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【詩】生かされし性を棄て



闇夜を溶かした鴉が佇む夜
暗峠のなかに息を潜め じっと
狙うは我の心の臓だけ
静寂を見守るか細い月は
瑠璃色の海を漂い続ける
錆びた鉄の匂いを漂わせながらも
決して自らは染まらず純粋無垢なまま
素知らぬ顔をして好機を待っているのだ
逃げる場所も、行く当てもない流浪人など
造作なく逝かせられるだろうに
張り巡らされた糸のまま 生かされている

あと幾つの孤独を数えればいいのか
尽きてゆく祝詞が鎮むたび 私は、


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