結帯動作を理解するnote
こんにちは!
2021年がはじまり2ヶ月目、どのようにお過ごしでしょうか。
私は1月から整形外科クリニックに転職し、運動器疾患と向き合う日々が続いています。一単位でまわすのは大変ですね。
そこで毎日悩ませられるのが、肩疾患。
特に「肩関節周囲炎」は毎日のようにみますし、そして介入がとても難しい。
その中でも結構な頻度で(というかほぼ100%)遭遇するのが、結帯制限。
・ズボンをはくのが難しい
・エプロンが結べない
・下着の着脱が難しい
・背中がかけない
このような悩みに遭遇することが非常に非常に多いです!!
ちなみに先行研究においても、肩関節疾患症例では、
「頭上の棚の物に手が届く」「結帯動作」「引き戸の開閉」
というADL動作が困難になることが多いと報告されています。[1]
([ ]内に対応する文献を最後に記載しています)
ということで今回は結帯動作について勉強してみました。
このnoteを読むことで、結帯動作に対する苦手意識の克服や、臨床における悩みが少しでも解決できると嬉しいです!!
それではいきます!
結帯動作のパターンとは
いわゆる健常者の結帯動作には、2つのパターンが存在します。[2]
内転パターンと外転パターンです。
肩甲上腕関節を外転させて行うのが、外転パターン(外転結帯)、
肩甲上腕関節を内転させて行うのが、内転パターン(内転結帯)ですね。
患者さんそれぞれがどちらの結帯を好むのかを把握しておくことも必要。
健側の動作によって確認しておきましょう。
臨床の評価では何気なく結帯をさせて動作評価してると思いますが、このどちらの結帯を獲得させていきたいのかを明確にすることがまずは重要となります。
なぜこれが重要なのか。
2つのパターンはそれぞれ、筋活動も肩甲骨の動態も異なるからです。
(もちろん、肩甲上腕関節も内転と外転で異なりますが。)
肩甲骨の違い、上図を見ただけでわかりますかね?
筋活動についてはもう少し後に説明していきます。
-----まとめ-----
結帯動作は内転結帯と外転結帯の2パターンに分けられる。
結帯動作の相わけ
それでは結帯動作を実際に見ていきましょう。
この時覚えておくと便利なのが、相分けです。
相分けで代表的なのは、歩行と起立でしょうか?
歩行で言えば、「IC〜LR〜MSt〜TSt〜ISw〜MSw〜TSw」ですね。
起立でも、「屈曲相〜離殿相〜伸展相」と分けて考えることが多いです。
この辺りは養成校でもきっと習うことでしょう。
動作を見る上で相分けをすると、問題点が把握しやすいですよね。
というわけで、結帯動作も相分けしちゃいましょう!!
先行文献[3,4,5]より、
①肩下垂位〜尾骨(L5)
②尾骨(L5)〜Th12
③Th12〜Th7
の3つに分けて研究していることが多いので、臨床的にもこの3相で考えちゃえばいいんじゃないでしょうか??
(尾骨,L5に関してはここでは厳密に区別せず、おおよそ相の分け目とします。)
内転結帯では・・・
外転結帯では・・・
こんな感じですね!
こうして分けることで、結帯動作における問題点が把握しやすくなります。
それではこの相分けに基づいて、結帯動作を解剖していきましょう!
(注:この相分けは教科書などで示されているものではなく、私が先行文献に基づいて勝手に分けているものです。)
-----まとめ-----
結帯動作は3相に分けて考えると評価しやすい。
第1相:下垂位〜尾骨(〜L5あたりまで)
第2相:尾骨(L5)〜Th12
第3相:Th12〜Th7
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