見出し画像

パーキンソン病とは? 第1話

こんにちは。
私は、パーキンソン病の運動教室を2013年からやっている理学療法士の小川順也と言います。
私は、国立精神・神経医療研究センター病院で2015年まで働いていて多くのパーキンソン病の方へリハビリテーションを実施して来ました。発症早期からの運動継続が進行予防に有効ということは少し前から言われていますが、日本では少し症状が進んでからの方が医療保険や介護保険でのリハビリが提供しやすい現状です。

そのことを問題に感じた私は、2013年から発症早期のパーキンソン病の方の運動継続の場を作る活動しています。
運動継続の活動の詳細は下記のホームページをご参照下さい。

パーキンソン病は現在は根治療法がない神経難病です。
この病気は経過が長いため、ご家族のご理解とご協力が必要になります。今まで、パーキンソン病の当事者の方への活動を主に行って来ましたが、ご家族への発信の必要性もとても感じたので、ブログで定期的に発信をして行きたいと思います。

第1回目はパーキンソン病とは?についてお話しします。

①パーキンソン病の原因とは?

パーキンソン病の根本的な原因に関してはまだ解明されていません。最近の研究では異常たんぱく質が頭の中に溜まってしまうことで、ドパミンという物質が減ってしまうと言われています。その溜まる場所によってはパーキンソン病と診断されたり、レビー小体型認知症と診断されたりします。

・異常たんぱく質が頭に溜まってしまう
・ドーパミンの分泌が減ってしまう

スクリーンショット 2021-05-01 14.52.15

②ドーパミンが減ってしまうとどうなるの?

パーキンソン病の症状は多岐に渡ります。100人いれば100人とも症状の組み合わせは異なります。なので、その人それぞれに合わせた治療が大事になります。
主なパーキンソン病の症状には大きく分けて2つあります。

① 運動症状
② 非運動症状

です。図に書いてあるのは一部の症状です。運動症状で代表的なのは
① 安静時振戦
② 無動
③ 固縮
④ 姿勢反射障害
です。それぞれの症状については別のブログで説明したいと思います。

スクリーンショット 2021-05-01 14.52.59

③ なんで動きにくくなるの?

パーキンソン病の主な症状で動きにくさがあります。これはなんでそうなるのかを理解するのはとても大事です。以前、パーキンソン病の方をご自宅で見させてもらった際にあった出来事なんですが。動作がどうしてもゆっくりになってしまう方で、見させてもらった際にこれはパーキンソン病の症状の一つで動作緩慢ですねという話をさせてもらいました。ご家族からは
「あ!これはパーキンソン病の症状なんですね。わざとやっていると思っていました。」
というご意見をもらいました。確かに、パーキンソン病の症状を知らないと症状と思わないかもしれません。
治療選択をしていく上で、日々の症状についてはご家族も理解をしていただき適切に先生にお伝えしていく必要があります。

では、なぜ動きにくくなるのか。それは、ドパミンという物質は運動の切り替えにとても必要な物質だからです。それが出にくくなるので運動の切り替えがしにくくなります。なので、動きが滑らかではなく遅くなりがちになります。

スクリーンショット 2021-05-01 14.52.43

④ どんな治療法があるの?

現在、日本で行われている主な治療法について記載しました。

① 薬物療法
② 運動療法
③ 手術療法

この3つが日本で行われています。根治療法はありませんが症状を緩和するお薬や、進行予防そして動きを少しよくするための運動療法があります。また、手術療法も確立されているので他の神経難病よりも治療の選択肢がとても多いのがパーキンソン病の特徴です。多い分しっかりと先生と話し合い一緒に治療を選択していくことがとても重要になります。

それぞれの治療方法に関しては別のブログでまとめて行きたいと思います。

スクリーンショット 2021-05-01 14.53.38

⑤ パーキンソン病の予後は?

最近では先に説明した3つの治療法がとても良くなっているので、パーキンソン病ではないかたと寿命は変わらないと言われています。ただ、寿命ではなく健康寿命と言われる一人でなんでも出来る状態はパーキンソン病でない方と比べると低いかも知れません。いつまでも、ご自分で生活していくためには適切な薬物療法と継続的な運動がとても鍵になってきます。そして、進行とともに先生とお話しをしっかりして必要であれば手術療法の選択も。

スクリーンショット 2021-05-01 14.53.51

私は多くのパーキンソン病の方を見させてもらっていますが、発症して20年たっても趣味を続けてる方や身の回りのことを自分でこなせる方もいらっしゃいます。その方々を見ていると、しっかりと運動を継続していたり治療選択を先生任せにしないで一緒に話し合いながら決めていたりします。

そして、ご家族の協力もあります。根治療法が確立されるまで動ける体作りを私たちPD Cafeでは目指しています。ご家族のご協力もあって一緒に歩んでいけるとこれが達成されやすい環境になります。

今後私のブログではご家族の方でも出来るサポートの仕方をたくさん紹介して行きたいと思います。

パーキンソン病に関して何かご質問などあれば下記のホームページからご連絡ください♫

以上です♫

PD Cafe
小川順也

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?