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手作りは一生の思い出を作る〜母が入院中に、初めて一人で作ったマドレーヌのはなし〜

料理やスイーツのお店を題材にした小説が好き。
レシピ本とはまた違って、頭の中で、そこに書かれているスイーツを想像しながら読むと、それだけで楽しくて。

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ここに書かれていた、「母との思い出のグラニテ」の話を読んで、自分の子供の頃のことをふと思い出した。

母がたまにお菓子を作ってくれた楽しい思い出

シュークリーム、プリン、ホットケーキ、マドレーヌ…
どれもほんとに美味しくて。

小学高学年ぐらいになると、私も一緒に作るようになり、
確か中学生の頃には、私が作るのを母が手伝ってくれる、という感じになっていたと思います。

難しいスイーツもたくさんあるけど、「マドレーヌなら私はもう余裕よ!」くらいに思っていました。

初めて"本当に"ひとりで作った日

中学生だったときに、母が入院することになり。短い間ではあったけど、我が家にとっては大事件だったので、あの時のことはよく覚えています。

もう元気になり、食事制限もあまり無いとのことだったので、マドレーヌを焼いて持って行こう!と思い立って、その時、初めて一人で作りました。

今までも、"ひとりで作ってる!"そう思っていた。

でも違った…ひとりで作るというのは、材料の確認、道具の準備、計量、そして作った後の洗い物に片付け。

余裕だと思っていたけど、部屋も私も粉だらけ。ケーキは上手く焼けたけど、色んなことがなかなか上手く出来なくて、ちょっと涙が出そうになりました。
何十年も前の気持ちを覚えてるんだから、よっぽど大変だったんでしょうね(笑)

ラッピングもして、なんとか無事に病院に持って行き。
部屋にいた他の方や、来てくれた友達にも渡してくれました。

日頃母は、「上手に焼けるようになったね〜」と言ってくれていたけど、本当は、色々手伝ってくれていたんだなぁと、初めて知りました。

母と一緒に作ったお菓子や料理の思い出は、どれも大切な記憶

大切な思い出の中には、決して美味しいとは言えないものも含まれます。
「美味しいがベスト」と考えるのなら、プロが作ったものが良いのだから。

この本にもこんな一文があって、「あったあった!」と思って笑ってしまった。

「お菓子ってきちんと量るのが大事なのよ。お母さん、もうちょっと入れた方がおいしくなるんじゃないかしらと思って、ついつい分量通りにしないから、いつも失敗するのよね」
(「カフェ古街のウソつきな魔法使い」より)

お菓子とパンは、分量通りにすることが、とても大切です(笑)
でも失敗も成功も含めて、そのこと全てが素敵な事。SNSで自慢出来るようなものを作らないといけないわけじゃありませんし、高度なものかどうかも関係ない。

日々の料理はともかく、お菓子やパン作りは、楽しい思い出を作ることが一番の目的、なはず。
かえって邪魔するかもしれませんが、子供にも手伝わせてあげて欲しいです。一生、覚えています。

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