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SDGsの科学的裏付け#5 バックキャスティングと多動力

 プラネットバウンダリーで地球の境界線、つまりラインとルールが決めること、その中でSDGsの果たす役割の重要性を記事にしました。そこで、SDGsの特徴を整理します。以前、紹介した蟹江憲史氏の『SDGs(持続可能な開発目標)』の論をお借りすると「仕組み・測る・統合性」がそれにあたります。
 そして、実現に際しては、バックキャスティングという考え方が重要だと強調されています。目指すべき将来の姿を描いて今やるべきことを決めるという手法です。日本語だとキャスティングは、釣りで先を目がけて投げ入れて、それをリールで引くことですので、SDGsのターゲットに目がけて目標を定めて、目的の社会を手に入れる、ということになります。

 『note』のクリエイターの皆さんは、ビジネス書や自己啓発本を読んだ方が多そうですので、馴染みが深いと思います。「まずは理想の姿を思い浮かべること!」というキラーワードです。そして、「その理想に向かって日々の習慣を変えよう!」「周りの環境も変えていいんだ!」とマインドを変え、「ふさわしい人としてふるまう!」とおのずと目標は叶うという話です。
 でも、それが出来れば苦労はしない、、、と思う人は私だけではないでしょう。なんてたって、1月初旬に張り切って「#毎日note」で発信していた私は、今いずこですものね。

 し・か・も、SDGsの厄介なところは、個人、企業、NGO、自治体、国の目線で、17の目標と169のターゲット指標「測り」、いつまでに目標達成するのかを決め、指標間や他の人や組織との「統合性」を確保し、ゴールに向かう「仕組み」を創る必要がある、ことなんです。
 自分の目標達成も危ういのに、社会の目標を達成することに貢献できるのかしら?と考えるのも当然だと思います。
 なので、SDGsはキャッチ―であることはとても重要です。「何となく気になる」が出発点です。すでに国際社会と国はコミットしています。個人に訴えかける動きが活発化してきているのは、自然な流れです。アパレル業界などがエシカル消費に着目し、発信するのはとても嬉しい動きです。「The Green Carpet Fashion Awards」「PEN」とかおしゃれですものね。

 加えて、企業もそれに応じています。ここ数年、バックキャスティングで2030年、2050年を思い浮かべるワークショップをした企業は増加していると思います。社内で話題に上るのは、そうした事情があると思います。中小企業も含めて上層部は、早い段階で、投資家、取引先との関係でSDGsの潮流を理解し始め、コミットし始めています。SDGsを検討する担当部署もできたはずです。バッチも作り、名刺に印刷します。まずは、認知度が高まります。
 ただ、企業のような組織の場合、社訓的なものはあっても、SDGsのように具体的な目標を、全社を挙げて決定するのは、容易ではありません。多くの人と対話して、それをビジョンに仕上げていくことが重要になります。そのための手段の一つがバックキャスティングです。2030年、2050年、わが社はどうあるべきか、では今からどんな準備をすべきか?を決める必要があるわけですね。

 もちろん、未来に一っ飛び出来るわけではありません。自社の持つ歴史、人材、関係性を基に「はじめの一歩」とそれを習慣化する仕組みを創ることが今後、求められてきます。社長が「わが社は、SDGsに貢献している」と胸を張っている姿も散見されますが、現場レベルで実感できるには時間が火kるかもしれません。
 また、バックキャスティングは、万能ではありません。堀江貴文氏の言うように「多動力」で動き回る力も重要です。先のことを考えるより行動しろ、というのもうなずけます。今の試行錯誤の延長線上で未来を見ることをフォアキャスティングと言ったりします。ただし、堀江氏には、将来のビジョンは明確にあると思うんですよね。
 どちらも取り入れられるとよいですよね。

 加えて、ある段階で、しっかりとSDGsと脱炭素の意味するところに立ち向かう人は急増すると思います。私の見立てだと、たぶん、来年あたりです。なので、今から色々と書いて材料をため込みます。

 お読みくださり、ありがとうございます!!!!

 これまでの文章は、『サステイナビリティ私観』をご覧ください。
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サステイナビリティ私観 (5)


「世界を変えるお金の使い方(Think the Earth Project編)」に基づいて100円単位~数万円単位でできること、50項目を実行し、その報告を記事にします。 「毎日使う100円玉にも世界を変える底力があります(P11)」 応援、ありがとうございます!!!!