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風景のレシピ #26 “Green Fields”| nakaban

「旅と記憶」を主題に絵を描いている画家のnakabanさんが、風景画の制作過程をレシピ化するこころみです。序文はこちら



風景のレシピ #26 “Green Fields”

調理時間:8時間

材料:
緑野:一面
霧がかった空:一面
家々:数件
旗のある尖塔:一棟
道:あちこち


1.無限大に広がる緑野を敷き、霧がかった空でそっと抑える。


2.緑野に葉脈をはしらせるように道をつくる。


3.まばらに家を建てる。


4.あちこちの道を歩き、道沿いの畑を耕したり、木を植えたりする。


5.尖塔を一つ建て、頂点に銅製の旗を取り付ける。
  塔と同等の高さから風景をゆったり眺める。
  心が平べったくひろがれば、できあがり。


調理のコツ
*必要に応じ、広げたり狭めたりと、認識の領域は伸び縮みしてよい。


道沿いのとりどりの畑
銅製の旗には鳥がよく留まっている
地平線は霧に覆われている
できあがり。クリックすると拡大して見られます。


◎プロフィール
nakaban (なかばん)
画家。絵画、書籍の装画、文章、映像作品、絵本を発表している。
新潮社『とんぼの本』や本屋「Title」のロゴマークを制作。
著作に『ダーラナのひ』(偕成社)『ことばの生まれる景色』(辻山良雄との共著、ナナロク社)『窓から見える世界の風』(福島あずさ著、創元社)など。
好きなことは果樹栽培、ポストカード収集、そしてもちろん絵を描くこと。
本を読むのが遅い。
広島市在住。www.nakaban.com

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