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学び方にも多様性を 1

また感染拡大の局面を迎え、首都圏では休校やオンライン活用の動きも見られているようですが、地方でも学級閉鎖の動きが出てきています。また、テレビのCMでも、大手の教室さんがオンライン授業を行うと宣伝を始めています。

私の教室でも、地方の個人塾としては比較的早期にオンライン授業を実施し、また、昨年9月より全国対応を開始しました(広告にお金をかけられない極貧教室なので、まだ全然知られていないのですが)。

それでも、令和4年1月時点で、対面授業で小学生10名、中学生10名、高校生2名、専門学校生1名、オンラインは中学生1名、高校生1名と、細々ながら業績を維持できているのが、ありがたいお話です。

そして、これまでの経験から感じたことが、こういった時代だからこそ、学び方にも多様性が認められるとよいのだろう、ということでした。

この教室の存在意義

塾教室と銘打ってはいますが、この教室は、いわゆる入試のためだけの塾とは違い、成績が上位の学生さんも、振るわない学生さんも、一緒に学習しています。

成績や進学実績でいえば、ぜんぜん他の教室さんのほうが「上位」なのだろうと思います。もしかしたら地元では、「あそこに通わせるとバカになる」なんて評判も立っているかもしれませんね。考えすぎかもしれませんが。

それでも、この教室は、定期試験や入試だけを理由にした学習を強いることは、なるべく避けるという方針を変えずにきています。

それは、大人になっても「学ぶこと」はついてまわるから、短期的に詰め込んで忘れるよりは、この先、時間をかけてでも学ぶことへの工夫や意識を持ち続けるために、できるだけたのしく、わかりやすく学んでほしい、という思いからです。

したがって、この教室には常に、どこか「余裕」をつくっておいています。

この5年で、この教室が対面授業で担ってきた機能を整理すると、
次の通りとなります。

・小学校中学年まで:学校とは違うコミュニティーで、今まで出会ったことのない人と出会い、学びや遊びの中から、調和や心づかいを学んでいます

・高学年〜中2:思春期で変わっていく心の整理方法を学んでいます。また、記述問題への臨み方を時間をかけて指導し、自分と違う考え方を客観的に見て、それを踏まえて自分はどうするか、ということを表現してもらうスキルを学んでいます。

・中3以降:これまで学んできた「自と他」のバランス感覚から、自分で判断し、どう行動するか、ということを実践していってもらっています。

中長期的視点

一般に、「学習塾」というところは、いかにしてテストや受験でよい成績を残すかということが存在意義なのかもしれません。そして、効率良く高得点に近づくことが、費用対効果に優れて良い塾である、と考えられることもあるでしょう。

しかし、この教室は、その側面があるとすれば、せいぜい2割程度です。

もちろん、私にだって、通ってくださるお子さんの成績アップに寄与したい気持ちもあります。ですが、それ以上に意識しているのは、「人生のとても大事な時間である成長期に、どれだけの可能性に触れてもらえるのか」ということです。

われわれ現代人は忙しいからなのでしょうか、以前よりも「自分でやってみる」という経験に踏み出す人と、そうでない人との差が、どんどん顕著なものになってきています。

少し調べればできそうなことも、面倒臭くなって、やらない。

しかし、これから我々が迎える時代は、「やる人」と「やらない人」との差が大きくなります。

会社は副業禁止規定を解くかわりに、若い頃の給与や手当を従来よりも少なくする動きになっています。また、今まで以上に、働き始めで求められるスキルが多くなることも予想されます。

言われたことをやるだけだったら、ダメだという時代です。

行き詰まった時に、自分で調べ、考え、
誰かの意見も聞き、行動できるようにする。

その力を養うには、どのようにしたらよいか。
それを一人一人に対して、考えて、実践することを、第一義としています。

(続く)

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