週刊 総コン文芸班

明治大学総合コンテンツ制作サークル 文芸班 毎週土曜日午後7:00に班員の作品を紹介し…

週刊 総コン文芸班

明治大学総合コンテンツ制作サークル 文芸班 毎週土曜日午後7:00に班員の作品を紹介します。 総コンのホームページはこちら↓ https://sokon.jp 文芸班Twitterはこちら↓ https://twitter.com/sokon_l

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こんにちは!総コン文芸班です!

はじめまして明治大学 中野キャンパスを起点に活動している公認サークル、総合コンテンツ制作サークルの文芸班です。 2021年度から復活した文芸班です! 新たに、文芸班noteを新設いたしました! 文芸班noteとは?総コン文芸班では、約3カ月に1度「作品募集」で班員による作品を募集します。「作品募集」に提出頂いた班員の作品を、毎週土曜日午後7時に記事として投稿する目的で開設したnoteです。 サークル内外で文芸班の活動を閲覧できるようになります! 2021年度 第1回文

    • 短歌/73作

      部門:テーマ有り部門 テーマ:全て _______________________________ 那須岳の 枝葉の落とす 粉雪は 空気を割った 硝子のような ________________________________ 窓際の 焦茶に枯れた チューリップ 夕日に向かい 片足で立つ

      • 翅合 上 /あご出汁改め合田作

        部門:テーマ部門 テーマ:花 形式:小説 制作期間:半日くらい 1 『人は花に片想いをしている。』 植物学に関する文献で見かけたその言葉は、濡れた真綿にインクを垂らした時のように脳に染み入った。蜂は花の蜜を吸い子孫を育てる。花はミツバチを利用し花粉を運ばせる。周りを見渡せば共生というにはあまりに強かで利己的な関係が自然界を形作っている。その傍で人間は花を愛でこそすれ、その繊細な利害関係にもはや入ることができなくなってしまったと著者は思ったのだろう。 しかしどうだろう、そ

        • マザードルチェ続 /Necoring作

          部門:自由部門 形式:SS 制作期間:三時間 例えば、なんて夢想する。 例えば、自分と彼女が、雌雄のつがいであったなら、きっと自分は彼女に優しく微笑んで、紳士のようなふりをして彼女の手を取っただろう。 例えば、彼女の恋した相手が自分であったなら、どんなことがあってもその手を離さずに、どこまでも連れ去っていただろう。 例えば、世界が彼女にもう少しだけ優しかったら、彼女はきっともっと幸福に笑えていて、自分はそれを見て満足できていたはずなのだ。 例えば、 ──例えば、もっと、ず

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        こんにちは!総コン文芸班です!

          きょうのうた/73作

          ノベルゲームLosers’ Heaven2 OP 形式:歌詞 制作期間:1週間 _________________________________________ 脚の折れた蜂の羽音 雨に濡れた人の子ども 君は誰か、ここで遊ぼ 夢で見れた いつのこと 既に慣れた 塔の孤独 明日はまだか 晴れの舞踏 君は泣いた 何処へゆこう 戻る戻れや 恩の元 待ちくたびれた未知の子よ 人の心を携えて 人の心を蓄えて 人の心を束ねては 無垢に染め行く故郷へと ____________

          きょうのうた/73作

          ロジカリストのロンド/Nobuto作

          ジャンル:歌詞 形式:ロンド 制作期間(任意):40分_______________________________________________________________ 想像という夢に開いた花が 頭のなかで枯れていった 口をついて吐き出した   有象無象のアクアリウム 前に座った人影は     一体のオートマタ そんな私は        パペット人形 いつからかそこにあるのは 一つの絵画 いいえそれは       鏡でしたね 躍る廻るいつも一人っきり 独りの

          ロジカリストのロンド/Nobuto作

          エウニルの修繕者/あご出汁(mizuo)作

          ジャンル:ファンタジー、冒険 形式:短編小説 制作期間(任意):1週間 ________________________________ 1.プロローグ日曜日は教会に行く日だ。 パロマは元気よく家の扉を開けた。妹のオリヴァはまだ眠いだのと駄々をこねて玄関でいじけている。毎週欠かさず通っているパロマはもう教会で聞く説法はほとんど頭に入っていたが、それでも通うのをやめなかった。街の中央に位置する聖域は、子供達が日曜に集まりお祈りをする場所であると同時に、聖職者で多忙な祖父の声

          エウニルの修繕者/あご出汁(mizuo)作

          あの人ねえ、女ぐせが悪いので有名なんだよ/ 八胞 / HANAE M 作

          「あの人ねえ、女ぐせが悪いので有名なんだよ」 とサークルの同期に聞かされたのは、20時を回った頃の副都心線でのことだった。「あの人」とは我々が所属している演劇サークルの部長のことである。背は高いし声も低めだったけど、女の人だったはずだ。「男ぐせじゃなくて?」と私は聞く。「女ぐせであってるよ」「あってるんだ」 私はふうん、と思う。 朝早くの練習でも誰も待たせずに部室の鍵を開ける人で(待たされたという話を聞いたことがない)、後輩の遅刻や無断欠席をやんわりと、しかし己の非をはっき

          あの人ねえ、女ぐせが悪いので有名なんだよ/ 八胞 / HANAE M 作

          露と霧と夜想曲(ノクターン)/Nobuto作

          ジャンル:強いて言うならユニゾン小説 形式:私が下に記した曲を聴きながら読んでみてください 「ノクターンOp.9-2/ショパン作曲」  制作期間:10/23 _______________________________________________________________________ 星々の瞬きは悠久の曲を紡ぎ、月を中心として幻夢を見せ続ける。銀色に輝く音色、まぁるい粒、そして空にしみ込んだ余韻。それらは時として夜露に、霧に、そして夜想曲として顕現する。音

          露と霧と夜想曲(ノクターン)/Nobuto作

          マザードルチェ/Necoring作

          ジャンル:百合 形式:SS 制作期間:1日 ________________________________ ずっと、蝉の声が聞こえている。 「ねえ、逃げちゃおうか」 8月31日。寂れた田舎の駅から徒歩5分。明日にでもガスや電気が止められそうな、オンボロアパートの2階。ギシギシと音を立てる外付けの鉄骨階段を登ってすぐの、去年から借り始めた部屋の前で彼女はうずくまっていた。 二つ年上の、そのうち通うと決めていた高校の制服からは、すらりとした裸足がのぞいていて、その白さに

          マザードルチェ/Necoring作

          陽刺し /73作

          ジャンル:ドラマ 形式:短編小説 制作期間:1週間 _____________________________ 朝露に濡れた地面は日の光を受け、空肌を映している。湿った土からは地下水の匂いが染みていた。土の中は暖かくも冷たく、生命の息吹を抱いている。夜中にはぼんやりとあたりを照らしていたナトリウムランプは交代を告げられたかのように力なく消えていき、影絵の如く佇むのみであった。目覚めた野鳥は口うるさく安否を問い、嘴で互いの頭を軽く突いては首を細かく振るった。彼らが羽に付いた

          Brand-new parabellum /Nobuto作

          ジャンル:SF 形式:オムニバス形式の短編集 制作期間:2か月 ____________________________________ メイン・アクト 赤い非常灯の点いている船の一部屋に、フレームの割れた家族写真が立てかけてある。それには愛らしい子どもと夫婦の映った様子がなんとも仲睦まじげにあった。しかし、その雰囲気とは似つかわしくない耳をつんざくようなサイレンの音が幸せな雰囲気を霧散させる。 ―この写真の持ち主は誰?― 誰も答えない。 ―どこに行ったの?― 誰も答え

          Brand-new parabellum /Nobuto作