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アイルランド休学紀行 〜①出国前編〜

どうも。skinny_dです。

今回は私が人生で唯一留学したことのある国、「アイルランド」について綴る。
最近はラグビーW杯で注目され、なんとなく緑のイメージくらいはあるだろう。

また、黒ビールの最高峰ギネスや、スムースな飲み口で知られるアイリッシュウイスキー、世界的歌手であるU2やエンヤ、ジャガイモ(飢饉)のイメージもあるかも知れない。

英語が喋れない

自己紹介の記事でも書いたが、私はいわゆるFランク大学の出身である。
何を学んでいたかというと、英文学科的なアレである。
上智大学レベルであれば違うのかも知れないが、英語教師や文学者、言語学者、通訳翻訳家にならないのであれば、あまりおすすめしない。
英語は大学に行かなくても、たくさんのところで学ぶことが出来る。

私は英語が一番好きな科目(決して得意ではない)という安直極まりない理由で選んだ。
英語喋れるようになったらカッコいいなと。

大学3年の夏が終わろうとする頃、一つ衝撃の事実に気づいた。

英語が喋れないのである。

英語には日々触れていたものの、週2コマしかスピーキングのクラスがなかったし、英語劇とかESS的なサークルにも入っていなかった私は、授業外では英語に触れる機会がなかった。喋れる様になるわけがない。

交換留学制度的なものはあり検討はしたのだが、当時私は学園祭実行委員に命をかけており、何よりも優先順位が高いものだった。「今しか出来ないものだ」と口癖のように言っていた。大学3年生までしか活動は許されず、2年で引退するなんて考えられなかった。

今考えれば視野が狭すぎて笑えるくらいだが、仲間にも恵まれており当時はその選択に全く悔いはなかった(今もだが)。

しかし、英語が喋れない現実は変わらない。

休学という選択肢

周りは就活を始めていたが、英語が喋れない状態で卒業したくなかった私は、休学して留学を考えるようになった。
調べてみるとどうやら海外ではギャップイヤーと言い、至って普通のことらしい。別に日本でも特段珍しいことではなさそうだ。
しかし、超同調社会でぬくぬくと生きてきた私にとっては大きな決断だった。

Fラン大学にしか受からなかった私は、当初浪人するかとても迷った。
結局浪人せず進学したのだが、
休学について両親に相談した時「浪人で使うはずだった1年と思えばいいじゃない」と背中を押してくれた。素晴らしい親である。当時付き合っていた彼女や友人も応援してくれた。

こうして、休学して留学することは決定した。
次は、行き先である。

アイルランドに決めた理由

私は現在31カ国に渡航歴があるのだが(外出自粛で暇な時にしらべた。我ながら中途半端な数である)、当時はアメリカにもヨーロッパにも行ったことが無かった。

英語留学先といえばアメリカが筆頭にあがるが、どちらかというまでもなく陰キャであった私は、アメリカのどことなく「ウェーイ」な陽イメージが受け付けられなかった。

さらに、謎の「人と違う俺、カッコイイ」という厨二感を大三で発揮しており、「現地で日本人とは絶対つるまねぇ」と息巻いていたこともあり、オーストラリア、イギリス、ニュージーランド、フィリピンなどメジャーな国は候補から消えた。

私は当時大学でアイルランド史を勉強していた(日本の幕末みたいにわかりやすく面白い時代があるのだ)。
また、ご存知の通り英語圏である。
さらに、「アイルランドの、アイルランド人」を意味する【Irish】の発音が異様に気に入っていたということを発端に、留学先としてアイルランドに興味を持った。
まだ見ぬヨーロッパに憧れを持っていたことも影響した。

調べてみると、以下の様なワードが出てくる。
・アイルランド人は気さくで優しい国民性
 →え、めっちゃいいじゃん
・自然が豊かで、とりわけ緑が多い
 →緑大好き
・天気が変わりやすく、「一日の間に四季がある」と言われている
 →なんかカッコイイ
・日本人留学生が少ない
 →「現地で日本人とは絶対つるまねぇ」「人と違う俺、カッコイイ」
・ヨーロッパは国が隣接している為気軽にいろんな国にいける
 →楽しそう

単純な私は、魅力的なワードの羅列に翻弄された。
「俺はアイルランドに行く運命だったんだ」
「将来はアイルランドと日本の架け橋となる仕事に就こう」
「もはや世界で一番好きな国だわ」

アイルランドを調べ始めたその日にアイルランド行きを決断した。

さて、アイルランドの首都は「ダブリン」だ。
語学学校も多く、娯楽も多い。
しかし、「現地で日本人とは絶対つるまねぇ」「人と違う俺、カッコイイ」でおなじみの私である。当然「アイルランドってだけでも珍しいのに、首都外したらカッコ良すぎないか」となる。

ここで、「あえて語学学校の無い小さな街に行ってみる」「いっそファームステイしてみる」とマイノリティの道を突き進めないのが私が私たる所以である。

「次に大きい街はどこかな〜」と極めて普通な思考回路で、アイルランド第二の都市であり南端に位置する「コーク」という街に決めた。

滞在方法は
・ホームステイ
・語学学校の寮
・フラットと呼ばれる賃貸(基本ルームシェア)
以上3択だったが、私が行きたい語学学校に寮はなく、「生粋の一人っ子」である私はルームシェアしかも海外なんて選択肢はなく、順当にホームステイを選んだ(結果シェアだったけど)。

語学学校はとりあえず半年は行くつもりだったので、ホームステイも半年一括払いで契約した(これが留学中における最大の失敗だった・・・)。

ちなみに、アイルランドはワーホリもあるのだが、当時の私は調べが足りていなかった。
もしどちらか悩んでいる人は絶対にワーホリをオススメする(後日記述予定。多分)。

いざ、出発

就活に忙しくする同級生を尻目に、私は人生初の(親や友人の後押しがあったとはいえ)自分で下した休学、そして留学という決断に心を踊らせていた。
「俺は自分の人生を生きているんだッ!!」
まだ何も成し遂げていないのに、すでに達成感すら感じていた(アホである)。

その慢心を見抜かれたのか、留学2日前に当時の彼女から別れを告げられた。
出国当日、成田空港へ見送りに来てくれた友人たちに、
「あれ、彼女は?」
「就活で忙しいの?」
「え、もしかして・・・」
「・・・」
「・・・がんばってね!!」
と空気を読んだ見送りをしてもらい、

泣きながら出国しました。


次回へ続く。


今日の1曲

【Hotel Majestic/ Fountains Of Wayne】
・なぜだか知らないがアイルランド留学中にFountains Of Wayneをヘビロテしてた。元気を出したい朝に。



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