「この広告、すごく好き!」人の心を揺さぶるクリエイティブが生まれた。- ディスプレイ広告運用をチーム戦と捉えるリーダーが見据える組織のあり方とは -
こんにちは!note編集長のみやたけ(@udon_miyatake)です!
今回は、ソウルドアウトのディスプレイ広告領域を牽引するプラットフォーム戦略推進本部・本部長の難波 早織さん(@768so)へ突撃インタビューしました!
1月より新体制となったプラットフォーム戦略推進本部。主要メディアであるGoogle、Yahoo!以外の注力プラットフォームに特化したチームを取りまとめた本部です。前期よりSmartNewsチームを新たに組成。組織を束ねる難波さんの想いや考え、チーム間連携の状況などをお伺いしたいと思います。
ディスプレイ広告運用に特化した専門組織。中小・ベンチャー企業支援に特化するソウルドアウトが「専門チーム制」を採択している理由
─── まずはじめに、プラットフォーム戦略推進本部はどういったミッションをもった組織なのでしょうか?
難波:ディスプレイ広告を軸に顧客成果の創出、改善をミッションとする組織です。加えて、各担当メディアの社内エバンジェリストとしての役割も担っており、成果技術の研磨とともに知見の蓄積を行なっています。
─── 社内にはメディア別のSlackチャンネルがあり、そこでエバンジェリストの方々が様々な質問に回答されていますよね。私も運用者時代に大変助けられました。少し聞きづらい質問をさせてください。デジタル広告の業界界隈では営業/運用一体型が望ましいという論調もあると思います。ソウルドアウトはさらにメディア別にも分業しているという見え方になりますが、どういった理由で今の組織形態となったのでしょうか?
難波:まず、前提として当社は営業/運用一体型が基本です。一方で、案件ごとに窓口となる担当と運用を行う担当を切り分けたほうがより良い成果をもたらせるはずと判断したときにチーム制で応対させていただいています。
私たちのチームはその延長戦上にあり、例えばBtoBのお客様でFacebook広告の比重がとても高い場合は、専門チームである私たちのメンバーがアサインされます。もうひとつのケースとしては、Yahoo!、Googleは原則内製で運用されているお客様。自社でLINEやSmartNewsに取り組んだが成果があがらない、または工数を充てきれていないために外注するといった場合、私たちのチームが直で担当します。
─── 確かに、内製で運用されているお客様からYDAだけ、Facebookだけ、LINEだけ、SmartNewsだけ運用支援してほしいというお問い合わせは確実に増えていますね。元社員でバリバリの運用者だった人からも「LINE広告だけ助けてくれ」と連絡をもらいました(笑)。
難波:ありましたね(笑)。なぜ今の組織形態をとっているのか?という質問にお答えしていきます。これは、各プラットフォームに共通していえることですが、配信アルゴリズムや新機能など、頻繁にアップデートが行なわれていることが理由のひとつに挙げられます。
結果、同一企業、商材で訴求する場合においてもプラットフォームごとにクリエイティブを含め成果傾向が異なることがあります。同じクリエイティブ、近しいターゲティング、同じような配信面(インフィード型)でも、プラットフォームごとで成否が分かれることがあるんです。
理想は同一の運用者が全てのプラットフォームのアップデート情報を把握し、それぞれの成果状況に応じた運用を行なえるのがベストだと思います。ただ、現時点ではプラットフォームごとの専門チームを組成し、チームごとに研磨を行なったほうが結果として高いパフォーマンスをお客様へ提供できると考えています。
6つの専門チームから形成される「プラットフォーム戦略推進本部」
─── 私も運用から離れて8か月ちょっとですが、既にちょっと自信ないです…… やはり専門性をもった人に相談できるのはありがたいですね。次の質問ですが、プラットフォーム戦略推進本部にはどんなチームがあるのでしょう?
難波:大きな括りでいうと、「LINE」、「SNS」、「SmartNews」、「アドクリエイティブ」の専門チームがあります。その中で「LINE」に2チーム、「SNS」に2チームありますので計6つのチームで形成されています。
まず、LINEチームは、LINE広告だけではなくLINE公式アカウントの運用支援も行なっています。広告と公式アカウントの両方をフル活用して成果を最大化させることがミッションです。成果報酬型サービス(*SOヨビコミ for LINE)も展開しています。
SNSチームは、Facebook・Instagramを中心におきつつ、TikTokなど新興プラットフォームにも注力して成果技術を極めていきます。パートナー各社と連携しながらSNSアカウントのオーガニック運用の支援なども行なっています。
SmartNewsチームは、2021年9月に組成された新設チームです。弊社はLocal to Local、エリアビジネスを展開されているお客様が非常に多いため、新たに注力しはじめています。直近ではダイレクトマーケティングのお客様でも大きな成果事例を生み出しています。
アドクリエイティブチームは、「PDCAを回せないと言わせない」がこれからのテーマです。クリエイティブ制作の仕組み化や、PDCAのフロー設計に力を入れており、アドクリエイティブに強いソウルドアウトをつくっていきます。
専門性を高める肝は「ナレッジの蓄積と横展開の仕組み化」と「密なパートナー連携」
─── 個性豊かなチームですね。それぞれのチームで専門性を高めていくためにどういった工夫をされていますか?
難波:運用ナレッジの蓄積と展開が肝になります。ここは属人化しやすいところですが、当社ではメンバー同士の事例共有や情報交換を頻繁に行なえるような仕組みとそれを支援する体制があります。これによって運用歴に関わらず、全員がノウハウをもった状態で運用できています。
また、パートナー連携も非常に重要だと考えています。まず、各プラットフォーマーとのコミュニケーションを密に取らせていただき、最新のトレンドや、アップデート情報を素早くキャッチして、スピード感をもって対応しています。
また、クリエイティブ領域でのパートナー連携も強化しています。動画制作ツールの「LetroStudio」や運用型クリエイティブクラウド「リチカ クラウドスタジオ」、オンラインデザイン制作ツール「Canva」など。ほかにも、制作会社、フリーランスの方々も含め数多くのパートナーの皆さまからお力添えをいただいています。
自社のみではなく外部パートナーとともに研磨していくほうが専門性が研ぎ澄まされていきます。
クリエイティブは個人戦ではなくチーム戦。複数の脳みそでクリエイティブの摩耗に打ち勝つ。
─── noteのプロジェクトでパートナーさんへ取材させていただくこともあったのですが、その都度、一緒に作り上げているんだなと感じ取ることができました。続いての質問ですが、チーム同士の連携はありますか?
難波:もちろん、チーム間での連携も積極的に行なっています。一つは、各プラットフォームごとに成果の出ているターゲティングやクリエイティブの傾向を、カジュアルに話す場を設けています。Clubhouseのようなイメージで、誰もが気軽にインタラクティブに参加できるイベントです。LINEで成果の出たクリエイティブをSmartNewsに転用するといった動きも出ています。
また、アドクリエイティブチームが主体となったチーム横断の「表現力トレーニングの会」を開催しています。この会からたくさんのヒットコピーが生まれています。今ではお客様も巻き込んで開催することもあるんですよ。
─── とてもよいですね!ちなみに、専門チームの方向性とこのチーム連携は相容れないところもあるのでは?と思うのですがどのあたりに意義を感じられているのでしょうか?
難波:みやたけさんは、運用者時代に「クリエイティブが摩耗した」という会話を聞いたことや、話したことはありませんか?
─── あります、あります!実際、同じクリエイティブを回し続ければ摩耗してしまいますよね……。
難波:ですよね。で、このときに”新しいクリエイティブ”を作ることになると思うのですが、運用型広告の場合、このサイクルを継続しなければいけないんですよね。そうなってくると、一人の脳みそでアイデアを出し続けるのって酷な話だと思うんです。私は自信がない、そこで”AI”だ!という話もあるんですが、その一歩手前として提唱したいのは、「ディスプレイ広告の運用は個人戦ではなくチーム戦」ということです。一人の脳みそで凝り固まるのではなく、複数の脳みそ(チーム)で戦うべきだと考えています。
ちなみに、このときのチーム編成で注意していることがあります。年次のバランスです。運用歴の長さや、クリエイティブの専門性を加味して編成をしてしまうと発想が似通ってしまうことがあります。一方で業界歴が浅い方がチームに入ると、過去の成功に囚われず自由な発想でアイデアをくれることがあります。実際、入社一年目のメンバーが作ったクリエイティブで大幅に成果を伸ばすことができた案件もあります。同一案件で勝ち続けるのは、レジェンド運用者であっても難しいと思います。
─── だいぶ昔の話ですが、ベテラン運用者が苦戦していた案件で若手に引き継いだあとに成果改善が行なわれ、また3か月後に成果が悪化し、さらに担当を変えたら改善したという話を聞いたことがあります。厳しいクライアントさんで、成果が悪化したら即担当変更を求められているのだと思っていました……。
難波:その話は私も聞いたことがありますが、意図をもって変えたそうですよ。基本的には、担当者をスパっと変えるというより脳みそを追加する感じが望ましいですよね。
もう一つ、チーム戦で戦うべきだと考える理由があります。当社は幅広い業界のお客様のご支援をさせていただいており、業界によっての勝ちパターン、定石ともいえるものがあるんです。ただ、おもしろいことにその勝ちパターンを他業界に転用したところ成果が出た事例も多数あります。こういった事例は、他案件で活躍しているメンバーをスポット的にアサインできるからこそ生まれるんですよね。
関係性の質を高めて、結果の質の向上に繋げたい
─── チーム戦で戦うべき理由が、すとんと落ちました!もう一つ、私が日々感じていることを質問させてください。難波さんの社内発信や言動(チャットなど)を拝見していて、メンバーのことをいつも本当に大切に考えているんだなと感じています。新時代のマネージャー像というか……。そんな難波さんがこれからの「プラットフォーム戦略推進本部」をどのような組織、チームにしていきたいのかを教えてください!
難波:新時代のマネージャー像!?ちょっと恥ずかしいですが、、私としてはこの本部に限らずですが、組織の「関係性の質」を向上させていきたいです。関係の質が上がれば、思考の質、行動の質、結果の質の向上に繋がると考えているからです。組織の土台である「心理的安全性の確保」ができれば、若手は自信をもってチャレンジしたり、意見を言ったりできると思います。若手が武器をもてるようにしたいですね。
─── こういうことをメンバーに対してストレート、かつしっかりと言語化して伝えてくれるのはメンバーからすると本当に嬉しいと思います!なぜこういった発想になったのでしょうか?
難波:私自身、営業をしていたとき、自分に自信をもってお客様の前に立てない時期が長かったんです。何かしら胸を張れる武器があってこそ、+αの提案ができるし、自信をもつことができます。だから私は、若手には、自らの強みを見つけてほしいし、つくってあげたいんです。そのために、しっかりほめて強みを伸ばすことをしていきたいと思っています。
─── 難波さんにもそういった時期があったとはちょっと驚きです。私もほめて伸びるタイプです(笑)。本部方針ではサマリーに「より多くの人たちにとって生きやすい社会を作る」との記載がありましたね。当社の経営方針で掲げられている「八方よし」に繋がる言葉だと思うのですが……。
難波:社会の幸せを実現するために、私たちには「誰も傷つけない」と「成果」が両立するクリエイティブを生み出していくことが求められていると思っています。バナー広告の表現一つでも、世の中に与える影響は大きいんですよね。
先日、とあるお客様から、
ソウルドアウトさんが制作してくれたFacebook広告を見て、展示会のブースに来てくれた社長がいました
Twitterで『この広告の訴求、すごく好き』と取り上げられていました
といった連絡をいただきました。
「デジタル広告は刈り取り目的」などと揶揄されてる現状がある中で、その価値観を覆すような、人の心を揺さぶるクリエイティブが私たちの組織から生まれています。目指す方向性はまさにこういった事例で、どんどん増やしていきたいと思っています。
─── こんなことを言われたら私なら飛び上がって喜んじゃいます!
難波:私の信念は「組織は社員を幸せにするためにある」ということです。社員の幸せはお客様の幸せに繋がり、最終的に社会の幸せへと繋がります。
プラットフォーム戦略推進本部そしてソウルドアウトという組織で理想とするのは、自走する組織です。トヨタの豊田社長の言葉を借りて、「一人ひとりが活躍し、それでもソウルドアウトにいたいと思える組織」にしたいと考えています。きれいごとと言われることもあるかもしれませんが、私の理想とする組織の形を追い求めて正解にしていきたいと思っています。
─── 難波さん、本日はありがとうございました!難波さんが本部長を務めているプラットフォーム戦略推進本部が以下の座談会を開催するとのこと。最後に【告知】です♪
・・・
▍【告知】ニュースメディアBIG3が集結!ディスプレイ広告座談会 - 2022 -
プラットフォーム戦略推進本部が中心となり、Yahoo!、SmartNews、LINEと3大デジタルニュースメディアよりご担当者様をお招きしたウェビナーを開催します!本日ご紹介の専門チームのエース運用者も登壇予定です。奮ってのご参加、お待ちしております!🙇*お申込みは事業会社様に限らせていただきます。