見出し画像

私のシティ・ポップの原点「アスペック・スペシャル」

 The City-Pop in my MemoryⅠ


 少し、マニアックな話題になるので、これまで避けてきたのですが、そろそろ、シティ・ポップについて”note”していきたいと思っています。
 と、いうのも、80年代の音楽で、自分の中学~高校時代に一番影響を受けたのがシティ・ポップなんです。


 シティ・ポップは70年代後半から80年代にかけて、それまでのニューミュージックから、都会的で洗練された雰囲気を持ったポップスを区分して呼ぶようになった感じです。
 といっても、明確な定義があるわけではないので、シティ・ポップの範囲というのは一人一人違っているものだと思います。

 なので、ここで言うシティ・ポップとは、私の感覚で区分したもので、あくまで「私のシティ・ポップ」であることに留意ください。

 近年、海外で日本のシティ・ポップを評価してきた動きがあるので、興味がある方は、以下の記事をどうぞ!


*  *  *  *  *  *


■1981年にリリースされた2枚の名盤

 1981年には、後にシティ・ポップの名盤と呼ばれる2枚のアルバムが相次いでリリースされます。

 その1枚が、大滝詠一さんの『A LONG VACATION
 (3月21日リリース)

画像1


 もう1枚が、寺尾聰さんの『Reflections
 (4月5日リリース)

画像2


 2枚とも思い出深いアルバムです。
 自分自身もこの2枚は、1曲終わると次の曲のイントロが頭の中で先に聴こえてくるぐらい聴き込んだアルバムです。

 ただ、ここで「私のシティ・ポップの感覚で言えば、大滝詠一さんの『A LONG VACATION』は "シティ" じゃないんですよね。リゾート色が強いというか明るすぎる感じなのです。

 いろんな記事を読むと、大瀧詠一さんや山下達郎さん、荒井由実さん、竹内まりやさん、大貫妙子さんなどがシティ・ポップの基盤となったと言われているのですが、自分の中では、寺尾聰さんの『Reflections』のように、ちょっと悲しげで、メロウな感じもありながら、ハードボイルド的な香りのする音楽、そんなとこに都会を感じていたのです。


 この頃、大ヒットした「ルビーの指環」を始め、「SHADOW CITY」や「出航 SASURAI」は、ヨコハマタイヤ(横浜ゴム)のCMに使われていました。

 そのCMがよく流れていたのが「ゴールデン洋画劇場」で、映画好きの自分も、ほぼ毎週観てたんです。
 それで、ヨコハマタイヤのCMを目にすることも多くて、だんだん魅かれていくわけなんですが、このCMがすごくカッコよかったのです。
 ヨコハマタイヤのCM専用のビデオテープを作ってたぐらい好きだったんですよね。

 Youtube にも、いくつかあげられてるので、似たようなことをやってた人もいたんだと思います。それぐらいカッコよく感じたのです。


「SHADOW CITY」by 寺尾聰

 ヨコハマタイヤ- ASPEC- CM

 このCMには ”ニキ・ラウダ” っていう伝説のF1ドライバーが出演しているのですが、スーパーカーブームを体験した世代にとっては、それだけでもすごいことで、それもヨコハマタイヤのCMにのめり込むきっかけのひとつだったのです。

 このヨコハマタイヤのCMがですね、寺尾聡さんの後も、次々とカッコいい曲を使うんですよね~。
 ヨコハマタイヤのCMを追いかけてるうちに、歌っている人たちも追いかけ始めていくわけです。


「GRAVITATIONS」by 井上鑑

 ヨコハマタイヤ- ASPEC- CM


「ドラマティック・レイン」by 稲垣潤一

 ヨコハマタイヤ- ASPEC- CM


「WE GOT IT」by 安部恭弘

 ヨコハマタイヤ- ASPEC- CM


 その頃はよく分からなかったのですが、当時の『東芝EMI』がプッシュしていたシティ・ポップのアーティストたちが集合していたようです。

 そして、これらのCMソングでまとめた企画盤もリリースされました。
 その企画盤のタイトルがCMのタイヤの名前をとって『ASPEC SPECIAL』(ひょえ~かっこいー)

 LP盤でも発売されてたんですが、自分が持っていたのはカセットテープ版w(何でLP買わなかったんでしょうね?)

画像3

 CD化はされてないので、今でもLPがネットオークションに出たりしてますね。
 あの頃、ヨコハマタイヤのCMに熱狂した自分たちにとっては、バイブルみたいな存在なのです。


 私にとって私のシティ・ポップを語る時、間違いなく、この『ASPEC SPECIAL』が原点なのです。

*  *  *  *  *  *


■『ASPEC SPECIAL』の概要

 この企画盤はCM放送順に並んでいるわけではないですが、収録曲は以下の通りです。

A-1 GRAVITATIONS (井上鑑)
A-2 ドラマティックレイン (稲垣潤一)
A-3 ルビーの指環 (寺尾聡)
A-4 WE GOT IT (安部恭弘)
A-5 SHADOW CITY (寺尾聡)

B-1 テル・ミー (小柴大造&エレファント)
B-2 レティシア (井上鑑)
B-3 Tokyo Night (小柴大造&エレファント)
B-4 SUBWAY HERO (井上鑑)
B-5 出航 SASURAI (寺尾聡)


 CD化されてないので、配信もないのですが、今回の記事に合わせて、プレイリストを作成してみました。


 とはいうものの、残念ながら、小柴大造&エレファントの皆さんの音源がなかったので、未完成になっています。
 なので、代わりの貴重な音源(感謝です!)を貼っておきます。


「テル・ミー」by 小柴大造&エレファント


「Tokyo Night」by 小柴大造&エレファント



■幻の『ASPEC SPECIAL Ⅱ』について

 『ASPEC SPECIAL』がリリースされた後も、CMに使われた曲があったので、を望む声は少なくなかったと思うのですが、残念ながら実現はしませんでした。
 使われているCMのタイヤの商品名も、途中でASPECからINTECHに変更されたので『ASPEC SPECIAL Ⅱ』よりも『INTECH SPECIAL』と呼ぶべきかもしれませんが、その後に使われた曲を一覧にしてみました。
 

1 CAFE FLAMINGO (安部恭弘)
2 Still I Love You (安部恭弘)
3 ロング・バージョン (稲垣潤一)
4 レイニー・サマー (鈴木雄大)
5 バチェラー・ガール (稲垣潤一)
6 ブルージーン・ピエロ (稲垣潤一)
7 トパーズ色の月 (安部恭弘)
8 touch (鈴木雄大)
9 ICE AGE (井上鑑)
10 架空庭園論 (井上鑑)

 記憶が頼りのため、抜けや順番が違っていたらご指摘ください。
 未完成ですがプレイリストはこちら


 残念ながら、こちらでも、鈴木雄大さんの音源がないんですよね〜😿
 なので、代わりの音源を貼っておきます。(こちらもありがとうございます!)たっぷり懐かしんでいただけたらと思います!


「レイニー・サマー」by 鈴木雄大


「touch」by 鈴木雄大



【ヨコハマタイヤCM集】


<シティ・ポップの記憶>
夜の都会のムードを感じさせた稲垣潤一
杉山清貴&オメガトライブのナイトサイド
シティ・ポップの貴公子と呼ばれた山本達彦の歌声
寺尾聰の『Reflections』には風が吹く
優しすぎる安部恭弘の歌声
私のシティ・ポップでの重要人物だった井上鑑の音楽


この記事が参加している募集

私のプレイリスト