見出し画像

DAY3:一番多く通ったorDVDを観た作品〜木ノ下歌舞伎『黒塚』〜

画像2
画像2

 京都・東京を中心に活動する「木ノ下歌舞伎」(通称:キノカブ)という劇団がある。

 歌舞伎などの伝統芸能を主宰の木ノ下さんが改めて補綴し、その作品ごとに演出家を迎え上演するスタイルをとっていて、今年は狂言版の『鬼滅の刃』の補綴を担当されたり、瀬戸内国際芸術祭にも参加されたりと、活動の幅は年々広がっている。
(鬼滅に関してはこちらもだいぶ驚いたけれど、センセイの伝統芸能への愛とこれまでの積み重ねを思うと、「然るべき」である。)

 2014〜2017年あたりまで、奇妙なご縁でキノカブさんで【制作・票券】としてお手伝いをさせてもらっており、この頃(2014〜2015年)の身分が完全にフリーターだったわたしは、アルバイト以外は制作さんのもとで事務作業と当日制作をしていた。

 大阪と京都を往復し、必要あらば東京に飛んでいく日々は、31年生きてきた中で最も充実していたように感じる。単純に、本当に、演劇が常にそばにある時間が嬉しかったのだ。

 ちょっとした、懐かし話に花を咲かせてしまったね。

 画像の文章を書いてから(昨年の7月ごろ)、2・3日後にふと思い出したのが、どんな作品も2回は観れないわたしが何回を観ているのは歴代のキノカブの作品だけ、ということ。
 2020年に再演された『糸井版 摂州合邦辻』も、2日連続でロームシアター京都に通った。初演は制作で参加して、こちらも2回ほど観たはずなのに。

 これは補綴と演出の力でもあるのだろうけれど、いちばん大きいのは【ホンの力】。古典作品はおもしろい。それに尽きる。
 登場人物に無駄がなく、それぞれが抱えている事情や感情がいたの上で生き続ける。「作者都合」など一切感じられない脚本を書いていた先人たちを、語彙力がないわたしは「尊い……」と崇め奉っている。

 とは言えど、わたしは古典が苦手だし、歌舞伎も文楽もちゃんと劇場で見たのは一度きりだし、文学科に通っていたのに古典作品の名前を羅列することもできない。狂言や能は授業の映像でしか見たことがなく、とても古典の多くを語れる身ではない。

 けれど、木ノ下歌舞伎との出会いは「どこか高尚で近寄り難い」と感じていた歌舞伎をはじめとする伝統芸能を、読書や音楽とおなじ娯楽であり、たくさんの魅力が詰まった”だれかの物語”であることを教えてくれた。

 心の底から思う。わたしは本当に、運がいい。

 お題から話はそれまくってしまったけれど、(画像に集約されている文章が全て)要約すると、「歌舞伎はいいぞ!」と「興味がある人はキノカブさんをチェックしてね!」ということ。

  これはもう、いつもフルボリュームで伝えたい。

この記事が参加している募集

#やってみた

36,944件

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?