喧騒が、私の背中を押し進め

都会が好きだ。一人になれるから。

皆私のことなど知りもしないのだから、誰からも自由である。
と同時に、私も誰のことも、何なら周辺の建物のことも知らない。
イヤホンで自分の好きな音楽の世界に浸りながら1人で歩いていける都会が好きだ。

少し不思議ではある。
都会こそ、色んな人と混じり合い、喧騒によって疲れ果ててしまいそうな匂いがあるのに。
流行はすぐに移り変わり、見せかけの笑顔で関係を構築し、休まる時なんて与えないって顔をしているのに。
そんな無機質な都会が安心を与えるものなんて。

でも、じゃあ都会から離れて、閉鎖的で関係性でがらんじめになっているコミュニティも、それはそれで息苦しくないか?
勿論、お互いが顔見知りのため助け合える、という良い側面もあるが、一方で常に自分の行動が他者から評価されている意識からも逃れられないだろう。

これは、住んでいる場所どうこうの話では無い。
何らかの組織に所属していれば、必ず立ちはだかる問題だと思う。
現に私は、仕事・プライベート問わず、人と接して人と協働せざるを得ない環境だからこそ、常に他者を意識せざるを得ない状況に身を置いていると思う。

良いこともあるよ、勿論。
でも、それは、自分のHPゲージの消耗と等価のような、徐々に自分の首を絞めていくような息苦しさは在るまいか。
たまには、何も用がない新しい街で、誰も知らない自分のままで、鼻歌混じりでスキップしたって良くないか。

さあ、今夜は、喧騒の象徴「新宿」で、夢の一時を満喫してみようじゃないか。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?