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宗教

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宗教といいつつほぼ仏教
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まぁええか理論(初期仏教)

まぁええか理論(初期仏教)

 僕は一応宗教学を専攻していることになっています。ですが、あんまり勉強する気も起きず、ぽけーっと授業うけたり(正直な話、授業もかなりさぼりました)、レポート提出2日前から文献読み始めたり、まぁそんな感じで堕落した大学生活を送りました。

 しかしながら、一応宗教学徒の端くれではあるので、今日も宗教について書いてみようと思います。うちの専攻では特定の宗教に限らず学ぶことができます。というのも、例えば

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末法思想

末法思想

四劫説 仏教の歴史観はインドの伝統的な歴史観同様、円環的なものです。輪廻転生観はその最もわかりやすい例と言えるでしょう。経典においては『倶舎論』『大毘婆沙論』の四劫説がみられます。 四劫説とは、世界は終末と再生を繰り替えるという世界観であり、成(形成)・住(持続)・壊(破壊)・空(虚無)の四段階を循環的に繰り返すとされます。四劫あわせて大劫といいます。劫は非常に長い時間の単位です。1辺が 四千里の

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仏教と現世利益

仏教と現世利益

 僕の理解では、初期の仏教は自らの内面を変えることで苦しみから逃れられる、というのが教えの中心であったと認識しています(前の記事)。

 悟れば輪廻転生を逃れられる、というのは、輪廻転生する世界から実際に抜け出せる、という意味ではなく、輪廻転生という当時の死生観から逃れられる、という事なんじゃないかなぁと考えています。

 しかし、いつしか仏教にも現世利益の側面が付与されていきました。とりわけヒン

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仏教経典(経・律・論)

仏教経典(経・律・論)

 毎日更新するのって大変ですね…。今日は仏教の経典についてまとめてみたいと思います。とくに何かの文献に基づいて書くわけではないので、誤りもあるかもしれません。

 経・律・論 仏教文献は大きく経・律・論の3つに分けられます。

 経とは、釈迦が直接語ったとされる教えをまとめたものです。『法華経』『大集経』『般若経』『金光明教』『維摩経』などなどすさまじい種類の経典があります。釈迦が語ったとされるの

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仏教経典(教相判釈/方便)

仏教経典(教相判釈/方便)

 今日も仏教経典について書いていこうと思います。

教相判釈 仏教経典は経・律・論の三つに大きく分けられることは、前のnoteで書きました。経は釈迦の思想が直接著されているとされているので、経は三つの中でも最も重要な経典であるといえるでしょう。さてその経ですが、釈迦の言葉を書いたのであれば内容に矛盾がありはしないのですが、実際の経を読むと、経典間で内容が矛盾すると考えられるものがあります。中国では

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わからないものへの不安とその対処(祟りのシステムの利用)(前編)

わからないものへの不安とその対処(祟りのシステムの利用)(前編)

 ぼちぼち卒論を書き始めなければならないと、空き時間にワンピースを読んだりプロレスを見たり論文を流し読みしたりする今日この頃です。ワンピースで学ぶ人種差別というテーマで記事かけそうな気がするので、気が向いたら考えてみようと思います。
 災害の宗教的な解釈をテーマにした卒論にする予定なので、今日は「祟り」についての論文を読みました。論文タイトルと著者は「古代日本の「祟りのシステム」」(米井輝圭)です

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わからないものへの不安とその対処(祟りのシステムの利用)(後編)

わからないものへの不安とその対処(祟りのシステムの利用)(後編)

 祟りのシステムの論文が途中までしか紹介できていないので、今日は後半を紹介します。前回の記事はこちらになります。

論文タイトルと著者は「古代日本の「祟りのシステム」」(米井輝圭)です。

後半部の要約 祟りの原因は過去のちょっとした不祥事に求められる(穢れを持つ人が神事に参加したとか、先の記事だと神社の木をつかってお寺の塔を作ったとか)。祟りのシステムが存続しえたのもこの点によるところが大きい。

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