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【architecture】ヨコハマアパートメント|オンデザイン

以前TokyoApartmentという共同住宅をこのnoteで取り上げた

今回はヨコハマアパートメントという共同住宅を取り上げてみたいと思う

ヨコハマアパートメントオンデザインパートナーズという建築家西田司氏が率いる建築家集団による設計である

オンデザインパートナーズはコミュニケーションをデザインしている集団というイメージを私は持っている
コミュニケーションと言うと公共施設や町おこし、再開発などがイメージされるが、もちろんそういったデザインもしている
だが、もともとは住宅をメインにクライアントとの濃密なコミュニケーションを通して、クライアント間に生じるコミュニケーションのデザインをしてきた

その積み重ねから大きくステップアップするキッカケとなったのがヨコハマアパートメントであろう

(写真はHPより引用しました)

横浜市西区の駅から少し離れた住宅街に位置するヨコハマアパートメントは、4世帯の共同住宅である
住戸は20㎡程度とワンルームアパート程度である
特徴は1階のスペースが半屋外の天井の高いピロティになっていること
それぞれの住戸にはピロティにある専用の階段から入る形式になっている

ヨコハマアパートメントの肝はこのピロティにある

このピロティは住民が友人を呼んでBBQイベントをしてもいいし、誰もいなければゆっくり本を読むこともできる

もちろんキッチンやトイレ、暖房機も完備されている

また地域の住民と一緒にワークショップをしたり音楽イベントをすることもある

ピロティと道路とはビニルカーテンで仕切られているだけなので街に開かれた広場のような空間である

このピロティの活用については月に1回住民とオンデザインのスタッフさん、オーナーさんが入居者会議を行い、企画などを話し合って運営している

もちろん入居者にはこのような趣旨を理解してもらった上で住んでもらっている

今では当たり前になったシェアハウスであるが、ヨコハマアパートメントはピロティという半屋外の空間をシェアする新しい共同住宅のあり方を示している

これは住民間のコミュニケーション
住民と地域とのコミュニケーション

を実現した事例である

実際にはこのヨコハマアパートメントにはしっかりとこの住まい方を理解した人でないと住むことはできない
しかしこれからの時代において、個の暮らしが尊重されながらもそれをオープンにしていくリアルなコミュニティも求められるはずである

そんなチャレンジ的な建築が完成から10年以上経っても活気をもって使われている


コミュニティにおいて、大事なことを
『誰が掃除をするかである』 
ということを教えてもらったことがある
コミュニティの維持は、論理的に設計されたシステムでは成り立たなくなることもある

ヨコハマアパートメントは新しいコミュニティのあり方を具現化した好例と言えるだろう

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