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帰宅ラッシュ ②/全4話【創作台本・世にもになるまで書いてみた・101作目】

前回はこちら!

これまでの話はこちら!

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〇 山手線・車内

 電車は駒込から田端へ。
 車内はまだ混んでいる。

ア 次は田端、田端~ お出口は左側です。京浜東北線は・・・

 主人公 誰も降りない乗客にやきもきしている。

主 (心の声)さすがにおかしいだろ! なんで誰も降りねぇんだよ!
  てか、俺が乗る前からいるよな? 一体どこで降りる気・・・
  ん?

 主人公 横の乗客が定期券を持っているのに気づく。さらに行先が鶯谷であることにも気づく。

主 (心の声)鶯谷!? 珍し・・・ 
ま、いいか。1人は降りるのが確定したわけだし、徐々に減ってくだろ。

 主人公 人混みが減ることがわかり安心したのか、顔がほんの少しだけ綻ぶ。

 数分後。
 電車は鶯谷駅を発車。ここでも誰も降りず。先ほどの定期券の乗客もそのまま乗っている。
 主人公 先ほどの嬉しそうな表情から疲れ切った表情に変わっている。

主 (心の声で)なんで降りねぇんだよ!! 
  鶯谷で降りるのはどうせお前だけだろ!!

 主人公が怒っている間に電車は次の駅(上野駅)に到着。
 ドアが開くも、誰も降りない。

主 (心の声)降りろ! 誰でもいいから早く降りろ! 

 上野駅のホームで電車を待つ人々も、あまりの混雑ぶりに乗車をためらい、誰も乗車しないままドアが閉まる。主人公の願いむなしく、そのまま電車は御徒町駅へと走り出す。
 主人公 負のオーラの漂う車両の中で、一人怒りに震えている。

主 (心の声)・・・もういい。こうなったらこっちも意地だ! 
  1周乗って、こいつらが降りる駅を突き止めてやる・・・!!
  どうせ帰ってもやることないし、暇つぶしにちょうどいいや!

 主人公 逆にテンションが上がったのか、このまま乗車することに。

 画面下に山手線の路線図がスクロール。上野~原宿駅まで。
 しかし一向に乗客は降りない。主人公も人混みの中で動けず、ほとんど変わり映えの無い映像に。

 そしてついに原宿駅を発車。1周まで残り2駅。
 主人公 怒りを通り越してもはや呆れている。

主 ・・・マジか。本当に1周しちまうよ。。。
  あと「代々木」だけか・・・ 頼む奇跡起これ! 
  全員代々木で降りろ!

 主人公 わずかな隙間で手を握り、神様に祈る。
 ※ 願わくばここでCМタイム。


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