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BEENOS「デザイン推進室」が発足

BEENOS株式会社デザイナーの伊東です。

更新がかなり久しぶりになりました。私は元気です。前回の更新が2020年の11月だったので実に2年半以上ぶりの更新です。そう考えると時が経つのは本当に早いのですが、その間ただ遊んでいたわけではありません…。


デザイン推進室の発足

2023年4月より「デザイン推進室」が発足されました。
これまでBEENOSのデザインチームは、「テクノロジー推進室」の中の1つのチームとして存在しており、プロダクトAの開発チーム、プロダクトBの開発チーム、インフラチーム、デザインチームのような役割によって分かれていました。もちろんデザインとテクノロジーは密接な関係を持ちながら日々業務を行っているので、この組織構成が間違いだとか、とてもいびつなものとは思いませんでした。

では何故、デザインとテクノロジーを切り分けたのでしょうか?

デザイン推進室を作った理由

兼ねてより、テクノロジー推進室を統括しているCTOの漆原とは

デザインは、テクノロジーと双璧をなすべきもの

と話をしていました。

私はデザイナーなので、何とかBEENOSの中でデザインを強くしていきたいと躍起になり、漠然とこう考えるようになりました。

消費するデザインではなく、資産となるデザイン

これは、実際に意匠登録をして無形固定資産として取り扱うデザインをBEENOSに増やしていきたいというわけではなく、対外的にBEENOSの象徴として残っていくデザイン、組織の中にナレッジや確かなものとして残っていくデザインの存在価値を高めていきたい、という意味になります。

そのためにも、そろそろBEENOSのデザインはテクノロジーから親離れをしないといけないなぁと。

以上は私の個人的な考えというところが大きいのですが、デザイン推進室を作った理由としては以下の二点が挙げられます。

  1.  横断的に連携する事業への対応

  2. デザイナーのキャリア開発と育成

1. 横断的に連携する事業への対応

事実、私がテクノロジー推進室に籍を置くようになると、今まで以上に各グループ会社の事業に横断的に関わるようになりました。BEENOSの強みである「グローバル展開」を軸に各事業がメインストリーム以外の展開を作るようになると、プロダクト本体での施策とグローバル展開での施策では企画部署も異なればデザイン担当部署が異なる、のような状態が自然と生まれるようになりました。メインはしっかりと維持させたまま拡がりを作ることは必要なことです。スピードを考えると担当部署を分けるのは必要なのですが、プロダクトとしての一貫性や品質管理というところで課題が出てくることも逃れられない事実でした。

デザイン担当が別部署になったとしても、グループ会社内のデザインチームにしっかり横の繋がりができていれば、情報の共有や品質管理の統一はしやすくなるはずです。BEENOSの全デザイナーをデザイン推進室に集めるわけではありませんが、そのハブとしての役割をデザイン推進室が担うことができれば、と思っています。

2. デザイナーのキャリア開発と育成

これまで私が所属していたテクノロジー推進室のデザインチームは、マネージャーという存在が不在で、室長としてCTOの漆原がチーム全体を見ていました。ピープルマネジメントという意味では問題ないのですが、「デザイナー」としての成長や、スキルマネジメントという意味では十分とは言えませんでした。各プロダクトへのコミット、組織へのコミットと同時に、専門職としてのデザイナーの成長、デザイン組織の成長を促すことが必要、という課題は私がBEENOSに入社した当初から感じていることでした。

「組織やプロダクトへのコミット」と「デザイナーとしてのマネジメント」を両立し、ただの作業者ではない一員として会社の中でデザイナーが輝いていける組織づくりをするにはどうしたら良いのだろう?他の会社の中でデザインチームってどんな存在なんだろう?と興味を持って考えるようになりました。

集権的プロダクトコミット型組織

私がデザイン組織づくりの中でとても参考にしている書籍『デザイン組織のつくりかた』では、デザインチームの組織モデルとして一般的に2つの型があると紹介されています。

“ これまで、デザイン組織の運営方法は一般に2つあった。集権的社内サービス型と分権的埋め込み型だ。

そのあとで集権的パートナーシップ型と呼ばれる3つ目の方法を紹介する。
型破りだが、21世紀の課題に対処するには職能別チーム(デザインだけではない!)をどんな構造にしたらいいかを考える指針になるだろう。”

出典:『デザイン組織のつくりかた』ピーター・メルホルツ、クリスティン・スキナー 著

ここで「集権的社内サービス型」と「分権的埋め込み型」の細かい説明は省きますが、ざっくり言うと、

  • 集権的社内サービス型
    独立した社内受託チームで、デザイナーのマネジメントやデザイン文化づくりがしやす反面、デザイナーの事業への関わりが希薄

  • 分権的埋め込み型
    各事業専属のデザイナーとして存在するため事業への関わりは深い反面、チームの目標や軸はデザインではなく事業に直結する

書籍では「集権的パートナーシップ型」として解決策を提示していますが、BEENOSとしては新しい組織構成の考え方としては「集権的プロダクトコミット型」と命名することにしました。2つの良いところ取りという意味では同じなのですが、パートナーシップというよりも事業への関わりや責任を意識する意味で「集権的プロダクトコミット型」としています。

  • 集権的プロダクトコミット型
    デザイン組織の中でマネジメントや文化づくりに強い体制をつくりつつ、事業へのコミット力を最大化する

デザイナーは受託で仕事を請けているパートナーや制作部門ではなく、事業のデザインに対して責任を持ちつつ、可能な事業においては経営レベルの会議にも参加し、首を突っ込んでいける状態が理想的です。

そして、この状況から更に「プロダクトコミット」を強めていくために新しいチームを発足しました。

UXデザインチームの発足

この新しく作るUXデザインチームに所属するUXデザイナー、ディレクターという存在は、デザイナーの役割の未来を変えていく存在になります。そして、それが事業全体、会社全体の未来を変えていく力になっていきます。

一般的なプロジェクトのフローの中で説明をします。

一般的なプロジェクトのフロー

現場で手を動かすデザイナーが担当できる範囲というのは、制作から実装をして公開する範囲になることが多いと思います。

デザイナーが担当できている領域(As-Is)

実際にユーザーのニーズを調査したり、アイデアを出したり、要件を固めたり、リリース後の測定をしたり… ベンチャー的なマインドがある企業は役割の線引きを明確にしていないところも多いと思いますが、象徴的だったのは、「まだ企画が柔らかい状態でデザイナーさんに声かけちゃうのは申し訳ないかと思って…」と、仕様を十分に固めた後にデザイナーに依頼をいただいたことがありました。結果的に重大な意思決定はとっくに終わっており、あとは仕様書通りに作るだけとなってしまうことがありました。

デザイナーが担当していける領域(To−Be)

これがUXデザイナーやディレクターの存在が明確になると、担当範囲はもっともっと拡げることができます。実際に企画部署やマーケ部署に片足を突っ込んで関わっていく存在になり、各部署の信頼を得る存在となっていくことが理想です。所属としてはデザイン推進室になるので、デザイナー視点、ユーザー視点での発想をよりプロダクトの中に入れていくことができます。ビジネス視点、マーケット視点、などなど様々な視点を持つメンバーと協力し、より全方位に強いプロダクトを作っていくチームになっていきます。

BEENOSではデザイナーを募集しています

かつてBEENOSは、設立当初に技戦、デ戦という愛称で「技術戦略室」と「デザイン戦略室」が作られたそうです。今回テク推デ推という愛称の「テクノロジー推進室」と「デザイン推進室」は、形から作られた部署ではなく、その必要性をもって生まれた部署になります。ようやくここからがスタートになると思っています。

先人たちが作ってきたBEENOSの歴史、BEENOSのデザインに敬意を表しつつ、私としては「BEENOSにもう一度デザインを」という気持ちで再出発を掲げていきます。

プロダクトデザイナー

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