池田一城

日常の出来事やこれまでの経験、考えたことなどをつらつら書きます。 転職/転業/文化人類…

池田一城

日常の出来事やこれまでの経験、考えたことなどをつらつら書きます。 転職/転業/文化人類学/考古学/現代社会/宗教研究/音楽/映画/旅/料理/language:Japanese,English.

最近の記事

「公教育」概念の拡大あるいは曖昧化と消費社会について

『BUZZ FEED』記事『「教育を汚すな」「ふざけるな」教育界の異端児は、それでも“YouTubeの授業”にこだわった』を拝読して(以下リンク)。​ https://www.buzzfeed.com/jp/yuyayoshida/haichi1?fbclid=IwAR0FHlROq4crR0Pq8Uf1MWjLByed-odNfiIR6jJbpCmr0-b87y8Mf6xeGaU じっくりと読んだ末に沸き上がった問いは、 「公教育って何やっけ?」「何やったっけ?」

    • 「盗撮の元小学校教諭に有罪判決」(和歌山県)と「いきづらさ」について

      「盗撮の元小学校教諭に有罪判決」と聞いて、頭にきますか?どうですか? https://www.tv-wakayama.co.jp/smp/news/detail.php?keyword&page=3&fbclid=IwAR0lf6PbYXOHQoDri0tApFdId1TPYmVusg8YcU0uEUclS5xtJi3fIEwpAG4https://www.tv-wakayama.co.jp/smp/news/detail.php?keyword&page=3&fbclid

      • ナイキ(NIKE JP)のCMと消費者の関係性について

        かのNIKEです。 まずはこの(どっかで炎上してるらしいけど、CM(宣伝・広告)としては大成功ですね)を見て頂きたい。これは皆が知るグローバル企業であるNIKE(JP)が制作したものです(以下)。 https://www.youtube.com/watch?v=G02u6sN_sRc&feature=youtu.be&fbclid=IwAR0sN_7tiSB0RVSgZ71fyQK_QhKhXcWIXpSm2NaJnTxIkczeqp8S9KVEhgU 日本を舞台に、「在

        • 文化芸術政策 -市町村-

          地域における文化芸術の振興(あるいは衰退)を考えたとき、必要になってくる要件のひとつに地方公共団体からの補助金/交付金が挙げられる。特に都市部ではない、いわゆる「田舎」「地方」でのアート活動を考えると、人口相対的にカネという要素は重要。 まず、現在の日本における文化芸術(広義の「アート」活動)を経済的な側面から見た場合、頂点が狭小な極端な三角形を形成しているのが現実である。アートマネジメントや文化政策を学んだ人にとっては、世界中で勃興する「中間層」が「存在しない」世界が、日

        「公教育」概念の拡大あるいは曖昧化と消費社会について

          なぜボクシングをするのか -その②-

          高度な情報化社会が到来して以後、他者の心身を蝕む・攻撃するという意味で、実際的な問題の要素のひとつに "匿名性" があると思います。 まぁ・・・そんなもん、勝手に晒しとけや暇人、とも思いますが。 某巨大掲示板が隆盛を極め、それが今現在でも続いている状況に限定されるものではなく、有名人はもちろん、いわゆる庶民(民衆)もまた情報の発信源となり得る時代というのは、(前現代では確実に不干渉であったという意味で)素晴らしい相互通行なのですが、発信される情報に対して、匿名という方法を用

          なぜボクシングをするのか -その②-

          なぜボクシングをするのか?-その①-

          最近はコロナ禍で " Stay Home " が政治とは無関係に意識的に根付き、以前にも増してランニングやウォーキングをする方々をお見かけする機会が増えたように思います。コロナ禍以前においても欧米の健康志向≒運動という構図が日本にもサプリ文化と同様に伝わり、生活習慣として根付いてきた感じでしょうか。 僕自身は40代からボクシングを始めました。おもろいでしょ(笑)。 ジムを訪れる人には、当然の事として、ダイエット、フィットネス、運動不足解消、ストレス発散など多様な動機・理由

          なぜボクシングをするのか?-その①-

          ただの日記が、特攻隊につながる。

          AM6:50 僕「行ってきまーす」 子「早く帰ってきてねー」 僕「努力するわ!」(頑張るとは言わないようにしてます)。 子「何時頃帰ってこれる?こーたんが寝るまで帰ってこれる?」 僕「なんとかやってみます!」 「バイバーイ」・・・「バイバーィ」・・・「バイバーイ!」・・(扉が閉まっても)「バイバーイ!」(と部屋から聞こえてくる)・・「バイバーイ!!!」・・・・・・・。その後はマスク越しの呼吸音が静けさを強調する。 2020年・・・こんな日常的な会話が交わされる幸福。 『

          ただの日記が、特攻隊につながる。

          なぜ安楽死はダメで、出生前診断はOKなの?

          謎ですよね。 先に言っておきますが、こんな壮大かつ難解なタイトルに対して明確な回答を導き出せるほどボクの知は深くありませんし、正義感でもなんでもありません。ただ、この問いかけには「我々はどのような根拠によって「人間」を規定しているのか?」という機能的意味の一端を考える材料にはなると思います。「人間が「人間」を規定する」仕組みとは。 ◆法とタテマエ -出生前診断に基づく堕胎- 日本では堕胎(人口妊娠中絶)は基本的には認められていませんが、①妊娠の継続又は分娩が身体的又は経済

          なぜ安楽死はダメで、出生前診断はOKなの?

          「ALS安楽死事件」についての速攻雑文

          うちの元気なオヤジが皮肉めいて言うわけです。 「後期高齢者に仲間入りしました!アッハー!!」 と。彼は表面的に言葉を羅列しているのではなく、「オイ、誰が後期高齢者やねん?」「後期ってどういうことやねん?ジュラ紀か?恐竜か?」と続く含みを持って話している。そもそも、「子ども」~「老人(高齢者)」と名指ししたのは誰か、何のためか。 「老人(高齢者)」とは?答えのひとつは「定年年齢」「年金の給付開始年齢」「医療支給対象年齢」など、社会の仕組みとして定められたからと言えます。そ

          「ALS安楽死事件」についての速攻雑文

          観光地は「地域」、ホストはそれ以前に「住民」である。たとえ猫でも。

          「GO TO ナントカ」あるいは将来に向かう話として。 とても簡単な事例から入りたい。以下はとある観光地の商店内おけるゲストとホストの会話。 ゲスト「ここはいいところですね」 ホスト「・・・そうですかねー?どのへんがですか?」 決まりきった問答ならばここでホストは「ありがとうございます」「そーでしょー!!」と答えるのかもしれない。しかし、これはリップサービスに過ぎない可能性もある。筆者の場合、都市の一角であれ地方の観光地であれ、他所に行って軽率に総体的な意味で「よいとこ

          観光地は「地域」、ホストはそれ以前に「住民」である。たとえ猫でも。

          地域を「語る」ということ

          たまに高野山を案内してと仕事やPVTで言われる。それ自体は大歓迎。 ただ、案内(guide)というのは簡単なものでもない。知識と同じように、如何にわかりやすく伝えるかということが大きな課題になってくるし、イメージと逆行する場合があるので真実だけを追求すれば尚更だ。しかも個人的には「こんなん当たり前」という自明の事実が、ゲストにとればそうではない(これは研究でも同じ)。人によれば「ここはお寺が多いねぇ、なんで?」「え?そこから?」と思うときもあります。 高野山は地理的にはコ

          地域を「語る」ということ

          '90年代の青春を生きてきた諸君!グローバル化にみるアイデンティティの揺らぎその(2)

          大学に入って何がしたいか?大学入学それ自体の動機は曖昧でしたが、「どんな学問をしたい?か」「具体的に何がしたいか?」この問いについて僕は明確でした(これは愚鈍な私が2年間という浪人生活を経験したからこそ考え。得られた結果かもしれません)。答えは「4年という期間の中で、報道等で見聞する「対岸の火事」をこの眼で実際に見たいというもの。 だから夏休みなどの長期休暇になればバックパックを背負って格安航空券と当時はまだバックパッカーにとって使えるものであった『地球の歩き方』の必要箇所

          '90年代の青春を生きてきた諸君!グローバル化にみるアイデンティティの揺らぎその(2)

          '90年代の青春を生きてきた諸君!都市化・グローバル化にみるアイデンティティの揺らぎ

          いきなりですが僕にとって高校時代は「東京」で頭が充填されていました。進学したい大学も全部「東京」。当時ミスチルの『抱きしめたい』が流行っていましたが、それを聴いて「純朴な少年」(念のため括弧)が妄想した場所も「東京」。 東京とは僕にとって憧れであり目指すべき場所でした。苦学生として上京して十数年を過ごした父親の影響もあるでしょう。今40代を越えて当時の想いとは裏腹にアメリカのNew EnglandやNZで(完全な自給自足など現代社会では不可能ですが)生活のための最低限の身銭

          '90年代の青春を生きてきた諸君!都市化・グローバル化にみるアイデンティティの揺らぎ

          報道される「宗教」って人によっては迷惑じゃない?軽く危惧。

           先に言っておきますが、僕は世俗の人間です。周囲には有難いことに尊敬できる「聖職者」(多くは僧侶の皆さん)が数名はいらっしゃいます。今回は「宗教」や「信仰者」の是非ではなく(それはパーナルな話になります)、「宗教」に関わる、 ①「出来事・事件」 ②「メディアによる「宗教」の扱い方」 ③今後の「宗教」と補足説明の必要性 をキーワードとして少し考えてみたいと思います。 1.現代社会の「宗教」と出来事 -「記憶」- さて、前近代までは『となりのトトロ』の愛すべきキャラクタ

          報道される「宗教」って人によっては迷惑じゃない?軽く危惧。

          ゲームにおける想像力を用いる機会の喪失 「進化」?「退化」?

          京都銀行のCM並みに長くなりそうなので編集しました(先に読んで頂いた方には大変失礼致しました)。ここで言いたいことはひとつ。簡単に言えば、 「(科学)技術の進歩と市場間競争は、人間による想像力介入の余地、ファンタジックな想像力を働かせる契機さえ減らしちゃうもんですね」 ってことです。手短にいきます(笑)。 1.家庭用ゲーム機の「進化」 まずお断りしなければならないのが、本来は以下にあげるハード以外にも「メガドライブ」、「PCエンジン」、「CD-ROM2」「バーチャルボー

          ゲームにおける想像力を用いる機会の喪失 「進化」?「退化」?

          司法判断とは別に「ふるさと納税」問題を考えてみる。

          1.司法判断としての泉佐野市の勝訴は「あたりまえ」 ふるさと納税の返礼品問題で泉佐野市(大阪府)が最高裁にまで及ぶ裁判の末に国(総務省)に勝訴した。要約的に言えば、同市によるふるさと納税における返礼品が、「アマゾンギフト券」や「牛肉」「ビール」「航空券ポイント」など、総務省が想定していた "あり方" から逸脱したものであり、国が「ケシカラン!」「ハレンチだっ!」「イヤン、バカン、アハハン!」とお怒りになったわけです。そのため総務省は対処的措置として、2017年4月に「返礼割

          司法判断とは別に「ふるさと納税」問題を考えてみる。