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2つの職業の類似

インフラを声で🎤支えるアナウンサー・ヨガ講師の奥窪峰子です。 

2つの異なる職業の、類似についてです。

アナウンサーとヨガ講師、どちらもアナログには変わりないのですが、異なる職業を続けて、

何に気づいたかということを、お話ししたいと

思います。

今年の夏だからこそ、書いてみます。


「傾聴と迷走と瞑想」


誰かの心の声に、耳を傾けること、

この傾聴、千本ノックをさせてくれたのが、

10年続けた高校野球アルプスリポーターでした。

甲子園球場で、1つの試合を、

1塁側応援スタンド、3塁側応援スタンド、

ネット裏、食堂、球場裏、記者席と、

走り回ったことは、あるでしょうか?

予測のつかない試合展開に、選手の胸の内を

代弁してくれる誰かを、探して、探して、

駆られるように探しまくって、、、

やっとみつけた方が、その瞬間に1番伝えたいことを、傾聴するのです。

私は、そこにただ、話しやすい誰かでいるだけ。


試合が進み、ベスト4がみえてくるころ、

リポート担当校の、先発投手の幼なじみが、

球場のどこかにいると、応援団から聞きました。

幼なじみは、前日に延長12回投げたけれど

負けてしまった、同じくピッチャーです。

2点差、押されている、、。

マイクを向けるのは、彼の他には考えられない

けれど、5回裏までに探さなければなりません。

広い甲子園で探し当て、お話を伺う承諾を得て、構成まとめて、中継技術を手配して、リハして、

10分?、、、普通なら間に合いません。

色んな方にお話しを伺うのですが、何かが違う。

彼は、どこにいるのでしょう??

私は、3塁側スタンドから、ネット裏の最上階を

凝視しました👀


ネット裏なら、ピッチャーの姿がみえるものね。

本当は、応援席にはいたくなかったのだからね。

頭脳派だから、きっと、離れてみてるわよ。

引退翌日、ユニフォームではないわよね!?

私服の彼を探せるかしら? いや、制服ね!!

彼は、、、たぶん、父親といる?

お父さん、きっと今日も有給取ってるわよね。

1人で球場に来るのは辛いし、

友達と会うのは、昨日の今日で、

まだ辛すぎるものね。

   全て、妄想劇場なのですけれどね。


先に、マイクのコードとカメラがネット裏上階に届くことを確認してから、

私は3塁スタンドから走りだしました。

混在するべき何かがそこにあると信じる熱と、

イヤホン越しのアナウンサーの事実を伝える実況が、想像する未来を現実に変える頼りです。

観戦の邪魔をしないように、身を屈め、

立ち見の人をかき分け、階段を駆け下りて、

また駆け上り、汗を拭いながら、

白いカッターシャツに、丸坊主、

父親の横にいるであろう彼を探すのです。


こんにちは。観戦中すみません。

リポーターの奥窪ですが、◯◯君ですか?

はい。


不意打ちと、初対面の緊張感が走る瞬間に、

さっきまでの1人よがりの妄想は消しておきます。

誰だって、他人にわかったようなことを

言われるほど、失礼なことはありませんから。


これが、私なりにみつけた、

傾聴するという姿勢です。

そして、マイクの先の彼が、少し離れて

ネット裏から幼なじみや、昨日までの野球生活を見つめられるように、

私は、もう少し離れたところから、

言葉をかけるのです。


「悔いのないように、頑張って欲しい。」


飾らない彼の言葉が、球場に来られない誰かの

心ともシンクロするとき、

私には、また揚々と胸の奥から、熱っぽさが

こみ上げるのです。


生きていくということは、この先、

傾聴という姿勢を、続けることなのだな‥。

試合後に鳴り響くサイレンみたいに、

潔いあきらめにも似た達観が、 

年齢とか、学校とか、職務、地域、社会、

野球、カテゴライズされる諸々の

プレッシャーから、ある種の調和を見出したのも

つかの間‥

私の内側は、また誰もいない球場のように、

無と空をみつめているわけです。


心の声を聴くということ。

今ここに在ること。













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