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睡眠不足になると免疫システムが崩れる!?

前回の続きです。

人はウイルスに感染すると眠くなり、自然に睡眠を取るようになります。  これは、免疫システムが正常に働いている証拠です。

人が風邪・ウイルスに感染する仕組みは…
 1. ウイルスが口や鼻から体内へ
 2. ウイルスが細胞に侵入して感染
 3. 細胞が壊され症状(咳や喉の痛み)が発生
 4. 免疫細胞(マクロファージ)が異常を検知
 5. 防御システム(サイトカイン)発動(発熱)
 となります。

つまり熱が出ている状態というのは、サイトカインが「敵が来たぞ!攻撃だぁ!」とサイレンを鳴らして他の細胞たちに知らせる反応の一つで、脳の体温中枢が刺激された結果です。
このサイトカイン自身もウイルスと戦っていますが、眠りを促すようにも働きます。
例えば肺にインフルエンザウイルスが入り込むと、白血球がインターフェロン(免疫反応を行うサイトカインの一種)を造ります。インターフェロンはウイルスの増殖を抑えるとともに、脳に働いて熱を出し、ノンレム睡眠(熟睡モード)を増やします(引用:「病気の原因は『眠り』にあった」
宮崎総一郎 著・実業之日本社 刊)。

カリフォルニア大学サンフランシスコ校が2015 年に発表した研究論文があります。
平均29 歳の健康な男女164 名が対象。
1. 7日間通常の睡眠を測定する
2. 鼻から風邪ウイルスを入れる
3. 睡眠時間別にグループに分ける
4. 管理された睡眠時間で5 日間過ごす
5. 各グループのウイルス感染率を調べる
結果は、グラフのように、見事にリンクした結果になっています。

無題


睡眠不足になると免疫システムが崩れるメカニズム…免疫力を維持するためには、良質な睡眠が必要である…という事です。

良質な睡眠とは…
● 規則正しい睡眠、覚醒のリズムが保たれ、昼夜のメリハリがはっきりと  している
● 寝床に就いてから、過度に時間を掛けすぎずに入眠できる
● 睡眠で熟眠感が得られる
● 必要な睡眠時間がとれており、日中に眠気や居眠りすることがなく、 良好な心身の状態で過ごせる
● 途中で覚醒することが少なく、安定した睡眠が得られる
● 朝は気持ち良くすっきりと目覚める
● 目覚めてからスムーズに行動できる                ● 日中、過度の疲労感がない睡眠のこと。

ですから免疫力の維持=「自律神経系のバランスが取れている生活習慣」に行き着きます。
これはストレスへの対処にも繋がります。
ストレス(心身の過剰な緊張)を受けると、ストレスに打ち勝つために自律神経のうち交感神経が優位になります。                緊張状態で亢進する交換神経(脳波で言えばβ波)が優位になり続けると、弛リラックス緩の副交感神経(α波)に支配されている内臓、特に腸の働きが落ちて腸内環境が悪化して免疫力が低下します。
またNK 細胞などリンパ球の数が減少しますから、免疫力の低下に繋がります。
逆に副交感神経が優位になることで、リンパ球が増えて活性化し、免疫力が向上します。白血球(免疫細胞群)は体温が37℃以上でより活動が強まるからです。
また体内の様々な代謝に関わる酵素は36℃~約40℃までは比例して活性化し、代謝を高めて体温を上げ、免疫力が向上します。
普段からエクササイズなどによって筋力を付けて体温を上げて基礎代謝も上げ、血行をよくして代謝に必要不可欠な栄養素や酸素、そして白血球を全身の細胞に届けて免疫力を高く保つことが、病原菌感染の予防にも繋がります。
ストレスを緩和する休息や良好な睡眠による脳の緊張緩和(血流改善と副交感神経の亢進)が大切ですし、腹巻などでお腹を冷やさない(腸内環境の維持)ことも重要です。総括すると、ストレス・運動不足・偏食・睡眠不足などで、自身本来の末梢血液循環でない状態が続く事で…

末梢血流が悪ければ                         ↓

体の隅々の酸素・栄養素が不足し、老廃物も除去できない
体の熱量が不足するから代謝が悪くなる
  ↓
組織・細胞が、劣化・老化する
  ↓
様々な免疫力が低下して細菌・ウィルスの攻撃に耐えられない

つまりは、良い血液循環と安定した自律神経の働きで体温が維持されれば、高い免疫力が期待できる訳です。
別の言い方をすれば、血流改善すれば本来の体温に戻って、本来の免疫力を維持できると言う事です。

日本健康事業促進協会HP  http://www.jhpps.org/

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