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詩 「ふたり」

停電にあった冬の夜。
久しぶりにやかんでお湯を沸かして、
溜め込んだ貰い物のキャンドルに火を灯して、
あったかいお茶を飲んだ。
よしない話は尽きないけれど、
テーブルの下は冷え込んで、
ああ、こたつが欲しいなあ、
と二人は身を寄せ合った。
いつもより顔を近づけて、
やかんのピーピー呼ぶ音が、
もう何度目か、鳴っていた。
やかん、捨てなくて良かったね。
キャンドルの火が綺麗だね。
いつもよりお互いの顔をじっと見て、
心のどこか、この夜が終わらないことを願ってる。
やかんで淹れたお茶の味や、
キャンドルで灯した部屋の色と、
二人一緒にいる意味が、
知ることのできた夜でした。
次はこたつの温もりを
二人一緒に知る夜が
きっとどこかにあるんだろう。

ふたり

https://www.instagram.com/snowmoon_1999/


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