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90年代の歌姫たち(後編)

  90's DIVA2


 自分の好きな90年代の歌姫を取り上げて "note" しています。
 前編はこちら__

 前編を~97年までとした理由は、98年が自分にとって、すごく印象的な年だったからで、けっこうすごい歌姫たちが出てきた年なんですよね。
 この後編では、98年を追いかけながら3人の歌姫を紹介していきます。



MISIA

 まず1人目は、98年2月にデビューしたMISIA
 今では”女王” 感満点な感じですが、デビューは、あんまり派手な感じではなく、じわじわと広がっていった印象でした。

 デビュー曲の『つつみ込むように』は、口コミで人気が出てきて、自分なんかでも耳にする機会が増えて、あ~いい曲だな~って思い始めた頃に、1stアルバム「Mother Father Brother Sister」が発売されたんです。これがムチャクチャ良かったんですよね。

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 当時のMISIAってTVとかでの露出がほとんどなかったので、ほんとに歌声だけで人気になっていったシンガーなんですよね。

 確かに、洋楽ではホイットニー・ヒューストンマライヤ・キャリービヨンセのいたディスティニー・チャイルドなんかが人気だったので、国内でも、そんな本格派の登場が待たれていたのは間違いないです。そこにピタリとはまった感じなんですが、ただ、あの圧倒的な歌唱力だからこそ、多くの人の心を歌でとらえることが出来たんだと思うのです。

 その後の『Everything』の大ヒットで人気を不動のものにしていったのですが、ライブも含めて、国内に収まらない活躍は、ほんとうにすごいです。

 東京オリンピックで世界に向けて歌うならMISIA以外には考えられないと思うのは私だけじゃないですよね。

(ライブで観ると、その歌声は一層、感動的です。)


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椎名林檎

 2人目は、98年5月にデビューした椎名林檎さん。
 正直、デビュー曲の『幸福論』は、あまり心にひっかからなかったのですが、2ndシングルの『歌舞伎町の女王』で”おっ”と思わせられたんですよね。

 椎名林檎は、ちょっと異質な存在だと....


 その後、4枚目のシングル『本能』で大ブレイクすることになるのですが、ナースのコスプレで歌うPVが相当インパクトがありました。

 椎名林檎って性や風俗のイメージを表現することが多いですよね。このPVではガラス割るシーンが出てきますが、ナース姿+ハイヒールで蹴り割るシーンでは、ちょっとゾクゾクってしたのを憶えています。
 .....いや、変態なのではなく、何か、既成概念をぶっ壊す!みたいな気概に奮えたのです。


 その後も『ギブス』『罪と罰』など、一気に椎名林檎ワールドが構築されていった感じでした。

 何でしょう、ロック、ジャズ、そしてメロウでムーディな昭和歌謡のような多彩な音楽に、性や風俗みたいなアンダーグラウンド感をまとわせつつ、ジャンル分け不能の椎名林檎にしかできないその世界観は、歌姫でなく、アーティストやパフォーマーと呼ぶ方が相応しいのかもしれませんね。

 リオ五輪閉会式でのフラッグハンドオーバーセレモニーなんかでも、椎名林檎の世界観がだだ漏れで、やっぱ唯一無二の存在だと、あらためて認識させられたのです。
 東京五輪のセレモニーでもどんな風景を見せてくれるのか楽しみなのです。


 椎名林檎ワールドが一番堪能できるのは、演出を含めてライブだと思います。特に「百鬼夜行2015」のイメージは強烈なので、ぜひ!


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宇多田ヒカル

 そして3人目が、98年12月にデビューした宇多田ヒカルさん。
 デビュー時、15歳の帰国子女だったことや、藤圭子の娘であることが話題になりましたが、その歌は多くの人の心をとらえて、翌年発売されたデビューアルバム『First Love』は、初週だけで200万枚をセールスという、まさに社会現象と言ってもいい状況でした。

 その後も
 『First Love』
 『Wait & See 〜リスク〜』
 『Can You Keep A Secret?』
 『traveling』
 『光』
 『SAKURAドロップス』
 『COLORS』
 『Flavor Of Life』 等々、ヒット曲は数え切れず

 rockin'onの渋谷陽一が「宇多田ヒカルの登場によって、日本人のポップミュージックのDNAが変わった。」とコメントしたことが有名ですが、サブカルっぽい場所から、一気にメジャーになっていった感じでしたね。

 MISIAの魅力が歌唱力、椎名林檎の魅力が世界観とするならば、宇多田ヒカルの魅力は、やっぱりその声質ですよね。
 かすれるようなビブラートの部分は、なんか心に染みる感じがするんです。


 2010年~2015年の「人間活動」期の間に、母親の死、そして出産等を経て、活動を再開してからは、ポップスというよりも真正面から「歌」を歌ってる印象があります。
 以前からバラードには定評がありましたが、より一層、言葉や声が深く心に響くような感じがするんです。

 『花束を君に』なんて、ホントに心に染みます.....


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 20年経った現在もトップランナーである3人の歌姫がデビューした98年って、ほんとすごい年だと思うんです。
 今回は紹介していませんが、他にもガールポップ系のaikoさん(7月)や、エイベックスから浜崎あゆみさん(4月)も98年組でデビューしてるので、何か、新世紀に向けて芽吹き始めたものがあるように思えたのでした。