マスクを着けないのは「素顔」?

COVID-19の流行が始まった頃は、マスクを着用すべき場所で着用していない状態は専ら「ノーマスク」と呼ばれていたが、2022年春ごろからマスクの着用に反対する人々は徐々にマスクを着けていない状態を「素顔」と呼ぶようになった。「ノー」と言えば、ノーパンだとかノーブラのように本来着けているべきものを着けていない、というイメージが強い。しかし、マスクは付けていないのが当たり前なのだから「ノーマスク」と呼ぶことはおかしい、というわけで素顔と呼ぶようになった。彼らにとってマスクを着けている人は「ノー素顔」というわけである。しかし、このような背景を理解していない人が見たら誤解を招く恐れが高い。例えば、「店員が素顔だった」と彼らが言うのは、「店員が化粧をしていなかった」という意味ではないのである。また、2019年まではマスクは付けていないのが当たり前だったので、その時は確かに「ノーマスク」という表現はおかしかったかもしれないが、2020年以降は密になる場所ではマスクを着用するのが当たり前になった。それこそ「ノー素顔」などという表現は不自然であり、「イエスマスク」と呼んであげるべきではないか。

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