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サンフランシスコのスタートアップで働く立教生にインタビュー|倉田まりあさん

慶應4年生、もうすぐ社会人の堀口です。
「社会人になる前に!」と思い、2月〜3月にかけてシリコンバレーに来ています。

この1ヶ月半で、現地で活躍している方(できたら日本人と他の国籍の方両方)にインタビューを実施していきます。

今回は、立教大学3年生の倉田まりあさんにインタビューを行いました!


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2016年に立教大学に入学後、2017年にUCLA Extensionへ語学留学。2018年8月から交換留学で、サンフランシスコ州立大学に留学。その後、現地のスタートアップ企業3社でインターンを経験。21卒で外資系IT企業に就職予定。

環境を変え、自分と見つめ合う2年間を過ごしたい


ーー自己紹介をお願いします!

立教大学法学部3年の倉田まりあです!立教大学では、主に刑法に関して学んでいました。留学前は、特別なことはしておらず、いわゆる普通の大学生でした(笑)。サークルはテニスサークルに所属し、バイトは大学1年生の時からずっと英会話スクールで、講師の仕事をしていました。


ーー留学をしようと思った理由を教えてください。

一言で言えば「自分探し」です。

大学2年生までで単位をほぼ全て取り切り、就活が始まる3年生になる前に、自分が将来何をやりたいのか、そもそも本当に就活をするべきなのかが、全くわからなかったんですよね。

実際に大学3年生になって、いくつかの企業の会社説明会に足を運んだものの、自分が将来に対してモヤモヤしているから、どこの企業もピンと来なくて。

その感情を抱く中で、思い切って就活を全部やめて、今までとは全く違う環境に身を置くことで、「自分と深く見つめ合いたい」と思ったんですよね。

また、大学生のうちにアメリカで働きたいという気持ちもありました。

ぼんやりとでしたが、社会人になって働くとなったときに、おそらく最初は日本になり、海外で挑戦できる機会ってそんなに多くはないだろうなと思ったんですよね。

OPT※1というのですが、アメリカでインターンをするためには、約1年間は現地の学校に就学する必要があったので、留学をしたという経緯です。

※1OPT(Optional Practical Training)
学生ビザ(F-1)で就学している学生が専攻した分野と関連のある職種で、企業研修を行うもの。


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世界最先端のビジネスのテクノロジーに触れたい

ーー留学先はどこでしたか?

サンフランシスコです。


ーー数ある選択肢の中でサンフランシスコにした理由はなんですか?

二つあります。

一つ目は、ビジネスやITに興味があったからです。

ITの聖地として有名な、シリコンバレーから近いこともあり、世界の中でも、サンフランシスコはITスタートアップが数多くあります。ビジネスやITに関して最先端の環境があるサンフランシスコに身を置きたいなと思っていました。

二つ目は、西海岸への憧れです。

1年生の春休みに、1ヶ月間ロサンゼルスの語学学校に留学しました。そこで初めて、多様な人種の人と触れ合ったことが、日本という狭い世界で生きてきた自分にとって衝撃的だったんですよね。ここまで多様な人種がいるのは、西海岸ならではだなと思い、一つ目の理由も含めて、サンフランシスコがいいなと思いました。


ーーサンフランシスコ州立大学ではどのような授業を履修していましたか?

8ヶ月半でしたが、国際ビジネス学科に在籍しました。そこでは、マーケティングと新規事業の創出に関する授業を履修していました。

具体的に言うと、自分でゼロからサービスを作り、そのサービスをグロースさせるためにはどうすればいいのかを考え、クラスでディスカッションしたり。既存のサービスを他国に導入するためにはどうすればいいのかを考えたり。

ディスカッション形式かつ、自分が関心を持っていたビジネスに関するものであったため、日本の大学で受けていた授業以上に、やりがいがあり面白かったです。


ーー学校がある日はどのようなスケジュールでしたか?

基本的には朝と夜に授業を履修していました。

空き時間は宿題をやったり、サンフランシスコはイベントが盛んなので、イベントに参加したりしていました。


ーーどのようなイベントに参加していましたか?

テック系のイベントが多いですね。他には、ネットワーキング※2系のイベントや、ピッチのイベントもありました。

特に、私はビューティーテックやフェムテック、スタートアップ企業に興味を持っていたので、それらのイベントや、アントレプレナーシップ系のイベントに参加していました。

※2ネットワーキング
異業種交流会のこと。一つのテーマに対して、多様な業種の人が参加し意見交換をするため、人脈作りや新たな情報をインプットする場として使える。


ーーイベントの参加者は、基本的に外国人が多かったですか?

そうですね。ただ、日本人だけのイベントもありましたよ!
日本人だけのイベントは、ネットワーキングや、勉強会が多かったですね。


ーーサンフランシスコにいる日本人は、どのような属性の人が多かったですか?

学生半分、社会人半分でしたね。

学生に関しては、私が通っていた、サンフランシスコ州立大学の人はもちろん、スタンフォード、UCバークレー、サンノゼ州立大学、語学学校に通っている人など、多様な人がいました。

社会人だったら、起業している人、日系企業に勤め駐在している人、現地の企業で働いている人など様々でしたね。

現地では、外国人はもちろんですが、日本から来ている人は、志が高く刺激的です。


ーーどのような方法で留学をしましたか?

2セメスターの交換留学です。

交換留学の期間が終わった後にも、現地でインターンシップをしたかったので、休学という形でサンフランシスコに残っています。


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現地のスタートアップ企業での挑戦

ーーインターンはどのような企業で働かれていたんですか?

1社目は、バイオテック系のスタートアップに勤めました。人の遺伝情報を使ったサービスを展開している会社です。

「人種のるつぼ」と言われるように、アメリカには多種多様な民族が混在して暮らしています。そのような背景がある中で、自身のDNAデータを持っている人がたくさんいるんですよ。

ただ、そのデータが完全に活用できているわけではないため、その遺伝情報をもっと有効活用するためのサービスを展開しています。


2社目は、日本人の方が経営している、美容系のスタートアップです。キュレーションプラットフォーム事業を展開しており、ECサイトと自社メディアを運営しています。

「日本のコスメを世界に広める」を、ミッションに掲げ、日本にある質の高い化粧品を厳選し、アメリカで売ることをしています。今もこの会社で働いています。

3社目は、米国進出コンサルティングファームで働いていました。ここは、日系企業でアメリカに事業を展開したい会社の支援をする会社です。

米国に進出したい日系企業の課題を発見から、戦略立案、ローンチまでを担当していました。


ーーどのようなきっかけでインターンを始めることができたんですか?

どの会社も、人との繋がりがきっかけですね。

特に、2社目の会社のCEOとの出会いは、自分の中で大きな転機でした。
その方との出会いの経緯に関しては、知り合いから紹介してもらった形です。

CEOはメディアへの露出が多く、私自身も美容系の事業に関心があったため、もともと一方的に知っていました。

インターンをするために、直接繋がりたく、イベントなどに行っていましたが、なかなか会えなかったんですよね。ただ、CEOを知ってる方と繋がって紹介していただき、直接会ってお話する機会をいただきました。

そこで私自身のやりたいことと、CEOのビジョンがマッチしたので働かせていただくことになりました。

彼女の会社でインターンをさせていただいただけではなく、3社目の米国進出コンサルティングファームに関しても、私の経験や成長のために、彼女から紹介していただき始めることができたという形です。


ーー具体的にはどのような業務を担当していますか?

どの会社も基本的には、デジタルマーケティングですね。

具体的にいうと、ウェブ広告の運用やSNSマーケティング、SEOを担当していました。

ただ、美容系のスタートアップでは、現在、PMをやらせていただいています。理由としては、新卒で入る会社でPMを務めるので、今のうちからスキルを身につけたいと思ったからです。

米国進出コンサルティングファームでは、コンサルタントというポジションなので、戦略策定など上流も担いますが、基本的にはクライアントのアメリカでのマーケティングのお手伝いをしていました。


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自分が心からワクワクする環境を求め

ーーいつから就職活動のことを意識し始めましたか?

留学前に日本で少しだけ説明会には参加していましたが、本格的に始めたのは、2019年の8月ですね。

ボストンキャリアフォーラムが11月の初旬に3日間あるのですが、選考自体は9月くらいから始まるので、その前の8月から本格的に始めました。


ーーボスキャリではどのような企業を見ていましたか?

マーケティングとITという切り口で見ていました。

自分自身が、3社でのインターンシップを通して、マーケティングに携わり、マーケ目線から事業を伸ばすことに面白さを感じていたこと。

また、サンフランシスコ行って、ITやテクノロジーをより好きになったためです。


ーーいくつかの企業から内定をもらったと思いますが、内定先の決め手はなんでしたか?

自分が圧倒的に心からワクワクする環境だったからです。

他の会社と比較して二つの観点から、いいなと思いました。

一つ目は、人です。面接や内定後のフォローから感じました。

他の企業は、「面接官(人事)対学生」という構造を、感じてしまいました。一種のゲームのようなもので、テンプレートの質問に対して、用意した答えを合わせにいく感じ。

一方で、内定先の会社は、「人間対人間」の面接でした。自分の価値観や人生について深く聞いていただき、かつ自分のニーズに合わせて事業部の役員の方に、会わせていただいたことが凄い魅力的に映りました。また、個人でのオフィス見学ツアーまでしてくださいました。

二つ目は、プロダクトです。
まず、そもそも自分がこのプロダクトのユーザーで、好きなんですよね。
また、国内でのユーザー数も圧倒的に多く、老若男女が使用している、日々の生活に欠かせないプロダクトです。世界を変えられるポテンシャルを最大限に持つこのプロダクトに、新卒から携われることに魅力的に感じました。


ーー就活のときに苦労したことはありますか?

留学前から悩んでいましたが、「軸」を決めることに苦労しましたね。


ーー結局、軸の解はなにに落ち着きましたか?

自分自身が心からワクワクする環境、これが自分の軸です。

軸を固めるにあたり先輩にヒアリングをしていたのですが、なかなかピンと来るものがなかったんですよね。

強烈な原体験がないなかで、「社会問題を解決したい」とか「人を笑顔にしたい」ということに腹落ちせず。いい意味でも悪い意味でも、自分ファーストだなと思ったんですね。

ただ、ここには腹落ちしていて、自分が仕事を楽しいと思わないと、いいプロダクトは作り出せないと思っています。なので、まずは自分自身がワクワクできる環境で働き、より良いプロダクトを社会に届けていきたいです。


ーーワクワクという言葉がキーワードになっていると感じました。倉田さんの中で、ワクワクすることってどのようなことですか?

テクノロジーを使ってインパクトを与えることですね。

やはりサンフランシスコに来て、ITやテクノロジーで人々の暮らしが豊かになっていることを肌で感じました。なので、就活の際に見ていた会社も、既存の産業に先んじて、デジタルトランスフォーメーションを起こそうと挑戦している会社が多かったです。

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成功体験を積み重ね、もっと強く

ーーこの約一年半を振り返ってみて、留学に行ってよかったですか?

本当によかったです。
周りにも言われるし、自分でも思いますが、圧倒的に強くなったと思います。

行く前までは、自分の意見を強く持つわけでもなく、周りに流されて生きていました。

ただ、留学に行って変わったのは、変化を好む性格になったことです。変化する環境の中で、失敗も多かったですが、いくつか成功体験も積み重ねました。

そして、自分に自信がついてきて、強くなった感じがします。


ーー数多くのインターンをやったことも変化が欲しかったからですか?

そうですね。
これは留学前に決めたことですが、「毎日、必死に生きる」って目標を立てていました。

また、日記を毎日つけていたのですが、同じような生活になってくると変化がないことに気づき危機感を感じるんですよね。

そうなったら積極的にイベントに参加し、色々な人に会う中で、多様な価値観を吸収したり、繋がりを広げていき、より刺激的な生活を送れるようにしました。

ーー倉田さんのビジョンを聞かせてください。

長い時間軸でのビジョンは、まだ正直ないです。

ただ、それはネガティブなことではなく、まだ学生という狭い世界でしか生きていないし、社会人になって見る世界が変わる中で、徐々に固まっていくことだと思っています。

短い時間軸でいうと、もっと自信をつけたいです。友達からは驚かれることもありますが、まだまだ自信がないんですよね。

内定先でもサンフランシスコでも、周りにいる方々のレベルが圧倒的に高くて。その中で、周りの方々からの自分へのの期待値を、成果で上回ることができるか正直不安です。

ただ、これからもインターンや就職を経て、成功体験を積み重ねていく中で、自信をつけていきたいです。


ーー最後に留学や海外インターンを考えている人に一言お願いします!

「とりあえずやってみる」ってマインドセットを持って欲しいです!

悩んでるポイントって実は意外と大したことないんじゃないかなと思っていて、休学したら就活が不利とか、お金がかかるとか。

就活に関しては、私はボスキャリでしか就活はしていませんが、経験上は全く不利にはならないし、むしろ自分と向き合う時間が多い分、有利だと思っています。キャリアフォーラム等も充実してきていますし、就活スケジュールもかなりフレキシブルになってきています。

金銭面に関しても、今は利用できる奨学金はたくさんあります。
留学に行かない、言い訳を自分で作るのは本当にもったいないと思います。

「とりあえずやってみる」ってマインドを大事にしてください!


インタビュー後記
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同年代ですが、倉田さんのマインドセットと実行力には感銘を受けました。「毎日、必死に生きる」と決めて、異国の地にも関わらずイベントなどに恐れずに参加し、インターンの機会を掴んだエピソードは彼女の強さが特に現れていたと思います!僕も頑張らなければ!!倉田さんありがとうございました!!

また、サンフランシスコやシリコンバレーで起業されている方や、現地で働かれている方がいらっしゃいましたら、お会いさせてください!お手数ですが、下記の連絡先からメッセージいただければ幸いです。


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