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元旅行者の視点から(9)~時間の使い方

僕が数年単位で日本を離れて旅行していた90年代は、まだ、成人男性は、社会人は、こういう風に行動しなくてはいけない、という価値観というか社会通念のようなものが残っていた頃で、

休日の過ごし方にも暗黙のルールのようなものが存在し、休日にも仕事の付き合いが入り、趣味を人と合わせ、どこかへ行くのにも数人で連れ立っていくものだ、という固定観念のようなものが社会に大きく広がっていた時代だったように思います。

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長い旅行へ出るまでの社会生活でもそんな感じで、趣味は何、とか、休みの日は何をしているの、と常に聞かれ、ある程度人と合わせた答えを探し、また、ある程度本当は気が進まない付き合いのようなものもしなくてはいけないことが当たり前の日常を窮屈に思っていて、

旅行へ出て、ほとんど初めて自分で自分の時間を使っているような新鮮な感動があったのですが、同時に、

自分と同じように、もっと長期間、一人で旅行している日本人がたくさん居ることに驚き、また、彼らと話していると価値観も合い、自分がおかしいわけではないことに気付くこともできました。

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一人で旅行している人は、実はずっと一人で居ることは少なく、一人で旅行しているからこそ色んな人と関わることができて、その時会った人と深く話し込むこともできます。それでいて、自分自身で行動を決めることができる。

時に、会った人と一緒に一定期間旅行をともにすることもある。そしてまた一人に戻り、新たな人と会う。旅行者と会わない時期もありましたが、それでも現地の人とは話すし、まったく一人ということはほぼなく、常に人と関わっていました。

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ただ、日本人旅行者がある程度の数集まると日本社会の縮図のような状態になってしまい、各地にある『日本人宿』などではその宿特有の暗黙のルールのようなものがあったりして、

よく「沈没」と称して日本人宿で数ヶ月過ごしてしまうのは、リラックスして時間の流れが止まってしまうこともあるのでしょうが、宿で生じた人間関係から抜け出せなくなることもあったように思います。

今は当時と比べて価値観も多様化してきて、日本の一般社会でも、別に休みの日に何をしていようと個人の自由、といった感じになってきているように思うのですが、どうでしょうか。

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