失った目標 d
私は関東大会が終わり、大きすぎる穴を空けた高校生活を送っていた。まわりでは引退し受験勉強に励む者。インターハイに向け練習に励む者。私はというと、勉強も陸上もせずにボーッと毎日を過ごしていた。
陸上やめます
当時、私が通っていた高校には週2回専行実技という授業があり午後から部活動を行っていた。その為引退しても週2回はグランドに行かないといけない。グランドに行けば当然大堀が練習している。何とも言い表せない複雑な時間だった。何日か過ぎたある日『とっつぁん』に呼ばれた。
※とっつぁん 別名ラオウ(100m元日本記録保持者・東京学館陸上部顧問)私の陸上人生を築き上げてくれた先生であり大恩師。とてもここでは書ききれないので別の機会に。右から2列目
と「 どうする 」
私「 いや もう陸上やめます 」
その後、専門学校に行くとか言ったような記憶がある。
と「 おれはまだ諦めてねーぞ 」
全てが終わったかのように感じていた私にとってこれ以上嬉しい言葉はなかった。
と「 インターハイいくぞ 」
と「 大堀の付き添いで 」
これ以上の屈辱もなかった。
※さすがに大堀も嫌だろうという事で染谷(1年生)も帯同した
インターハイ(香川・丸亀)
正直言うとあまり思い出がない。大堀が出場する100mは当然スタンドから応援した。準決勝敗退だった。決勝は競技場の外で音だけ聞いていた。「1着」「池ノ谷智」そうアナウンスが聞こえた。池ノ谷は戦友だ。去年の関東新人で知り合った。その時は勝ったのに。一気に遠い世界の人間になった気がした。そして井上もその決勝を走っていた。井上が入賞し、国体にも出られない事は理解した。目標は見つからないままでいた。
ー 続 ー
おまけー香川インターハイの記録ー
香川インターハイで記憶にあるのは澤野大地(棒高跳び・成田高校)だ。高校2年生で高校記録を樹立し、再び自身の記録を更新した。同じ千葉県という事もあり当然知っていたが本当に凄い奴っているんだなー。と凄すぎて羨ましい対象にもならなかった。その後、日本記録を樹立しオリンピック7位入賞を果たす。40歳を迎える今もトップアスリートとして現役だ。
ゴッキー
陸上を知っている人であれば東京学館といえばコイツではないだろうか。ゴキ(五木田祐美)は2学年後輩だ。1年生でインターハイ出場を果たした。ゴキは底抜けに明るく、先輩にも遠慮がない。そしてデカい。デカいは置いといて成績も凄かった。初めてのインターハイで決勝進出。7位入賞( 200m)を果たした。東京学館に入学して部員にインターハイ入賞者がいた事は初めてだった。その1年後200mで優勝し、3年時にはインターハイ2冠と連覇を達成する。
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