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『竜とそばかすの姫』不安的中...

どうも、そるです。

昨日、細田守監督最新作『竜とそばかすの姫』を視聴してきました。本当は公開初日に見に行く予定が、諸事情により見に行けず。満を持して今回映画館へと足を運ぶことができました。前評判的には…うんという感じで、The商業映画という感じのレビューやオタク四天王の反応はいまいち。もう絶望的な評価。

ただ、興行収入的には順調であり、8月9日の時点ではありますが、40.7億円、観客動員数も292万人。このまま行けば『バケモノの子』58.5億円を超すか同じような金額になると予想できる。

ストーリー

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高知県の高知県の高知県の自然豊かな田舎町。17歳の女子高生すずは幼い頃に母を事故で亡くし、父と2人で暮らしている。母と一緒に歌うことが大好きだった彼女は、母の死をきっかけに歌うことができなくなり、現実の世界に心を閉ざすようになっていた。ある日、友人に誘われ全世界で50億人以上が集う仮想世界「U(ユー)」に参加することになったすずは、「ベル」というアバターで「U」の世界に足を踏み入れる。仮想世界では自然と歌うことができ、自作の歌を披露するうちにベルは世界中から注目される存在となっていく。そんな彼女の前に、 「U」の世界で恐れられている竜の姿をした謎の存在が現れる。(映画.com より引用)

サマーウォーズ以来の仮想世界を舞台とした作品であり、細田守の真骨頂的作品になるのではないかと多少の期待を持っていた。

個人的に直近2作品の評価は低く、内容が浅い、監督が何を言いたいのか、何を訴えたいのかが見えない。「師弟関係?いや、宮崎 VS 細田やん」「家族愛なんだろうけど???」みたいな評価。

『竜とそばかすの姫』含めて上記3作品は脚本が細田監督であり、私が好きな『時かけ』『サマーウォーズ』『おおかみこどもの雨と雪』は脚本が奥寺佐渡子さん。察しがいい人はこれだけで今回の私の評価が見えてしまうだろう。


評価

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結論から行こう。この映画の評価は50~65点だ。

最初から貶すのはあれだから、いい点から上げていこう。

まず背景…最高。これぞ細田映画だと思わせる自然描写は圧巻たるものだった。象徴となる夏の入道雲に、自然豊かな森が一面に開けるシーンは感動すら覚えた。日本のアニメーションにおいて細田守と新海誠は背景のレベルを何段階も押し上げたと言われるだけはある。

音楽もよい。主人公すずの声を当ててる中村佳穂さんの歌は超絶感動。あまり音楽のほうには詳しくないのだが、冒頭での『U - Single』は全身が躍動する感じで映画館で聞きに行く価値はある。

リアルパートでのコミカルな演出は流石。特に駅での視点固定のカミシン、ルカ、すずの場面はくすっと笑えるような楽しいく細田監督らしい演出が見れて安心した。

しかし、仮想現実は一転「俺、今日、ディズニー見に来たんだっけ」と錯覚させられるような世界観。まったくと言っていいほど細田守要素が感じられず、お城で踊りだした時には何を見ているのかわからなった。これは個人的な好みではありますが、あまりディズニー好きではないのでマイナス要素に入っている。しかし、ディズニーが好きな方からすれば『美女と野獣』のオマージュありなので受け入れられるかもしれない。

脚本はまぁ酷い。心理描写も、行動原理もいまいちだし、物語の連続性も感じられない、お涙頂戴、感動ポルノのディズニー要素まで入れ込んで物語がガチャガチャしていた。例、絵がよくて、音楽もよくて、演出がよくても、ストーリーがしっかりとしてないと、監督が何を伝えたいのかわからない。

大ヒットを記録した新海誠作品『君に名は』も余りにも現実離れした程の映像に露骨なお涙頂戴だが、ストーリーもしっかりと整合性が取れており、監督が視聴者に伝えたいバックグラウンドが見える。結果、興行収入250億円もの大ヒットを飛ばした。

持論ではあるが、考察ができる作品は良い作品が多いと感じる。アニメーションは書き手の意図がすべて反映される。作者の意図や思想、問題意識が映像に投映され作品に厚みをもたらす。

商業映画に振ってるとはいえ、多少の思想も意図も見えず。取り合えず社会問題だしときゃいいや感が満載で具体的な解決案も出さない。劇中で起こった事件をそんなことで解決すはずがない方法をとって終わり。最大のもやもやが浮かんだ。

以上が、この点数をつけた理由である。私はライト層はともかく、長年ファンである人やオタク層にはブっ刺さらない作品であると感じた。

最後に

演出家としては最高な細田監督であるのだから、大多数のレビューが行ってるように良い脚本家さんを見つけるべきである。無理に宮崎駿になろうとは思わずに、自分最大の武器を使って作品を作るべきでないのではないかと、一オタクとして提言したい。

ただ、興行的に成功している分、次の作品も監督・脚本を続けてくるのではないかなと思っている。特に日テレさんとかは無理に変えなそう(※個人的見解)。

今年見た映画の中では3番目かな。1、2位は甲乙付け難く『シン・エヴァンゲリオン新劇場版』と『映画大好きポンポさん』かな。


おわり


筆者:そる

Twitter @SOLE_san1019

#映画 #映画感想 #感想 #映画感想文 #映画館の思い出 #竜とそばかすの姫  #細田守

『竜とそばかすの姫』
7月16日(金)より全国公開中
企画・制作: スタジオ地図
©2021 スタジオ地図 
公式ホームページ: https://ryu-to-sobakasu-no-hime.jp/ 

【『竜とそばかすの姫』は、細田守監督の王道のエンタメ大作への回帰だ】より画像引用

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