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【新卒1年目で休職】うつ病になるとこうなります【甘えの病気!?】

 お久しぶりです。
 noteを書いたのは大学ぶりでしょうか?僕も社会人2年目となりました。
社会人生活は…タイトルを見ればわかると思います。うまく行っていません。うつ病となり、新卒1年目早々に休職をする結果となりました。
うつ病。名前はよく聞くけれど、メンタルヘルスのことはイメージしづらい上に、電車に飛び込んでしまう人から「NEEDLY GIRL OVERDOSE」みたいに病名をカルチャーとして消費する風潮まであって、正直知名度の割によくわからない病気だと思います。
 果たして、僕の身に何が起こったのか。うつ病になるとどうなるのか。個人的な体験を近況報告がてら、つらつらと書いていこうと思います。


僕がうつ病になるまで

 さて、割と適当に就職活動を終えた私は、大学卒業後とある出版社で働くことになりました。出版社といってもピンキリですが、まあ僕レベルでも入れるところですからただの中小企業です。
 入社後研修(といっても中小企業の研修なので小一時間会社の説明があったり外部マナー研修を受けるだけでしたが。大企業に勤めた友人たちが夏まで座学していたことに驚きます)を受けたりいろいろな部署をたらい回しにされたりして、6月頃に編集部に配属されました。残業生活が始まったのはここからでした。
 業態を詳しく書くと特定されそうですが、この会社には繁忙年とそうでない年があり、昨年今年は前者にあたるようでした。毎日3時間残業して帰るというのが暗黙の了解になっており、お客様期間の終わった僕もそれに従うことになりました。毎日3時間残業、となると月の残業時間に直すと60時間と少しでしょうか。たまに締め切りギリギリだと10時11時までサービス残業をするのでもう少し多くなりますが、数字としては多くもなく少なくもなく、まあ少し忙しい会社ならよくある数値だと思います。事実、はじめの半年くらいは、私もピンピンしていました。これくらいの残業ならどの会社でも聞く話だと思っていましたし、残業代によって手取りで30万の給料が毎月入り、一気に貯金高は100万円を超え、ホクホクしていたくらいでした。
 とはいえ、恒常的に半年以上毎日3時間残業が続くと、精神的にだんだん疲弊してくるものです。見渡すと、職場には疲れ切った雰囲気が蔓延していました。そして、異変は11月に訪れます。3年目の先輩が辞め、2年目の先輩が出社拒否を始めたのです。「あれ?これが普通だと思っていたけど、この職場はおかしいのではないか?」そう、気づいてしまったのです。
 思えば、1年目から担当出版物を持たされ、先輩社員に聞くしかないから聞いても、皆自分の担当が多すぎて死んだ目をしておりなかなか教えてもらえる時間がない、そんな環境でした。皆ピリついた雰囲気を放っており、話しかけるのが怖く1日仕事が進まなかった日もありました。その日は「僕が教える気にさせるような好感度の高い新人ではないからこうなるのだ!新人の仕事は教えてくれる気にさせることなのに!」と悩みましたが、よくよく考えればこれは職場の方がおかしいことではないかと。気づけば僕は、転職を考えるようになりました。親に転職したい旨をこぼしたときに、「1年目で考えなしに辞めてしまうとあとが大変だ。楽な大学生活を過ごして社会人に慣れていないのはわかるが、みんな辛い中働く、それが社会人なんだよ」と至極当然の説教をされ、自分でもまあこれは1年目あるあるなんだろうなと思い直しました。このときの僕は気づいていなかったのです。これがうつ病、地獄の始まりであることに。
 12月、1月となるにつれて、だんだんおかしなことが増えてきました。職場に行くと過呼吸になる。胸が苦しい。突然鉛筆で自分を刺したい衝動に駆られる。昼休みにひたすらうなだれるしかない。眠れない。食欲が一切ない。(一時期10kg痩せました。副作用で完全に戻ったけど)風呂に入るのにも気力がいる。とにかく辛い。これは転職願望云々ではなくメンタルヘルスの問題なのでは?と考えるようになりました。しかし評判の良いメンタルクリニックに電話しても予約は3ヶ月後。半ばあきらめていました。またこのときは、自分がうつ病だとは考えてはおらず、診断されないか最近流行りの新型うつとやらか悪くて適応障害というやつだろうと思っていたのです。
 転機が訪れたのは12月末に趣味のラブライブ!のライブに行った時でした。全く楽しくないのです。それどころか常に仕事のことが頭にありひたすら辛くなる。11月、12月(異次元フェス)にも行きましたがそのときは普通に楽しかったので、これはヤバイと気が付きました。事ここに至ってうつ病かもしれない、とりあえず診断が欲しいと考え始めたのです。その頃、丁度(1年目なのに何故か)新規出版物の立ち上げをやらされた(任せていただけた、だろ?)のが決定打になり、職場で突然涙が止まらなくなった1月のある日、トイレに駆け込んで最速で予約の取れるメンクリを探し電話を何件もかけ、数日後の受診が決まったのです。

「重度のうつ病ですね。3ヶ月程度休職が必要です」
こうして私はうつ病と診断されました。(ついでに仕事で常識では考えられないポカミスばかり繰り返すのでハッタショ診断をお願いしたらADHDの診断が下されました。)正直実感が湧きませんでした。はじめに浮かんできたのは、会社に迷惑はかけられないという思いでした。休職の件は黙っていようと思いました。しかし限界が近づいていた数日後、進捗確認の会議でとある先輩社員が突然キレだし、その後精神的におかしくなっていることを告白するという出来事が起こりました。会議の雰囲気が最悪になる中、どうせなら私も言ってしまおうと考え、診断の件を話すことにしました。(俺以外にも精神疾患が出現する職場……) 結局、今の仕事は終わらせろと休職開始を引き伸ばされ、(大企業であれば翌日から即休職できるのでしょうけれど)引き継ぎなどをして、2月から休職が始まることとなったのです。
 さて、ここまでの話で、私がうつ病になった理由を振り返ると、(多すぎるとは言えないが)恒常的な残業、余裕のない職場、退職者や他の休職者の存在、新人としての私の能力不足など、色々原因らしきものは思いつきます。しかし、どれも理由としては正直弱いと思うのです。終電帰り、残業代未払いが横行していたわけでもない。パワハラをされて毎日怒鳴られていたわけでもいじめにあったわけでもない。むしろ無能な新人として迷惑を周りにかけ「うつにさせる側」だったはずです。それなのに、まさか自分が、簡単にうつ病になってしまった。総括は後述することにして、とにもかくにも、私はこうしてうつ病になり、闘病(?)生活がスタートしたのです。

家族に嘘をつき、出勤するフリ

 休職期間が始まり、改めてうつ病の診断が下ったこと、これから休職することを家族に報告しました。(Twitterで公表したのもこのタイミングです)
しかし家族の反応は芳しくありませんでした。特に母は「大学時代ダラダラ過ごしてたから朝起きて会社行くのが辛いのはわかるけどさ」「仕事が辛いなんてみんな当たり前なんだから」「〇〇(僕)は昔から都合が悪くなるとすぐ具合が悪くなる癖がある」「とにかく休みたいが先行して考え無しに行動してる、社会人なんだからそういうのはやめた方がいい」などと言われ、最終的には言い合いになってしまいました。特に3つ目については、確かに中高時代から面倒なことがあるとすぐ保健室に行ったり早退したりするようなことを繰り返していたので言い返せない部分もあり、正直親の病気に対する無理解というよりは僕の信用がないというだけの問題です。初めは休職をしていたのですが、結局母と言い合いになるので家にも居づらくなってしまい、耐えられなくなった結果、数週間後「うつ病は休みたい、仕事が辛いから言った出まかせだった。有給連続で取っただけで職場にはすぐ復帰する」と家族に話してしまったのです。何だかんだで毎日母親にご飯を作ってもらっている実家暮らしなので、母を不機嫌にさせるのは気が咎めますしね。
 そこからが地獄でした。朝起きてスーツに着替え、まるでクビになったことを家族に隠す漫画のお父さんのように出勤するフリをする日々。僕の休職中の主な過ごし方は以下の通りです。
・カラオケやスーパー銭湯で一日過ごす(毎日していたら貯金が尽きるので数日で辞める)
・ドナビでホットアップルパイ(140円)だけで丸一日耐久(迷惑なので控えましょう)
・公園のブランコやベンチを占拠
・本は一切読まないのに図書館で丸一日過ごす
・わざわざ復帰訓練のために職場の目の前に行ってトラウマで嘔吐
・旅行に行く(これは精神衛生上とても良かった 金はなくなるので一度しかやってないけれど)
・ひたすた定期圏内を往復し続ける 一日15往復程度(一番精神的にこれがヤバかったです)

 そんなことをしているので罪悪感と虚無感に襲われ、うつ病は休職で寛解するどころか悪化していきました。
  どんどん薬も増えていき、本来4月に休職が明ける予定でしたが休職延長の診断が下りました。診断書をまた持って行って休職の延長をお願いするわけですが、ここで会社と揉めることになります。会社がこちらも繁忙期で忙しい中、いつ治るかわからないお荷物社員を抱えているわけにはいかないので、4月中に復職するか辞めるかを選択するようにと告げてきたのです。大企業なら半年くらいは休める制度があるだろうに……とは内心思いましたが、休職に関する規定のある法律は存在しないので認めるも認めないも会社次第ということになります。中小企業ながら勤続年数が短い者の休職を数ヶ月認めてくれただけ非常に寛大な措置と言えますし、そもそも2ヶ月も与えて療養してるのかと思いきや勝手に家族と揉めて勝手に悪化しているだけなので、これは0:100で僕に非があります。でも休職で勝手に有給全消化扱いにしてきたのは正直どうなの?とは思うけど 大企業とかでもそうなるんですかね?教えて詳しい人

 さて、当時の僕は4月末までに復帰できると言い切れる保証がなかったので、不安から転職活動をすることにしますが、これもうつの悪化に拍車をかけます。スーツを着て会社に行くと言って出かけ、一日3回4回と面接を受ける日々が始まるのです。ただでさえエネルギーのいる転職活動。第二新卒という言葉が出てきたご時世とはいえ1年で早期退職を前提とする転職に世間は厳しいのか、単純に能力が低いのか、書類に面接にと落ち続けてどんどん精神が摩耗していきます。1ヶ月足らずで転職先が決まるはずもなく、だからと言って休職ですら正直に話せない親相手にうつを理由にニートができるわけもなく。そして、精神状態は過去最悪を更新しながら、5月から復職が始まるのです。(最悪の響け!ユーフォニアムの次回予告)

復職、そして現状

 さて、この記事を書いているのは6月頭ですが、僕は今5月から復職し今に至ります。精神状態は今まさにどん底なのですが、会社や親にそれが言えるはずもなく、こうしてネットに吐き出しながら、周りに迷惑をかけ働いている(仕事は手につかないけれど……)わけです。復職するには寛解が大前提なので、「転職が決まらず仕方なく精神状態は悪いけど職にはありつきたいから復職してるんです笑 ツライ仕事は断りますね笑 配慮お願いします笑」 などと面の皮の厚いことは言えないので、僕の休職の直接のキッカケになった新規出版物の続きをまた作っていますし、最初の1、2週間は定時帰りをしていましたが今は休職前と近いペースで残業しています。休職期間を与えられながら勝手に悪化したのは個人の都合だからね、しょうがないね。(うつ病の野獣先輩)
 精神状態の現状についても赤裸々に公開したいと思います。まず、転職活動を始めたあたりから、新たな敵として希死念慮クンが登場しました。とにかく生きるのが辛く、死んでしまいたいわけです。働くことも辛く、しかし精神疾患を理由に働かないならそれは周りに迷惑で世間的にも恥ずかしいから、合理的に考えて自〇した方がいい。こういう思考が常に脳内を巡っています。会社のパソコンで無意識に「死ぬ理由 合理的」「自〇 楽な方法」などと調べてしまうのです。そういう行為も会社のログに残れば心配して貰えるかなというような計算が入ってるように感じて、ますます自分が嫌いになります。恥ずかしい話、以前首を〇ろうと実行したのですが、頭に血が上る感覚が耐えられなくてベッドに足を慌てて着いてしまい、自〇も結局は怖いということが判明しました。なので今もダラダラと生きているわけです。
 次に、自分への怒りから自傷衝動に駆られるようになりました。うつ病初期に、自分のことを鉛筆で刺したくなる衝動に駆られるという話をしましたが、これが実行に変わるのです。頭から血を垂れ流すまで鉛筆で刺してしまったり、急に自分の頬を殴ったり、傘や水筒、ベルトで自分を打ち付けたい衝動が湧いてきて、実行してしまうことが増えてきました。リストカットは切り傷苦手だしマジで痛そうなのでしませんが、多分リスカをする人もこういう心理なんだと思います。
 そして、うつ病の二次被害として、悪夢クンを頻繁に見るようになりました。悪夢障害というやつです。今では、寝ると9割以上の確率で悪夢を見ます。内容はどれも荒唐無稽でよくわからないものばかりで忘れてしまいますが、起きた時は最悪です。寝ないのも良くないけれど、寝るのも怖いです。
 また、うつ病は心だけではなく体調にも現れます。後述する薬の副作用なども併せ、常時風邪を引いているかのような感覚がするのです。熱があるわけではないけれどなんだか全身が痛い、ダルいあの感じを思い出していただければ、想像がつくのではないでしょうか。また、大学時代はインフル知らずだった僕ですが、単純に免疫も落ち、熱が出たり下痢をするようなことも増えました。
 今の状態はこんな感じです。薬でも解決しないことが増えてきて、今はカウンセリングに通うことにしました。はてさて、今後僕はどうなってしまうのでしょうか。マジで助けてください。

薬は何を飲んでいるの?その効果は?調べてみた

 うつ病になってから現状に至るまでを時系列でさらったので、ここからは思いつくことを書く感じでいきたいと思います。まずは薬についてお話します。
 まず、心の問題につける薬があること自体が驚きで、気休めなのではないかと思う方もいるかと思います。ですが、うつ病は脳の病気です。詳しいメカニズムは精神科医の記事などを見てほしいのですが、脳の物質バランスがくずれてエネルギーが低下した状態がうつ病なのです。薬は脳に作用するもので、意外と効きます。これを飲むことで、日常生活を送ることができるようになるわけです。多少はトラウマになっていた職場に戻って働くこともできますし、オタクライブなどの趣味や友人との会話、飲みなども素直に楽しむことができます。ワーオ。薬のパワー、ワンダフル。ただし、僕の場合、気分が良くなるとか活力が湧くとかではなく、あくまで一定時間「平常(うつになる前)時の6〜7割程度」に戻すだけという印象で、薬が切れるとすぐに日常生活もまともに送れない状態になってしまいます。以前デブラを食ったら食中毒になって、精神系の薬を飲むのをやめた時期があったのですが、わずか1日で風邪のような感覚が続き動くことすら辛い、突然大泣きするなど意味のわからないことが発生してしまい、現状薬なしでは生きていけない感じです。
 そんな意外と強烈なパワーを秘めた薬。薬にも様々な種類がありますが、ここでは僕が飲んでるものを紹介したいと思います。

ミルタザピン(抗うつ薬) 45mg
  専門的な分類では比較的新しいNaSSAというものに当てはまるらしい抗うつ薬です。後述のサインバルタと並んでメインを張る薬です。副作用は眠気と太ること。ただでさえ元がデブなのに、友人から顔がなんか太った?と言われた時は悲しかったです😢

サインバルタ(抗うつ薬) 60mg
 ミルタザピンとは異なる理屈で作用する抗うつ薬で(医学的なことはWikipediaでも見てください)、糖尿病なんかにもでることがあるらしいです。副作用は吐き気だそうですが、多分手が震えるのはこいつのせいなんじゃないかと思います。

スルピリド(精神安定剤) 50mg×3食
 抗うつ薬ほど強いわけではないですが精神安定に効果があり、元は胃腸を改善する薬らしいです。抗うつ薬が出る前の最初期から処方されています。副作用は胃腸が活発になるので太ること。

ロラゼパム(精神安定剤) 0.5mg×3食
 こいつも初期から付き合いのある精神安定剤です。気持ちを落ち着かせる程度の効果があります。副作用は眠気。こいつの眠気はなかなか強烈で、職場で船を漕いで怒られてからは仕事前にこれを飲むのは控えています。

ストラテラ 120mg
 これはうつ病関連ではなく、ADHDをコントロールしていくための薬です。正直あんまり効果を感じませんが、ADHD向け薬として大変有名なコンサータなどと違いジワジワ効果が出てくるものらしい(ADHDの友人談)ので継続して飲むことに意味があるそうです。副作用は吐き気。

ドンペリン
 これは精神薬ではなく吐き気止めで、サインバルタやストラテラによる副作用:吐き気を抑えるために飲んでいます。幸い食中毒とトラウマの時以外、これのせいで吐き気を感じたことはほとんどないです。

・追記 6/15 リーマス錠という薬が増えました 自分への怒りや自傷衝動を抑えることが難しくなってきたので、そう鬱に与えられる第一選択薬だそうです

・追記 6/29 オランザピンという薬が増えました 不穏時(ヤバそう)に飲むそうです ここまで来たか…… 副作用でデブるらしいので気をつけます

 このように、素敵な効果を持つ愉快な薬たちですが、どれも副作用という「代償」を持っています。これが日常生活に支障が出るものも多く、かなりキツいです。また、副作用:眠気の反動として、薬がないと逆に眠れないと言ったことも起こっています。それに、2週間に1回精神科に通院していますが、その診察代で1000円ちょっと、薬ははじめ精神安定剤だけで1000円しなかったのが今3000円以上かかるようになり、地味に経済的負担もデカいです!!!😢たかだか小さな錠剤に救われ、振り回されているのですから、人間というのは不思議なものです。

うつは辛い。それでもやっぱり甘えの病気?

 このように、うつ病は非常に辛い病気です。(アピール) イメージしづらい病気ではありますが、ありがたいことに、最近だとうつは甘えではないよ、十分大変な病気だよ、という認識も広がってきているのではないかと思います。しかし、なったからこそ、やはり甘えのうつ病はあると思うのです。
 もちろん、他人のために必死に頑張って、追い詰められてうつ病になってしまう人もいます。周りに恵まれず、誰からも理解されずうつ病になってしまう人もいます。そういう人がなるうつ病に甘えの要素は一切ありません。ゆっくり療養し、守られる権利があります。しかし、僕の場合はどうでしょう?
 他人のために必死に頑張ったかというと、そうでもありません。イヤ、残業が多いとか職場の雰囲気が悪いとか、新規出版物を1年目で持たされたとか、そういう話をしてただろとなるのですが、それは本当にうつになるほど大したことをしていたのでしょうか?そうではないと思います。残業も、新人として誰よりも早く来て誰よりも遅く帰って仕事を学ぶ意欲を見せていたであるとか、残業しても終わらないほどの仕事を引き受けたとかならまだわかります。ただ、僕がしていたのはほとんど雰囲気残業に近く、むしろ会社から残業代だけを回収する給料泥棒的行為です。また、他の先輩方はこの残業に加え土曜日に休日出勤をする人が多くいましたが、僕は新人である立場に甘えて土曜日はいつも休んでいました。むしろ部署内では一番楽をしていたと言えるでしょう。よりキツイ環境で皆頑張っているのに、一番キツさから遠ざけられている人が何故か休職をして先輩方の仕事をさらに増やしたのです。職場の雰囲気だってそうです。先輩方が多忙な中でも仕事を教えてもらわねばならないのはどこの職場でも発生することであり、新人であれば磨いていかねばいけないスキルです。雰囲気が悪いと感じると聞きに行けず黙ってしまうのはコミュニケーション能力の不足であり、いくらタイミングよく退職者や休職者が出たからと言って職場のせいにするのは他責思考が強いと言えるでしょう。新規出版物だって自分から手を上げて任されたのではなく、言われたから担当したと言うだけです。目をつけられたくないから大した仕事はしないけど残業する、忙しい時に聞いて怒られるのが怖いから質問しない、行動原理は常に自分本位であり、誰かのために頑張ってパンクしたと認定できるものではありません。
 では周りの環境はどうだったのでしょうか?新人の無能ぶりやコミュ障ぶりに耐え、多忙なのに休職してしわ寄せが行くことに文句や嫌味を言わなかった先輩社員や上司、目立ったハラスメントもなくうつ病からの復帰を認めてくれた職場、家族だって自分が勝手に気まずくなって嘘をついただけで仲は良好です。環境としては恵まれているはずです。なのに、感謝するどころかうつになってしまう。これは自己中心的な考えで今まで生きてきたからじゃないでしょうか?どこまでも自分本位で考え、
「定時帰りのラクな仕事じゃなきゃヤダ!」
「丁寧に教えてくれなきゃヤダ!」
「責任の重い仕事はヤダ!」
「みんな優しく心配してくれないとヤーヤーなの!」
ガキかおめェは。
 冷静になって書き出してみると、希望が叶わない度に職場がおかしい、親が無理解などと他人のせいにして被害妄想を膨らませているからうつになるのだと評価せざるを得ません。
 まあ何が言いたいのかというと、うつ病自体は辛くても、なる原因としては本人の甘えに端を発してるパターンがあるということです。大半のうつ病はやむを得ない理由や環境によるものかと思いますが、僕の場合は完全に甘えの病気だと断言できます。
 また、これは本当に大変なうつ病にも当てはまってしまうかもしれませんが、うつ病は何か(働くことや生きること)を免除されるための免罪符にはなりません。どこまで行ってもワタクシ個人の都合でしかありません。体調が悪いから休む、というのは子供や学生の世界の話で、大人であれば、感染の恐れや入院が必要で物理的に会社に行けないというわけでもない限り、それは個人の都合として自分の中で抑えて稼働することが必要になります。「体調管理」をするのが社会人の義務というのはそういうことなのだと思います。企業からすれば「イヤ、そんなの関係ないでしょ。普通に働く気がないなら辞めろよ」という話であり、他の企業にしても「ならうちでは採用しません」という話でしかありません。大人ならば大事なことは、うつ病であり、それがやむを得ないことを自分が認めるかどうかではなく周りに認めさせることです。事前に根回しをして仕事に穴を開けても支障や周囲の不快感がないようにしておくだとか、「あー、この人なら仕方ないな、頑張ってたもんな、お世話になったもんな」と思われるだけの信用をつくっておくこと。転職などでも「ならブランクがあっても仕方ないな」と思われるだけの説明ができること。それができないのであれば、隠してそれはないものとして普通に生きていくしかありません。そもそも普通の人は、突然診断書を上司に叩きつけて休職!となる前に、「あの、仕事量がとてもじゃないけど多くてですね……」と上司にキチンと相談して職場に迷惑かけないよう仕事調整するところから入りますからね。報連相ができていないだけです。
辛い→即精神科!休職!となるのは段階をすっ飛ばしすぎであり、趣味で解消、家族や恋人、友人に相談、仕事を他の人に振ってみる、上司に相談、全部やって全部ダメで最後に精神科ですからね。イキ告、というワードが最近流行りらしいですが、あれは恋愛も段階があって最後に確認として告白するところを、好き→即告白!となる一昔前のHoneyWorksの世界で生きてるみたいな世間知らずさとオツムの弱さがバカにされてるわけで、うつ病もこれと一緒です。このうつ病に甘えの要素はない!本当に可哀想で仕方のない病気なんだ!と言い切るためにはこういう段階をしっかり踏む人間的スキルが必要なわけです。
僕は周りに認めさせる準備もしないまま、休職してしまい隠して生きていくことも拒否した。せめてどちらかはやらないと大人として甘えていると言われてしまっても仕方ないと思います。

結局、どうすれば良かったの?

 では、僕がうつ病にならないためには、なってしまってからは、どうすればよかったのでしょうか?皆様がうつ病にならないようにするには、なってしまった時、どうした方がいいのか?思いつくことを列挙してみますので、参考になるものがあれば嬉しいです。

①大企業に入ろう!
 とにかくこれです。メンタルに自信がないのなら大企業やその子会社、公務員など母体がしっかりしているところに頑張って入社しましょう。繰り返しますが休職やメンタルヘルスに関わる労働法はありません!労務関係がしっかりしていない中小企業だと、その場の対応や下手をすれば社長の機嫌次第ということになってしまいます。母体がしっかりしている会社なら、まずメンタルヘルスによる休職などは想定され就業規則化されており、制度があなたを守ってくれます。福利厚生や給与などの待遇面だけでなく、いざという時に何とかなるかどうかも、就活で差がついてしまうポイントなのです。

②ストレス耐性をつけておこう!
 今回の場合、残業時間も少し忙しい程度、パワハラや嫌がらせなどもなく、普通のストレス耐性を持つ人なら耐えられる範囲の理由でうつ病になってしまっています。ストレスに直面するたびに心を壊していてはまともに生きていくことは難しいです。学生時代に部活動やスポーツ、受験勉強、アルバイトなどに時間を使うことで、自由に使える時間を不自由に使うことに対する許容値であるとか、人間関係のストレスに対する耐性であるとかが出てきます。部活動は幽霊部員、大学のサークルはオタサー、アルバイトは週2で遊ぶ金の分だけ。僕は学生時代こういう経験からずっと逃げ回ってきました。あのメンズコーチジョージは運動経験のない男は弱い、厳しいと言いましたが、その通りです。こういう経験は人を強くするため、つまり当たり前のストレスでメンタルを壊さないためにあったのですね。

③そもそも正社員なんかやるな!
 最近は、同一労働同一賃金の原則で、正社員でも派遣でもアルバイトでも同じ仕事で給与面に差をつけることが禁止されるようになりました。では、なぜ正社員の雇用があるのか?それは仕事に対して責任を取るからです。だから、仕事の責任を完遂させるために必要であれば残業もするし無理もするのです。仕事の責任と自分の体調が天秤にかかった時に後者を優先してしまう、そういう人はそもそも正社員をやらない方が良いのです。とはいえ、僕もそうですが、やはり正社員でないと将来が不安……というのはあると思います。正社員でありたいのならば、そういった部分を覚悟してやるしかないのです。もちろん、毎日終電帰り、サービス残業、激詰めパワハラされまくる……というような明らかにあちらに非がある職場は逃げましょう。

④信用される人になろう
 メンタル不調を周りに認めさせるには、普段積み上げた信用がものを言います。僕は、今まで信用をなくす行動ばかりしてきたために、親からすら息子への心配よりもサボり癖という判断が勝ってしまうことになり地獄を見ました。また、職場でも「ああ、あの人なら頑張ってたからなあ……」「あの人は好きだから心配だな」という評価があることで、休職や仕事途中での退職などにも寛容に扱ってもらえるでしょう。仕事を増やされることは意外と恨みを買います。社会に貢献している子育てママですら、時短勤務や育休でしわ寄せがいくと子持ち様と揶揄されるご時世です。信用がないと、「うつ病(笑)でサボれるなんて羨ましいなあ」など、本当に大変な他のうつ病の人の評価すら下げて迷惑をかけかねません。僕はこれがないのに根回しもせず勢いで休職してしまいました。周りは優しいから何も言いませんが、相当な顰蹙を買っているに違いありません。仕事ができるできないはともかく、人として信用されるかは、家族でも職場でも大事そうです。もちろん、機能不全家族が原因で、明らかにヤバい職場が原因で……という僕のような甘えのパターンではない理由もあると思いますが、そういう時にも友人や周囲が手を差し伸べてくれるかは信用に大きく依存するかもしれません。いい人になりたいものです……。

⑤ちゃんと休め!
 それでもうつ病になってしまった、休職せざるを得なかったという場合は、もうちゃんと休みましょう!自分が望むことをしましょう!他人のことは一旦忘れましょう!出勤するフリなんぞ以ての外で、メンタルヘルスを更に悪化させるだけです。親を黙らせてでも休んだ方がいい。食中毒になって会社を休んだ時、薬は切れて不安定になりましたがメンタルは少し良くなった気がしましたよ。休みましょう!

それでも人生は続いていく……

 さて、甘えが原因とはいえメンタルが過去最高に不調、人生のどん底(浅いどん底だなあ……)にいる僕ですが、もう休職はできませんし、転職先が決まらない限りは仕事を辞めるわけにもいきませんし、そもそも今手放すわけにはいかない仕事もあります。自〇も怖いし、親も悲しむだろうし、できないのであれば、どうにか生きていくしかない。どんなにメンタルを病んでいても、薬が増えても、自分を殴ってみても、人生は進んでいきます。今後どうしていくか、何を思って生きているかは、X(Twitter)の@810SNPI_114_514で発信していくつもりです。気になったらフォローしてください。(ネガティブな投稿をするために分離したアカウントなので、かなり見苦しいアカウントです。普段の投稿は別のアカウントでやってますのでフォローしたいよという方は是非連絡ください)まあ、うつ病はあくまで病気なので、時間が経てば寛解していくものでもあります。なのできっと生きていれば今がどん底なら快方に向かうだろうというわずかな希望もあります。もちろん転職活動など、現状を変えるための努力も並行して続けていくつもりです。どうにか死んでしまったりせずに、なんとか、なんとか生きていきたいと思います。
 この記事が、僕の近況報告だけでなく、うつ病をよく知らない方がどういうものか認識してもらえたり、メンタルに自信のない方がどうすればいいかを考えるきっかけになれば幸いです。






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