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2023年 読書記録 #17『廃遊園地の殺人』

プレオープン中に起きた銃乱射事件のため閉園に追い込まれたテーマパーク・イリュジオンランド。
廃墟コレクターの資産家・十嶋庵(としまいおり)はかつての夢の国を二十年ぶりに解き放つ。
狭き門をくぐり抜け、廃遊園地へと招かれた廃墟マニアのコンビニ店員・眞上永太郎(まがみえいたろう)を待っていたのは、『このイリュジオンランドは、宝を見つけたものに譲る』という十嶋からの伝言だった。
それぞれに因縁を抱えた招待客たちは宝探しをはじめるが、翌朝串刺しになった血まみれの着ぐるみが見つかる。
止まらない殺人、見つからない犯人、最後に真実を見つけ出すのは……

〇〇の殺人

さて、今回私が紹介するのは、斜線堂有紀著『廃遊園地の殺人』です!
まぁこの世には〇〇の殺人というタイトルのミステリーが数多ありますよね!
ミステリー好きなら『〇〇の殺人』というタイトルがついた小説を一冊は読んだことがあるのではないでしょうか?
このタイトルで多いのは特に館もの!
『十角館の殺人』とかその他諸々、挙げ出すとキリがないですね。

館もの?

本作も例にもれず館もの!と言えるかどうか、、、微妙なところ、、、
タイトルの通り舞台は廃遊園地なのですが、、、
廃遊園地を大きい一つの館として考えれば、、、
広い目で見れば館ものと、言えなくもないですかね、、、?
少なくともクローズドサークルではあると思います!
まぁどっちだっていいでしょう!面白ければ!

コンビニ店員恐るべし

さて、本作は廃遊園地を舞台にしたミステリーなのですが、
主人公である廃墟好きのコンビニ店員・眞上君が探偵役となります。
彼、探偵役をするだけのことはあり、かなりの洞察力や推理力を持っています。
彼はその能力を全てコンビニで説明します。
「すごい洞察力だね」
「いえコンビニ店員をしていると洞察力が必要なので」
みたいな。
こんなシーンが何回も出てきます。
コミカルです。
面白いです。

好きな言葉は狂気です

小説でも漫画でも映画でも、私が好きなキャラクターの特徴として、
狂気を感じる、というものがあります。
所謂サイコパス的な狂気だけではなく。
狂気的な愛、
狂気的なこだわり、
みたいなものを感じるキャラクターが好きなのです。
例えば、私は『ハイキュー』という漫画が好きなのですが、
主人公の日向翔陽君、読んでいる人なら理解してもらえるとは思いますが、彼からはバレーボールが好きすぎる故の狂気を感じます。
私は多少の狂気性を持ったキャラクターに魅力を感じてしまうのです。

本作の主人公、眞上くんにも少し狂気を感じます。
詳しくは読んで体感してほしいのですが、廃墟が好きすぎる故の狂気を感じます。
そこが私にとっては非常に魅力的に感じました。

ようやく中身

さて、ここまではキャラの魅力を書いてきましたが、
肝心の内容はというと、
これもしっかり面白いです。
というか本格的!
廃遊園地という特殊な環境設定を活かしたトリックなんかも出てきて非常に楽しめました。
なんというか、本格的過ぎて謎解きパートで若干ややこしいなと感じる人も居るかもしれません。
ですが非常に面白かったので斜線堂先生の他の作品も楽しみです。(実は積んでるのが3冊ほどあります、、、)


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