Smiycle(麻衣子)

旅と本、コーヒーとお酒をこよなく愛する。旅、暮らし、葛藤をテーマに、日常から感じたこと…

Smiycle(麻衣子)

旅と本、コーヒーとお酒をこよなく愛する。旅、暮らし、葛藤をテーマに、日常から感じたことを綴っています。Webライター兼時々バイト。Smiycleとは、smileとcycle​をかけ合わせた造語。笑顔は幸せの連鎖を作る。笑顔のサイクルを作りたいという思いから、浮かんだ言葉です。

最近の記事

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「無国籍」のお客様。

たった1度だけ、「無国籍」の人の航空券を手配したことがある。 手続き上、国籍を尋ねた際に、「無国籍です。」と言われたのだ。当時私は、「無国籍」の人がいることを知らなかったし、国籍がない=パスポートもない、どうやって海外へ行くのか、果たして行けるのか、疑心暗鬼を重ね、航空券の手配をするのを躊躇していた。 先輩が、VISA課の人に確認をしてくれて、「無国籍」の人でも手続きを行えば入国も出国もできるということがわかった。 その人は、渡航先のvisaや日本に再度入国するための再

    • 雨氷!うひょうが降った日。ウッヒョー!

      40年生きてきて、初めて知った現象と言葉がある。私は、本やYou Tube、知人とのお喋りから広く浅く情報を得る方なので、割と物知りなところはあると自負している。若干薄っぺらいが。 そんな私が、2月22日の木曜日、雨氷という言葉を知った。 それは、私の住む長野県に雨氷が降ったからだ!2月22日の日は冷え込みが厳しく東京から長野に帰ってきたばかりの私は、家に籠っていた。私はスーパーから徒歩30秒の場所に住んでいるのだが、この日も閉店間際にスーパーに向かった。スーパーからの帰

      • 私とハルさんとヨーダ。

        姉達にメッセージアプリで、「今このハウスには、私とハルさんとヨーダ。」だよと、テキストを送った。 私には二人の姉がいる。年子で双子。兵庫県でピラティスインストラクターをする姉と、ニュージーランドで鍼灸師をしながら東洋系YouTuberを目指し日々活動する姉の二人である。 面白い人たちなので、3人でグループチャットをよく展開する。今、私は東京に5日間程、滞在中で以前住んでいたシェアハウスにいる。 ここには、今「私とハルさんとヨーダ。」がいる。 長い足と長身、色んな意味で

        • 地元のイルカウォッチングを舐めていたことについて。

          私たちのビッグチャレンジは、夏の猛暑と共にまだまだ続いていた。毎日、毎日、あれやこれやとイベントを考え、彼女らのありあまるエネルギー発散に努めていた。 偉大なる、彼女らの祖父と祖母つまり我ら3姉妹の父と母は、日々憔悴していく毎日だ。人間の体力の枯渇とエネルギー、好奇心の差を、まざまざと見せつけられる。若さ漲るパワーは、尊く儚い。 私と姉のスローガンは、専ら、「彼女らの8時就寝!」。目一杯遊び、飽くなき好奇心を満たし、体を動かし、たくさん食べた日は早く寝る。これに尽きる。そ

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        「無国籍」のお客様。

          「Mama,・・・I love you.」から辿り着く場所。

          6歳になるMayaは、私たち三姉妹が幼い頃よく遊んでいた浜で、ひとり悶々としていた。浜に打ち上げられた流木を手にして、砂をほじくり、砂を集めて、砂山を作り破壊してを繰り返す。 1990年代。私たち三姉妹は、この場所で遊び育った。小さなカニを獲ったり、貝掘りをしたり、砂浜に大きな家の間取りを描いて、壮大なスケールのママゴトをしたり、水浴びに勤しんだり、忙しくも楽しく、時間が経つのを忘れて過ごした日々があった。 2023年8月。Mayaは今、同じ場所で、整理できない言語化不可

          「Mama,・・・I love you.」から辿り着く場所。

          We had α big challenge this Summer!

          2023年の夏、私たちは大きなチャレンジと冒険を経験した。ニュージーランドに住む姉が、約5年ぶりに日本に帰省した。期間は6月11日〜8月19日まで。ニュージランドで生まれ育った私の姪っ子は、6歳(MAYA)と4歳(MIA)という、立派なガールに変貌を遂げていた。私は、MAYAとMIAが生まれた時に、それぞれニュージランドに2016年に2ヶ月、2018年に3ヶ月過ごしていたが、父と母と神戸に住むもうひとりの姉は、MIAに会うのは初めてのことだった。 約2ヵ月の間、私は彼女たち

          We had α big challenge this Summer!

          止まない雨はない。明けない夜はない。そして終わりのない冬もない。

          私は冬に生まれて。だからというわけではないが、冬が好きだ。夏よりも断然、冬が好きと豪語して生きてきた。 私は、長崎県のキラキラと波が漂う海に囲まれた、長閑な島原半島で生まれ育ち、冬を知らなかったのかも知れない。 2021年の11月に軽井沢が好きで、軽井沢の隣町、御代田町へ移り住んだ。浅間山が神々しいほどに美しい場所にいる。寒さは厳しく、氷点下15度になることもある。私がこれまでに経験したことのない突き刺さる寒さが身に堪える。 しかし、冬の澄んだ空気と凍てつく張り詰めた緊

          止まない雨はない。明けない夜はない。そして終わりのない冬もない。

          私をTOMODACHIと呼んだその人は・・・。

          私が、関東近県にある小さな旅行代理店で働き始めた頃の話。その人の登場に私は慄いていた。寂れたという表現はちょっと棘があるが、私は実際、その県庁所在地とは思えないほどに落ち着いたその街が気に入っていたし、今もとても愛着を感じている。 その寂れた街の更に、寂れた商店街?とも言えないアーケードの路上に面した旅行代理店の自動ドアが開き、その人が、ぬぼっと店に入ってきた時に恐怖を覚えたのだ。 その人は、いわゆる、「Black」だった。「Black」という表現が正しいか判断がつかない

          私をTOMODACHIと呼んだその人は・・・。

          水をやる小人たち。

          冬の厳しい軽井沢。氷点下10度を超える、凍てつくような日々を過ごしていた2月のある日。ジャスミンが私の家にやって来た。 強い香りを放つ魅惑のジャスミン。白や黄色のラッパ型の小さな花を咲かせる、モクセイ科の植物である。開花時期は、3~5月、7~11月と幅広く、品種によって異なり、我が家のジャスミンは、黄梅(オウバイ)という品種。3~4月に開花する。花言葉は、優雅・上品。私とはかけ離れているが悪しからず。 うちのジャスミンちゃんも、3月がすぐそこまでやって来て、寒さが少し和ら

          水をやる小人たち。

          紡がれていくもの。

          私は、長崎県の島原半島で生まれ、18歳までの時を過ごした。穏やかな凪の海に包まれた田舎町。 私の大好きな亡き祖父、勝正は10人〜13人?の兄弟姉妹であり、海辺の小さな集落に住む一族の跡取りだった。生業は漁業。 祖父は長男ではなかったのだが、長男さんが若くして太平洋戦争にて戦死したため、祖父が跡取りとなった次第である。祖父の家の玄関を入ってすぐ左側にある純和風の仏間には、七福神の一員である、漁業の神様えびすさんの木彫りが置いてある。えびすさんには、貝殻にちょこんとのせた炊き

          紡がれていくもの。

          流浪人。軽井沢に至れり。

          「相変わらず、流浪しとるな。」 最近、以前勤めていた旅行会社の上司に言われた。4年振りにZOOM越しに見た上司も相変わらず、飄々と生きていた。仕事の相談があると突如連絡がきて、今風にZOOMでの再会となったのだ。 近況を尋ねられたので、私が「昨年から軽井沢に移住した」と告げると、苦笑いをしながら上司がそう言ったのだ。呆れながら心配しながらの中間といった温度感で、以前と変わらない距離感が心地よかった。 さて、実家の長崎に少しばかり身を寄せていたものの、住み心地のいい”軽井

          流浪人。軽井沢に至れり。

          ”旅”に出られないから”旅”について考える

          気軽に海外旅行に行けていた当たり前の日常が異次元世界のように思える昨今。自分が生きている間に、こんなに世界の様子が目まぐるしく変化するなんて、思ってもみなかった。でも、割に淡々と生きている自分がいて社会があって、大きな変化を感じながらも順応している自分に気づく。 歴史を辿ると世界情勢や常識は都度、変化をしている。その時代を生きてない人たちは、歴史的な出来事や変化をとてもセンセーショナルにまるで映画のストーリーか何か別物の様に感じるが、日常はきっとあったのだと実感する。悲劇的

          ”旅”に出られないから”旅”について考える

          オーロラを見たい件について

          ある日の夕刻。本屋をブラついていた。私は本屋が大好きで、3時間とか平気でいてしまうタイプである。 私が徘徊していた軽井沢のアウトレットにある本屋さんは一風変わった絵本とか図鑑とか洋書とかが多い。 万人に受ける本ではなく、その時々でその個人に刺さる一冊があったりなかったりする。 生憎、その日の私に刺さる本はなかった。霧が立ち込める小雨の軽井沢の夕刻は、なんとも幻想的で、私の読書意欲を高めたが、粘って店内をぐるぐるしてみても、読みたい本には巡り逢えなかった。 諦めて立ち去

          オーロラを見たい件について

          実りの秋!大福と秀じいとさつまいも掘り。

          来る11月2日!!秀じいが丹精込めて作った、さつまいもがお目見えしました!! 5月に苗を植えて、草刈りの夏を超え、大きく立派なさつまいもの収穫に成功!言い出しっぺの私は、暑さのため軽井沢へ逃亡をしており、何も手伝っておりません。。。。父上に感謝です。 近所のおじさん達のヘルプもあり、無事にこの日を迎えることができました。 嬉しいものですね。何もしてないけど。植物、作物を育てることは、気持ちがいいもんだと思いました。何もしてないけど。 超大型犬に分類される、我が家の大福

          実りの秋!大福と秀じいとさつまいも掘り。

          親父たちの失敗。

          我が家の前にある2面の「空き畑」をサツマイモ畑にするべく冬から、ちまちま動いていた。しかし、父と私の仲違いにより、2面の「空き畑」は父専用の家庭菜園へと姿を変えることになった。 なすび、かぼちゃ、里芋、スイートコーン、スイカ、サツマイモ、オクラ。豊な家庭菜園になっている。 父は言った。 「いっちょ(ひとつ)の畑は、ひまわりの種ば、うゆっけん!(植える)」 それから、近くに住む父の兄、私からすれば伯父さんから、ひまわりの種をもらって来るのだと意気揚々としていた。 ”ひ

          親父たちの失敗。

          旅行と私と世界平和と。

          旅行や観光業は平和産業であると、よく耳にする。 旅行会社で8年間働かせてもらった私も、実体験からつくづくそう感じている。 自然災害、紛争やテロにデモ、ストライキ、感染症・・・エトセトラ。世界中のありとあらゆる状況に翻弄された日々がある。 バンコクでデモが起こった日の朝。バンコク空港閉鎖に伴い、成田空港発ーバンコク行きの便は全てフライトキャンセルという決定が早々に出ていた。 いつの時も有事の際は、情報が錯綜するもの。私が担当するお客様は名古屋セントレア空港からの出発で、

          旅行と私と世界平和と。