短編小説「ふたりだけの朝。」
夜明け前のまだ薄暗い部屋のベッドの中。
起きようと意識的に、ではなくまだ何となくぼんやりとしている中で瞼だけがゆっくりと開こうとするが、完全には開けずにいる。
脳内はまだ眠りについているようで、現状の把握がまるで追いついていない。自分の部屋であるという認識が薄れているのは、昨夜のアルコールの影響。多量に摂取せずとも、アルコールは記憶をごちゃまぜにし、翌朝身体と脳の動きを弱める最強のアイテム。
ようやく半分まで開いた瞼から、見覚えのあるカーテンが目に入り、ここにきて初めて自分の