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仲間とのつながりから生まれる新たな挑戦 ―― 株式会社fan-mily(ファンミリー) 松田秀彦さん【地域と歩むまちづくりvol.9】

こんにちは。沖縄県名護市の「地域の公園」coconovaです。

このnoteでは、coconovaをキッカケにあたらしいことを始めてくれた人たちのインタビューをお届けしています。

過去のインタビュー一覧はこちら。

今回は、coconovaを拠点にアプリ開発などを行っている、株式会社fan-mily(ファンミリー)代表の松田秀彦さんをご紹介したいと思います!

松田秀彦
株式会社fan-mily(ファンミリー)代表。鹿児島県出身。2022年に沖縄に移住し、集客支援アプリ「JOREN」を自社開発・リリースを行う。2023年からweb3の技術を活用した新しい形の名刺アプリの開発に携わる。趣味はダンスで、coconovaのフリーマーケットなどでも踊りを披露している。
Written by 平良海舟(スタジオユリグラフ

「お金目的ではないサービス」とは?

JORENのリリースパーティーの様子

「僕はお金儲け自体にあまり興味がないんです。それよりも、身の回りの友達がより多くの満足感や幸せを感じられるサービスをつくりたいんです」

そう語るのは、株式会社「fan-mily」代表の松田秀彦さん。2022年8月に松田さんは独立・起業を行い、自社開発した「JOREN」をリリースしました.
「JOREN」は、「お店の常連さん」同士の関係を促進する集客支援アプリ。松田さん自身が社会人になって初めて知り、新鮮に感じた「常連さん同士のコミュニティ」をもっと多くの人に届けたい、という想いで開発をはじめました。具体的には、常連さん同士のチャット機能や、リアルタイムで誰がお店にいるのかわかる機能、常連さん同士で夢や目標を応援し合うためのオリジナルドリンクを作成する機能などが実装されていました。

JORENに使われたアイコン画像

「coconovaで『JOREN』のリリースイベントをやったときは最高でしたね。実際に自分のつくったアプリをその場でみんなに使ってもらえたんです。自分が作ったものが人の手に届いてる瞬間を生で見てるときはけっこう感動したっすね。やっぱ自分にとって大事なのは、自分の周りの仲間たちが使うようなサービスをつくることなんだな、ってあらためて思いました」

ずっと憧れていた沖縄でアプリ開発会社を起業

鹿児島で撮影した写真

鹿児島県生まれの松田さんが沖縄に来たのは2022年5月のことです。以前は、アプリケーション開発のエンジニアとして東京で生活していました。移住するきっかけは、新型コロナウイルスでした。コロナの影響で友達の家に住めなくなった松田さんは、「ADDress」という多拠点生活プラットフォームサービスを利用しはじめたといいます。フルリモートの仕事だったので、ADDressを使って沖縄を拠点にした生活をはじめることができました。

「沖縄が日本で一番好きっすね。自然が好きで、リゾート暮らしにも憧れてたんですよ。タイミングもよかったので、沖縄に来ることにしました。北部は国立公園もあるし、ほぼ必ず自然が守られるはずだから、長く住めそうだと感じてます。

僕は起業もしてるので、情報収集とか人との出会いとかめちゃめちゃ大事なんですけど、なぜか東京にいるよりも名護にいる方が面白い人と出会いやすいんですよね。上場企業の社長と会える機会もあったし、スタートアップのイベントも盛んだし、とにかくいろんな人に会えるんです。沖縄には、誰とでも仲良くなりやすいカルチャーがあるんだと思います」

沖縄で撮影した写真

移住してしばらくしてから、松田さんは株式会社fan-milyを起業し、「JOREN」をリリースしました。「JOREN」は、「令和4年度沖縄型オープンイノベーション創出促進事業」にも採択されるなど、注目を集めた集客支援サービスでした。しかし、現在は開発をストップしています。その理由としては、マネタイズの困難さなどのネガティブな要因もありますが、一方でポジティブな理由もあるといいます。

「『JOREN』とは別に、いま新しい開発事業に誘われてるんですよ。そこならもっと自分のやりたいことができるって思えた。それがポジティブな理由ですね。つまり、今は別の形でやりたいことを続けてるってことです」

web3の新たな可能性を模索する”新しい名刺アプリ”

東京web3ハッカソンのフライヤー

2022年の12月、松田さんは「東京web3ハッカソン」の参加をきっかけにして、新たな開発事業に誘われました。ハッカソンとは、エンジニアが集まり、限られた期間でプロダクトをつくってコンペを行うイベントのことです。このイベントで特別賞を取ったチームから誘われ、現在、松田さんは東京のスタートアップ企業と共同でweb3の技術を使った名刺アプリを開発しています。

「NFT(Non-Fungible Token)の技術を使えば、複製不可能なデジタルデータの価値を証明できるようになります。例えば、仮想空間でゴッホの絵のオリジナルデータに非常に高い価値がつけられるといった可能性もあり得ます。僕たちはそのNFTの技術を応用して、人と人のつながりとか、人と物のつながりとか、人と法人のつながりの価値を表現するプロダクトをつくりたいと思っているんです。具体的には、A君とB君が何回会ってるのかといったデータを見える化する、信用度の高い名刺アプリを開発している感じです」

「僕は仲間を見つけることがすごく大事だと思ってるんです」

起業を行ったり、自社開発のアプリをリリースしたり、最先端の技術を用いた事業に取り組んだりと、たいへんアグレッシブな松田さん。その行動力の源泉にあるのでしょうか? 話を聞いてみると、「一人でやってた頃は何も続かなかった」と語ります。

「新卒1年目のときから、自分でサービスを考えたり、アプリをつくってみたりしてたんです。でも、一人だと続かないんですよ。だから僕は仲間を見つけることがすごく大事だと思ってるんです。一緒にやってくれるひとがいたらもちろん最高だけど、ただ応援してくれる人でも、アドバイスをくれるメンターでもいい。僕の場合は、自分のやりたいことや、やり始めたことに対して、様々な人からフィードバックをもらえる環境をつくることができた。だからいろんなことをやれてるんだと思います」

松田さんは、coconovaに来て、はじめて仲間の重要性について気がついたといいます。「こういうのがやりたいんだよね」と話をすると、「じゃあ一緒にやろうよ」といってくれる仲間たちが、coconovaに来て自然にできていったそうです。

「ふつう、『こういうのがやりたいんだよね』って話をすること自体が難しいと思います。独立志向がない人に話したりしても、きちんと受け止めてくれないことの方が多いし。その点、coconovaは個人単位で動いてる人が多いから、『自分はどういう風に生きたい』『どういうことをしたい』って話がしやすいんです。代表のゆうきさんなんかは特に、『いろいろ気にしないでとりあえずやってみようか』みたいなノリだから話すこと自体が面白いんですよね(笑)。

そういう人たちの考え方とか意思決定を近くで見てると、自分自身の考え方まで拡張される感覚――そこまで自由になにかを始めてもいいんだ、という感覚――になります」

取材中も、話を聞いていると「えー、今度飲みましょうよ」と筆者に声掛けしてくれたフランクな松田さん。読者に向かってなにか伝えたいことがあるか聞くと、「平日はよくcoconovaにいるので、とりあえず来て友達になってみましょ、って感じですかね」と笑います。松田さんはアプリケーション開発のワークショップや講義なども行っており、これから多くの人にIT技術を指導していきたいそうです。気になる人はぜひ、松田さんのイベント・セミナーなどに参加してみて、「松田さんたちの仲間」に加わってみてはいかがでしょうか。

アプリ開発に関する講義を行っている松田さん

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