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蝉の発射台の話

launch pad of cicada 


 我が家の庭には、普通の大きさの木があるんですが、この時期、なかなか蝉がよく鳴くんですよね~

 1本の木に3~4匹いて、同時に鳴いたりするんで、けっこう強烈なのです。


 ジ~~ッて鳴くんで、おそらくクマゼミと思われるんですが、立派な蝉がたくさん...

 まあ、夏の風物詩でもあるし、住宅街なんで周りにいい木がないんだろうな、と思って放っておいたですが、2、3年前から、蝉の抜け殻、いわゆる ”空蝉” が、けっこう木の幹に付いてることが多かったのです。


 おお、これって、我が家の木由来の蝉たちが鳴いているんだろうかと、ちょっと思ったんです。

 鮭とかも生まれた川に戻ってくるっていうし、蝉にもそういうのがあるのかな~、なんて考えると少し楽しく思えるんですよね。

 そうすると、うるさい蝉の声も、なんか許せるから不思議なのです。


 先日の連休中には、とうとう、蝉の羽化の場面に遭遇しました。

 この歳になって、初めての経験だったのですが、ちょうど居合わせた隣の家の子どもさん達と、一緒に羽化の様子を静かに観察してました。
 ゆっくりゆっくりと羽化していくんですが、成虫は色黒な感じのクマゼミなんですが、羽化したての頃は色が薄くて、羽も薄緑な感じなんですよね。

 子どもたちは興味津々で見てたのですが、羽化してしまった後、蝉が飛び立っていくのを待ってるようでしたが、羽が渇いてしまわないと飛べないんだよと教えてあげて家に戻りました。

 次の日、蝉はいなくなったことを、子どもたちが確認しに来ました。

 飛び立っていったのを確認すると、ふとお兄ちゃんの方が

 「この木って、蝉の発射台なんやね。」

 と、言ったので、うまいこと言うな~と、ちょっと感心してしまいました。

 残ったままだった蝉の抜け殻が欲しいというので、あげたのですが、壊さないように大事に持って帰ってました。

 蝉の抜け殻は一つだけだったので、弟君の方も欲しいみたいで、また、探しに来たいと言うので、了承したんですが、隣の奥さんが嫌がらなきゃいいけど... と、ちょっと心配にもなったのでした💦


 さてさて、今年の夏は、何匹の蝉たちが発射台から飛び立っていくのか、子どもの頃の気持ちになって、ちょっと楽しみになってしまいましたね。







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