見出し画像

フランス大使館で開催された「Green Manufacturing Seminar」レポート ②

2024年3月13日~15日にAichi Sky Expo(愛知県国際展示場)で、欧州最大級の総合産業展示会「グローバルインダストリー」の日本版「SMART MANUFACTURING SUMMIT BY GLOBAL INDUSTRIE」が開催されます。これに先立ち、2023年12月8日、東京・港区のフランス大使館にて「Green Manufacturing Seminar」が催されました。フランス企業4社による「製造業のグリーン化(グリーン・マニュファクチャリング)」への挑戦と成功事例が語られたイベントのサマリーをご紹介します。(前半レポート①はこちら

フランス企業4社によるパネルディスカッション

最後に、日本に進出しているフランス企業4社、フィブイントラロジスティクス、シュナイダーエレクトリック、ヴァレオ、ダッソーシステムズの担当者による、パネルディスカッションが行われました。


(左から)司会を務めたVincent Chanron氏、ダッソーシステムズ Nicolas Monneray氏、シュナイダーエレクトリック日本統括代表の白幡晶彦氏。(筆者撮影)
(左から)フィブイントラロジスティクス Jean-Marie Caroff氏、ヴァレオ Ali Ordoobadi氏。
(筆者撮影)

シュナイダー社は電気機器メーカーとしてスタートした。現在、電力事業、エネルギー事業、デジタルエネルギー、製品政策、プロセスオートメーションなど多様な事業を展開しています。グローバルにビジネスを展開しており、世界経済フォーラムのダボス会議で最も持続可能な企業の第1位にランク付けされたこともある企業です。

ヴァレオ社は創業100周年を迎えた自動車部品メーカー。29ヶ国に拠点を構え、従業員数は10万人を超えます。自動車の電動化、自動運転技術などの技術を持ち、日本の自動車メーカーをはじめ多くの企業との取り引きがあります。

フィブイントラロジスティクス社は世界有数の物流システムメーカー。210年の歴史を持つファイブグループの一員で、日本国内には4か所の拠点と300人の従業員を擁しています。

ダッソーシステム社はデジタルツイン関連のソリューションを提供しています。設立は1981年で従業員は22,000人以上、17,000社のパートナーを持っています。

各社のグリーン・マニュファクチャリングへの取り組み

各企業の紹介の後、各社のグリーン・マニュファクチャリングに対する考え方、具体的に実現するための製品やソリューション、パートナーにとっての取り組みについて発表されました。

総合電機メーカーであるシュナイダー社は、グリーン・マニュファクチャリングや持続可能な企業として、業界をリードするベンチマークになることをビジョンとしている。同社の7つの工場が、世界経済フォーラムによる「サステナビリティライトハウス」に認定されています。

さらにサステナビリティ・ビジネス事業部門では、コンサルティングやエネルギー測定、エネルギー効率化、エネルギー供給サービスを提供。教育・啓発や知識の共有などを、サプライヤーと共に二酸化炭素排出の削減を達成する計画です。

ヴァレオ社は、ロバストデザイン、リサイクル性、再生、修理からなる「4R」と呼ぶ循環型経済に取り組んでいます。

2050年までのカーボンニュートラル実現、2030年までに二酸化炭素排出量を2019年比45%削減が目標で、スコープ1では、工場におけるエネルギー効率とガス排出の削減を掲げ、すべての国の工場でエネルギー効率の高いインバーターを使用。さらに、太陽エネルギーの利用や、ヘッドランプのLED化、レアアースを使用しない電気モーターの開発などを進めています。

ファイブ社は世界の温室効果ガス排出量の約25%を占める市場を提供しています。これらの気候問題に対する責任を認識して、2030年までの二酸化炭素排出量を30%削減すること、業界の環境パフォーマンス、特にカーボンフットプリント(スコープ1および2)を改善するための持続可能なソリューションの開発、低炭素移行に貢献する市場でのビジネス開発に焦点を当てています。

ダッソーシステム社の「バーチャルツイン・エクスペリエンス」は、仮想モデリング、シミュレーション、データの3つで構成されています。数学モデルに基づいた完全な3Dデータをシミュレーションと一緒に使うことで、プロセスのモデル化や、タスクの具体化、イベントをモデル化。

製品が作られる前に、シミュレーションによってKPIや意思決定を行うための行動を把握することができます。パネルディスカッションの最後に質疑応答の時間が設けられました。

会場からは「デジタル・トランスフォーメーションは、グリーン・トランスフォーメーションの前提条件となるのか?」「企業が持続可能なプロジェクトのために政府の補助金などの利用」「フランス企業と日本企業とのパートナーシップや、ジョイント・ベンチャーの成功にとって必要な要素」などの質問が出され、それらに対して活発な議論が行われました。(小口覺)

<<Smart Manufacturing Summit by Global Industrie>>

開催期間:2024年3月13日(水)〜15日(金)
開催場所:Aichi Sky Expo(愛知県国際展示場)
主催:GL events Venues
URL:https://sms-gi.com/

出展に関する詳細&ご案内はこちらからご覧ください。
また、来場者登録もスタートしました。こちらからご登録ください。