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それって本当に昭和?

昭和天皇が存命であったなら、来年は昭和100年である。昭和は1926年12月25日から1989年1月7日まで62年以上続いた長い時代であった。ところで、昭和と言って思い浮かべる事物の中に、実は平成初期のものが混じっていることは無いだろうか。例えば、PKO協力法が成立した1992年は既に平成である。昭和と平成の違いは何かと聞かれて、真っ先に思い浮かぶのはインターネットや携帯電話が普及していたかどうかではないか。そうだとすれば、平成の最初の数年はまだインターネットが日本では民間に

    • 「両毛線」と「中央線」の気温

      関東地方でも、両毛線沿線の前橋、伊勢崎、桐生、佐野、小山と沿線に近い館林のアメダス、それに中央本線沿線の東京、八王子、大月、勝沼、甲府と沿線に近い練馬、府中のアメダスは夏に気温が上がりやすいが、どちらの気温が高いかでその日の気象状態はおおむね把握できる。両毛線沿線の気温が上がる日は南風が吹いている場合が多い。都心の熱風を運んできた南風が両毛線沿線の盆地で止まり、そこに熱気が籠って気温が上がる。一方、中央本線沿線で気温が上がる日は西風が吹いている場合が多い。この場合、新潟県や長

      • 地球温暖化を可視化する

        地球温暖化を実感するのに一番良い方法は何か。例えばグラフである。ただし、グラフ一つ取っても間違った読み方をすると「気温は上がってない!」と勘違いすることになってしまうので難しい。例えば、7月1日から29日までの各日の気温を最近10年の平均と50年前、100年前、150年前などで比較するのが良いかもしれない。あまり多くしてもグラフが分かりにくくなるので、4つくらいに留めておこう。 こうして見てみると、直近10年の気温が頭一つ抜けているのは一目瞭然である。しかも、2014年に観

        • 水金地火木土天海

          太陽系の惑星と言えば「水金地火木土天海」の8つである。ところで、これは時代と共に変化している。どのように変化して来たのか。 1930年以前:水金地火木土天海 この時代、冥王星はまだ発見されておらず、太陽系の惑星の数は今と同じ8つであった。1922年に渡辺忠吾が書いた「科学新話」という本には、自身が「水金地火木土天海」と唱えて太陽系の惑星を覚えさせられたという回想が載っている。ちなみに海王星が発見されたのは1846年で、当時すでに蘭学書などで西洋の天文学は日本に入っていたので「

        それって本当に昭和?

          役に立つリアルタイム検索

          昨年6月から、ログインしていない状態でのTwitter(現在のX)上での検索が行えなくなり、ブロックされたアカウントからの投稿を検索することが難しくなった。そこで役に立つのが、Yahoo!のリアルタイム検索である。検索できるのは原則として過去1か月間の投稿に限られるが、Twitterのアカウントを使わずに検索をすることが可能である。また、10件まで(Yahoo!Japan IDでログインした場合は50件まで)アカウントをミュートしたり、トレンドを閲覧したりすることもできる。検

          役に立つリアルタイム検索

          2019年まではどうしていた?

          最近、以下のようなやり取りをよく見かけるようになった。 「体の弱い人もいる電車内ではマスクを必ず着用してほしい」 「2019年まではどうしていたんだ?」 彼らはこれで論破したつもりになっているので質が悪いのだが、もちろん2019年まではCOVID-19という致死率の高い病気が無かったので、マスクを着用する必要がなかったというだけである。今は2024年であって2019年ではない。COVID-19がある今だからこそ行うべき感染対策を考えるべきであって、2019年までどうしていたか

          2019年まではどうしていた?

          マスクを着けないのは「素顔」?

          COVID-19の流行が始まった頃は、マスクを着用すべき場所で着用していない状態は専ら「ノーマスク」と呼ばれていたが、2022年春ごろからマスクの着用に反対する人々は徐々にマスクを着けていない状態を「素顔」と呼ぶようになった。「ノー」と言えば、ノーパンだとかノーブラのように本来着けているべきものを着けていない、というイメージが強い。しかし、マスクは付けていないのが当たり前なのだから「ノーマスク」と呼ぶことはおかしい、というわけで素顔と呼ぶようになった。彼らにとってマスクを着け

          マスクを着けないのは「素顔」?

          インターネット老人じゃない私

          最近、インターネット老人会という言葉が流行している。しかし、意味ははっきりしない。2015年、「2000年ごろのインターネットを懐かしむ会」なる催しで使用されたハッシュタグが始まりと言われているが、実際には2000年よりかなり後の2ちゃんねるやニコニコ動画などの話題も多い。「スマートフォン普及前のインターネットを知る人々」と考えるのが一番だろうか。そうだとしたら、私はインターネット老人ではない。私がインターネットを始めたのは丁度スマートフォンが普及し始めた頃だからである。ニコ

          インターネット老人じゃない私

          まだ入国制限のある国は?

          COVID-19の流行中は、各国で外国人の入国制限処置が取られたが、2022年に入ると制限を解除する国が増えた。日本は2023年5月、5類感染症への移行と同時に制限を解除した。その時点でまだ入国制限が残っている国は先進国では皆無となり、オセアニアの一部島嶼国やアフリカ、中央アジアの半独裁国家が残るのみとなっていた。2024年3月には日本人に対する入国制限を行っている国はジブチ、キリバス、トルクメニスタンの3か国だけとなった。このうち、ジブチとキリバスでは入国時に陰性証明または

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          オリンピックの「感染対策」バイアス

          現在、COVID-19の第11波が日本を襲っている。一方で、パリでは現在オリンピックが開催されているが、観客を見てみると満員のスタジアムで大声を出しており、マスクを着けている人も見当たらない。このことから、「海外は平常に戻っているのに日本だけ騒ぐな」と言う人もいるが、ちょっと待ってほしい。米国のメジャーリーグやカタールのワールドカップ、WBC、ラグビーワールドカップなどでも同じようなことを言う人がいたが、スポーツ大会の観客を海外の感染対策の指標とすることは正しいのか。そもそも

          オリンピックの「感染対策」バイアス