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アシュリー・ビカートンの自画像から自分を考える話

Ashley Bickerton's Self-Portrait.


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Tormented Self-Portrait. 1987-88


  アシュリー・ビカートンは、ジェフ・クーンズやピーター・ハリーとともに80年代の”ネオ・ジオ”に関係した現代アーティストの一人です。

 そのビカートンの自画像と出会った時に、けっこうショックを覚えたんですよね~。

 自画像というタイトルがつけられているのに、作家の顔が描かれているわけではなく、画面にはいろんな商品やブランドのロゴマークが並べられているだけだったので.....。


 「自分の顔が描かれてない!」って、最初は思うんですが、よく見てみると、ここからビカートンという人間が見えてくる感じがしました。

・スポーツブランドは「ウィルソン」
・サーフブランドは「ボディ・グローブ」
・家では「サムスン」のTVを「TVガイド」片手に視聴
・「インテグラル・ヨーガ」の自然食品を好み
・ミネラルウォーターは「ディア・パーク」
・銀行は「シティバンク」.... みたいな

 顔が描かれてなくても、確かに自画像といえるのかもしれないですね。



 こんなアプローチもあるのか、って驚いたのと同時に、自分が自分でありえるのは、顔や姿かたちによるものだけではないのだと気づかされた感じがしました。(ポロっとウロコが....)


 自分が自分である要素は、経験や記憶、趣向、思考、行動の傾向などなど、様々なことの集積として存在するのでしょう。
 そう思うと、この自分の ”note” なんかも、自画像みたいなものになるのかもしれません。


 多分、私が ”note” を書いている理由はコレなんだと思ったりするのです.....




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