勝手に自分の「王国」が作られた話。

私は友達が少ない。
特に学生時代の友人。私はどうやって学生時代を過ごしていたんだろう?と首を傾げるくらい、そもそも会いたい人がいない。

勿論、小学校から今も繋がっている子とか、大学時代に仲良くしていた3人組とかいるけれど。
でも、彼女たちにとって私は特別ではなくOne of themで、私もまた同じように彼女たちのことを捉えている。

というか、単純に私が女の子と仲良くなれない。

芸能人やアイドルにあまり興味がないし、アニメ・漫画は見るけどグッズを買い漁るオタクではない。
興味関心の分野が内面世界に寄っているのだろう。オシャレなカフェに行くくらいなら、宇多田ヒカルの歌詞分析をしていた方が楽しい。

あと、「女の子特有」の毒にも薬にもならない話をし続けるのも苦手なんだと思う。「じゃあこうすればいいじゃん」って言いたくなる。悪口を聞き続けるのも疲れるし、表面的な仲良しごっこはもっと疲れる。

今でこそ誰とでもコミュニケーションをとれるので、一旦仲良くなること自体はできる。だが、そこ止まりになることが多い。

基本人のことが好きな人間なので、人と仲良くなれない状況が続くのは辛かった。
私は変わっているから、と、マジョリティに混ざれない自分のことを分析し、よく落ち込んだ。

ちなみに、じゃあ男の親友がいたのか?と聞かれるとそうでもなかった。まあ、確かに女子よりかは男子の方が仲良くはなりやすく、よく男3+私みたいな飲み会はあったが、1対1でちゃんと仲良くしていた人はいなかった気がする。

そんな私だったが、ちゃんと仲良い人ができた。
誰か。

今の会社の人である。

勿論案の定、新卒入社当初は女子の輪の中に入れず、割と一人でいた。毎日何かしらでグチグチ言っている同期を横目に、というより関わらないようにしながら、真面目に粛々と仕事をしていた。
そうしていると、同じく「仕事頑張っている勢」が近寄ってきた。まずは男の同期、そして先輩。
で、その人たちに言いたい放題・やりたい放題やっていたら自然と仲良くなり、更に後輩にも同様のことをしていたら、仲良い人達のグループができた。

そして気がついたら、勝手に「若林王国」なるものができていた。



……どういうことだろう?

勿論、社内の一大勢力になっている訳ではなく、ただただ「若林王国」というteamsグループと通念があるだけだ。
私を崇め奉るような雰囲気はない。むしろ、このネーミングのほとんどを占めているのは私に対する「イジり」である。

とはいえ、ねえ。
王国って何、って感じだよねえ。

淡々と一人で仕事に向き合おうと思って生きていたら、何故かいつも周囲に人がいるようになっていた。

背景要因は色々ある。
そもそも成果をあげている、とか。
私が勝手に、会社や組織開発、営業に対しての持論をベラベラ話していたら、一緒にいると楽しいって思われた、とか。
自殺一歩手前まで弱ってしまった後輩のために、メンタルフォロー及び社内調整に翻弄してどうにか事なきを得た、とか。
その話がある種武勇伝のように広まっている、とか。

正直自分として「すごいこと」をしたつもりは一切ない。自分のありのままで、思うようにやりたいように生きていたら、周囲に人がいてくれるようになった。体感はそんな感じだ。
学生時代とは比べ物にならない。

今思えば、学生時代の私は、その時のマジョリティの集団に「好かれよう」としすぎていたきらいがある。
変わっている自覚はあったけれど、それでも少しでも普通になりたくて、でも異質だから普通になんてなれなくて、と、ひたすら空回りをしていた気がする。

それでも、変に周囲に迎合することなく、至って真面目に物事と向きあい、他者の幸福を考えながら生きていたら、ちゃんとそれは自分に返ってきた。


友達が少なくても、良かったんだ。


相も変わらず自己肯定感は低いけど、女の子の友達は少ないけど、
でも、私は私の哲学を以て、私のことを大切にしてくれる人と楽しく生きて良いんだな、と思えるようになったのでした。
今日は、そんな話。

P.S. とはいえ、私の王国がある最大の理由は、上記に挙げたようなかっこいいものではなくて、「コイツ、ちょくちょく変なこと言うし抜けているから、存分にいじってもええやろ」と思われている説が濃厚です。悲しいね。まあ、これも私です。

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