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クックパッド株式会社を退職したので5年半のアウトプットを振り返る

こんにちは、佐野大河です。
8月31日付でクックパッド株式会社を退職しました。

社内向けにブログは書いたしわざわざ外向けに書かなくていいかなと正直思っていたのですが、あらためて振り返るきっかけと、こんなことやったぞとアピールする機会として書かないのは勿体無い気もしてきたのでぬるっと書くことにしました。

とはいえ外向けに発信しやすいアウトプットは大体noteにまとめてきたので、それをピックアップしながらつらつら振り返ろうかと思います。


プロダクトデザイン

2017年に新卒入社してから主にレシピサービスの「クックパッド」と生鮮食品ECサービスの「クックパッドマート」の二つのプロダクト開発に従事しました。

レポート画面のリニューアル

こちらは特に多くの人に読んでもらえたnoteで、今でもたまに学生やジュニアデザイナーの方から「参考にしました!」と言われ裏でニヤニヤしてしています。

当時自分は新卒2年目デザイナーで、1年目のディレクターとペアになりユーザーインタビューから課題の整理まで実施。その後チームを巻き込みながら発散、コンセプト決め、デザインの精緻化、リリース後の改善と一通りのプロセスを一任して行えたのは自分にとって自信にもなる経験の一つでした。

クックパッドにレシピ投稿することで見られる画面なのでぜひみなさん投稿してみてください。

エディタのリニューアル

手前味噌ですがクックパッドのレシピエディタは補助機能が充実しててほんと書きやすいんです。

例えば、タイトル入力すると材料が自動で予測され簡単に追加することができます。エディタ全体のUI改善と合わせてこういった補助機能の追加も行いました。

補助機能によって入力が楽になる一方で、ただ便利で終わらず、いかに「自分の手で書き上げた!」と思えるようにするか、それをデザインに落とし込むのが楽しいポイントでした。

βアプリを用いた投稿体験の価値検証

2018年の2月に「クックパッドMYキッチン」という新規アプリをリリースしました(現在はクローズして配信を停止しています)

これはレシピ投稿者向けにクックパッドをリデザインしたβアプリのようなもので、大きめの価値検証を素早く行うことを主な目的としています。

ここでの取り組みは本当に多岐に渡り、上二つのような既存体験の改善とは違い、新しい価値を生むためにひたすら作って壊して繰り返しました。

中々芽が出なくて苦しい期間ももちろんありましたが、その中でユーザーさんの反応から兆しが見えたときのワクワク感はプロダクト開発の醍醐味だと思います。

また、リリースに向けてアプリアイコンのデザインにもチャレンジしました。右も左もわからない状態から試行錯誤した過程をまとめてあります。

保存機能のリニューアル

クックパッドの投稿領域に2年ほど取り組んだ後、レシピの検索や有料会員領域を扱うチームへと移りました。そこでの取り組みの一つとして、レシピ画面を中心とした保存体験のアップデートを行いました。

レシピの保存は長年ユーザーに使われている機能の一つで、この変更はユーザーの貯めた資産に影響することでもありました。一つの課題を解決した裏で別の体験にネガティブな影響を与えていないか細心の注意を払いながらデザインしたのを覚えています。

こういう経験もあって、今は大小関係なく新しいデザインを描き評価する際「その裏で失っている体験は何か?それは意図するものか?」と自然に考えるようになった気がします。

クックパッドアプリに地域限定機能の導入

生鮮食品EC「クックパッドマート」の仕組みと連携しクックパッドアプリから買い物をできるようにしました。

リリースするにあたって、全国に多くのユーザーがいるサービスに地域限定機能をどのように組み込むか?どうすればポジティブに受け入れてもらえるか?という少し特殊な課題に向き合いました。

買い物というテーマでありながら、レシピを探す人、レシピを書く人、買い物できる人、できない人などあらゆるユーザーの体験を考慮しユーザーテストを重ねながらデザインに落とし込んでいきました。

登壇イベントにてより詳しく話した内容もあるので貼っておきます。

レシピと買い物を繋げる価値づくり

リリース後は、いかにレシピを探す体験と買い物体験を融合させてより料理が楽しくなる機会を増やせるかについて取り組みました。

献立決めと買い物が一緒にできるから便利という単純な話ではもちろんなく、あえてクックパッドで買い物する理由(=価値)をつくるためにどうすべきか、考えたことをnoteにまとめています。

自分はプロジェクトのオーナーとして目標管理から方針とアクションの決定、デザイン、進行まで担当。メンバーに助けられながらどうにか形にしていけたという感じではありますがとても良い経験でした。

クックパッドに買い物体験が合わさることによる可能性はチーム皆んなが信じていて、日々議論し具体化していく時間はやはり楽しいものでした。

クックパッドマートにおける新機能開発

その後自分は「クックパッドマート」のプロダクト開発を行うチームへと移動し、新しい買い物体験をつくる取り組みを行いました。

自分にとって特にスピード感のあったプロジェクトで、3人チームで価値検証を2ヶ月ほど行い、その後チームが拡大し3ヶ月弱で機能リリースに至りました。メンバーがすごかった。

もちろんリリースがゴールではないですが、まず何を実現すべきかを見極めて逆にそれ以外は見送ることを徹底し、結果ユーザーに早く価値を届けることができました。とにかく素早く意思決定ないしは議論をしていく日々に揉まれながら筋肉がついた気がします。

新卒採用・インターン

クックパッドでは新卒採用にも長く携わったので少し触れさせてください。

初めは入社1年目で選考の一部を先輩デザイナーと担当するなどでしたが、その後も採用イベント、選考面接、社内インターンなどで多くの学生と接してきました。年々優秀になっていく学生に自分自身多くの刺激を貰いました。

こちらは2020年春に開催したインターンシップ。自分はイベント全体の設計と当日の講師を担当しました。

一度は中止になったものの「オンラインでやるぞ!」と急遽開催。当時オンラインの社内イベントは初で、世の中的にもまだ知見が多くなく、どうすれば参加者に楽しんでもらえるかはかなり悩みました。

当日の工夫などはこちらにまとめています。開催後のアンケートでは嬉しいコメントを沢山いただけてやった甲斐があったなぁと感じました。

終わりのないプロダクト開発も楽しいけどこういう明確なゴールに向かって磨いていくのも良いですよね。講師業も楽しかった。またいつか似た機会があれば嬉しいです。

楽しい5年半でした

言わずもがなですが、今まで取り組んできたことはここに載せてないものが大半で、世の中に出す前の試行錯誤、結局世に出せなかったもの、調査や分析、小さな改善の積み重ねが数えきれないほどあります。

デザインシステムやデザインチーム自体の課題解決に向き合うことも多々ありました。事業会社のデザイナーは皆そうだと思いますが、最終的なアウトプットに費やした時間は極一部です。

とはいえ、やはり最終的にユーザーが触れるものを具現化できるのがデザイナーの醍醐味だと思う、というか自分はそこが好きなので、アウトプットありきで振り返ってみました。抽象度上げて書くのは苦手。

学生時代はしいて言えばプログラミングをメインに好きにサービスづくりをしていて、入社当時「プロダクトデザイン全然わからん…」という状態だった自分も、今は「ちょっとわかるかも、いや全然わからん」くらいにはなれた気がします。

おわりに

新卒で入る会社がクックパッドで本当に良かったと思っています。今でも変わらずおすすめしたい会社なのでリンクを貼っておきます。

自分について、今後はフリーランスで活動します。もともとやってみたいと思っていたことで、今年になってその気持ちが膨らんだので退職する選択になりました。

今後どんな領域、プラットフォーム、サービスに関わっていくにしろ変わらずプロダクトづくりを楽しんでいこうと思います。

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