snowmoon_1999
概要 私の夢で描かれていた物語をもとに小説をかいてみました。実体験に基づかない、不完全なドラマのような夢は私に完成させたい気持ちを産み出したので、一度書いてみることにしました。まだ物語は始まったばかりで、続きがかけたらいいですね。できたら最後まで。小説を書くのは初めてなので稚拙ですが読んでいただけたら嬉しいです。 本編 ジョーの働く台湾料理店はウェイトレスが辞めていって、サービスの質が明らかに落ちてもお客さんの数は減らなかった。 大体が常連かその連れだった。 ウェイト
私の好きな小説 眠れない夜です。こういう時物思いに耽ると、文章にまとめたくなります。 そうすると余計に目が冴えて、なかなかお目にかかれない白い朝を見ることになります。朝に眠ることは好きですが、起きる時に自分がとても嫌になります。 バックグラウンドミュージックはThe Beatlesの"Rubber Soul"。 私はついこの間村上春樹氏の『ノルウェイの森』を読み終えたばかりなのです。 最後まで読み切ったのは、おそらく二回目。数年の間があります。 今日は私が今まで、そしてこれ
生と死について、 考えない日があったとしたらどれほどいいだろう。 地球儀の青い海は死で、 大地は生。 大地は唸る。 海は攫う。 今大地に立つ私から、 海は攫うのだ。 生きてたものを。 私が死後にどこにいこうと、 今の私には知りもしないが。 あの命が今どこにいるのか、 地球儀を何回廻しただろう。 地球を何周しても、 海に飲まれた鼓動は聞こえない。 足音は鳴らない。 どうか波の穏やかな海域で、 右も左も上も下もなく、 自由に踊っていられますよう
ずっと観たかった「リリーのすべて」を観て、いろいろ感じたことがあったので綴ります。 はじめに 私はこの映画を観る前から、セクシャリティについて自分がどう捉えて、どう考えているのか、分からずにいました。男性、女性、という枠組みについて、LGBTQについての知識はまだまだ足りないですが、じゃあ私は、一体何者か分からず不安定でした。だからこの映画を見て何かの答えが出ると思いました。答えは出ませんでした。でも新しい考え方も生まれました。今日は自分のために詳しく綴っていきたいと思い
iPhoneのメモの整理をしていたら、ハタチの頃に描いていた日記のような、詩が雑然と書かれているのを発見しました。 ちょうど心の体調を崩し始めた頃、ハタチという節目に書かれていたことが興味深く、懐かしくも感じられたのでnoteに書いてみようと思います。 幸せ 何者かを演じ、美しい笑みを浮かべ、一筋の涙を零し、多くの人から喝采を浴びる。 そんな役者に憧れた。 けれど私のいちばんの幸せはそんなことではないと、かけがえのない存在が目を細めて笑うたび、声を出して笑うたび、私の胸を
はじめに。こんにちは、こんばんは。雪月です。noteやinstagram、twitterなどに絵や詩の投稿をしています。 私は小さい頃から空想の物語を妄想するのが好きでした。それが今まで描いてきたイラストや、詩の世界に結びついていると思います。今日は私がイラストを描くときにひっそりと考えた、架空の物語の登場人物たちについて綴りたいと思います。※私の中のふわふわした妄想のお話なので、私のイラストを見てくれた人たちには、それぞれの解釈で見ていただきたいです。 1 1954 I
停電にあった冬の夜。 久しぶりにやかんでお湯を沸かして、 溜め込んだ貰い物のキャンドルに火を灯して、 あったかいお茶を飲んだ。 よしない話は尽きないけれど、 テーブルの下は冷え込んで、 ああ、こたつが欲しいなあ、 と二人は身を寄せ合った。 いつもより顔を近づけて、 やかんのピーピー呼ぶ音が、 もう何度目か、鳴っていた。 やかん、捨てなくて良かったね。 キャンドルの火が綺麗だね。 いつもよりお互いの顔をじっと見て、 心のどこか、この夜が終わらないことを願ってる。 やかんで淹れた
おいかけっこ 本当に哀しいのは、 心は凍えているのに季節は春になることです。 本当に寂しいのは、 心が晴れないままお外の雨が上がることです。 本当に苦しいのは、 眠れないまま朝を迎えることです。 明日も生きたいと悔しがって死ぬのは幸せなことです。 もう死にたいと思いながら生きるのは不幸せなことです。 かけがえのない友を亡くした日の空はとても青かったです。 その次の朝も昨日と変わらず蝉が鳴きました。 そして時間が過ぎて気付かぬうちに秋になります。 カレンダーをめくるたび
足が 地面に沈み込む夜。 足下に 影をつくらない星月夜。 熱のこもったからだが 世界でたったひとりの (わたし) という存在。 「もしもし、 今日見た夢の話を聞いて。」 町。 灯りも人の気配もなくて、 いつもの地面も不確かで、 滑るように 流れるように 辿り着いた あなたの家の前。 そこに、 月が 光る。 最上階の角部屋。 私の心の拠り所。 この世界で たったひとつの光 を じっと見上げていた。 どれくらい 見上げていたかしら。 私の目を覚ましたのは、 どこからか聴こえ
自己紹介雪月(ゆづき)といいます。私は、絵や詩を通じて私の願いや想いを表現したいという夢があります。今回は、私が表現したいものをたくさんの人に知ってもらいたいという気持ちで、これまで描いてきた絵の一部を解説させていただきます。絵も文章も拙い部分がありますが、最後まで読んで、興味を持っていただけたら嬉しいです。 ふたつの「光の教会」私は図書館で偶然安藤忠雄さんが建築された「住吉の長屋」の写真を見ました。シンプルだけど心惹かれるコンクリートのその家の写真を見て心惹かれるものがあ
「事実」 早とちりしてむしりとった青い果実の味。 いつまでもいつまでも口の中に渋く残る。 幼い頃の珈琲の苦味よりずっと不愉快に。 そうして虚ろな表情で 彼女はそれを噛みつぶす。 そうしてつぶれた塊は、彼女の細い喉を通る。 いつまでもいつまでも噛みつぶす。 いつまでもいつまでも飲み込んでいる。 それでも腹は満たされず、後悔ばかり満ち満ちて あの頃の珈琲の味を懐かしむ。 気づいた時にはもう遅く、 におい惑わす甘い香りは死神の誘惑。 いくら青い果実が口の中に広がろうとも、 満
「目にかかる前髪に耐えられるくらい大人になった。」 そう言いながら、プラスチックのストローでバニラアイスをメロンソーダに沈めようとしている。 「このまま髪が肩にかかるより長くなって私は大人になるんだよ。」 さっき頼んだホットケーキを待つ彼女の目は厨房から出てくるウエイトレスを追っている。 「ショートヘアーの方が似合うよ。」 そう言うと彼女はやっと、僕を見た。 僕はどうしたら彼女が振り向くのかを知っている。 「君はただショートヘアーの女の子が好きなんでしょ?」 「そうだよ。
辛いことがあって泣きたい時に みんなこぞって空を見るのは 僕らだれも空を飛べないからだろう みんな素直に翼が欲しいと言えるのは だれもひとりでに空を飛べないからだろう 君を傷つけるあいつも 僕がつかまえられない君も みんな地面にくっついて 公平に空を飛べないからだろう
僕には似合わない 派手な匂いの香水をつけて 真っ新な雪を葡萄酒色に染めていく 酔って火照っても流れ落ちない君の記憶は 今年また一段と冷たくなって 僕の心臓をも貫きそうなところで いつも春は訪れるんだ
いつも私は 前を歩く貴方の歩みにならって歩けばよかった。 狭い歩道に仁王立ちする電柱も 群がって広がる学校帰りの子供らも 忙しなく行き交う色んな色した自動車も 先に貴方が避けるから 私は貴方の足下を見るだけで良かった。 ときどき私は酷く落ち込んで いつもより頭を垂れて 貴方の歩みも見えなくなった。 ときどき貴方はふいに空を見上げて 突然歩みを速めると 私はそれに追いつけなくなった。 私は重たい頭を持ち上げて もう一度貴方を視界に入れるような 私は暗い眼差しを見開いて も
長い夜の帳が下りる 頼りない月明かりが昇る 目に涙をためて 灯りのない狭い箱の中 ものみやぐらは暗闇の中 思い切り伸ばした 手に虚を浮かべて 重ならない人の肌 冷たい地面に触れる肌 手探りで這う夜は哀しい ひとりと感じる夜は寂しい 視界を覆う夜はキライ 探り探り冷たい指先で 人の温もりをみつけたら 抜け出そうとはしない ただ時が経つまで 手を重ね合うだけ 存在を分かち合うだけ 顔も見えない闇の中では それだけでいい 温もりのある人の肌なら それだけでいい 頼りない月