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風景のレシピ #27 “小さな花の咲く道”| nakaban

「旅と記憶」を主題に絵を描いている画家のnakabanさんが、風景画の制作過程をレシピ化するこころみです。序文はこちら



風景のレシピ #27 “小さな花の咲く道”

調理時間:数日

材料:
轍つきの道:一本
草花:たくさん
電柱:数本以上
木々:適宜 
遠くの山々:適宜 
湖:気配だけ
早春の冷たい風:たくさん
家:数件


1.遠くへと続く道を敷き、轍をつける。


2.草花を植えていく。


3.家々を控えめに配置する。


4.遠くには山々を連ねる。冷たい空気を発する湖の気配を漂わせる。


5.電柱を道に沿って数本置く、空にごうごうという風の声を響かせる。


6.未知の道を進む勇気が湧き起これば、できあがり。


調理のコツ
*初めてゆく道の上で、ふと立ち止まった瞬間のように。


湖が見えそうで、見えない
舗装されていない貴重な道
花は落ちてきた星のように咲き誇っている
できあがり。クリックすると拡大して見られます。


◎プロフィール
nakaban (なかばん)
画家。絵画、書籍の装画、文章、映像作品、絵本を発表している。
新潮社『とんぼの本』や本屋「Title」のロゴマークを制作。
著作に『ダーラナのひ』(偕成社)『ことばの生まれる景色』(辻山良雄との共著、ナナロク社)『窓から見える世界の風』(福島あずさ著、創元社)など。
好きなことは果樹栽培、ポストカード収集、そしてもちろん絵を描くこと。
本を読むのが遅い。
広島市在住。www.nakaban.com

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