア・ローレンと共演している有名どころは全部見ていると思うのだが、ダンディさとコミカルさがうまい具合に出せる、やはりイタリアを代表する俳優だと思った。

リスボンらしいロケーション

映画の舞台になっている場所も、リスボン市内の特徴的なところが多いようだった。私がうろ覚えだった市電は、私は結局一回しか乗らなかった。そして今回見て驚いたが、ペレイラ博士の住む家の中はなんと壁中にアズレージョがあって、とても素敵であった。こんな家がまだ一般家庭でもあるのだろうか?

定かではないが、サン・ペドロ・デ・アルカンタラ展望台などがある、バイロ・アルト地区あたりなどが多く映っていたように思う。

調べてみたら、こんなツアーもあるらしい。この映画のいくつかのロケ地をめぐるというもので、知っていたら行ってみても面白かったかもしれない。


この記事で一応2022年1月のポルトガル旅行記は終了予定。
写真を見たり、記事を読んだりしてくださった方、みんフォトから写真を使用してくださった方には感謝です。



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