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歩く日本人、走る西洋人。

「走る」というのは西洋の概念だったので、昔は日本人は走れなかった。

という話を今日聞いて、長年思い続けていた漢字への謎が1つ解けたのです。

「走」という漢字は日本では「Run」の意味で、中国では「Walk」の意味になるのはなぜかという問いです。

1.昔の日本人は走らなかった

服装を見ると非常に納得の行く話だなぁと思うけど、着物姿・袴姿の日本人が懸命に走っているのを想像できるでしょうか?

ちょっと変ですよね。何かが合わない。足をすっぽりと覆ってしまう前提の着物を着ている上に、下駄や草履を履いている姿は、走りにくそうです。

それゆえ、90歳ほどの方と話すと会話に「走る」という言葉が出てこないのです。子供が走っているとは言わないのです。

何と表現するのでしょうか?

代わりに

・子供が飛び回っている
・子供が駆けている

と言うのです。

ほぼ唯一走っていたのは、当時の郵便屋さん、そう、飛脚です。よく漢字を見ると、「飛ぶ+脚」で、昔の人が走ることを飛ぶと表現していたのが納得できますね

2.走る=歩く になる中国語

・我在路 (私は歩いています)
・我在 (私は走っています)

上の2つは中国語です。大学で中国語を学んだ人なら、どうして日本語で「走」はRunなのに中国語ではWalkなのだろうと、疑問を抱いたことがあると思います。これを説明している分かりやすい画像がありました。


そう、元々はスピード感は無かったのです。漢字は元々中国のものでしたよね、この漢字は手を振って歩くことが原義だったのです。

日本には昔、いわゆる早歩きならありました。面白いことに、手を振らない早歩きをしていました。現代人なら、早く歩く時、手をなるべく大きく振りますよね。これは西洋式なのです。

西洋では手を振ると早く歩ける。だから手をふることに主眼を置いていた「走」がrunの意味になったと思うのです。

ちょうどそうなったのは、西洋の考え方が取り入れられた時です。

もっというと、西洋に追いつくために日本人が走り出した頃です。

西洋と戦争になり、彼らの兵隊は走れるのに、日本の兵隊は走れなかった。。。これでは戦争に勝てない、、、日本人も走らなければ!ということで、外国との戦争が始まり富国強兵が歌われ始めた頃からです。学校の体育の授業で、走ることを習わされたのは、いつでも戦場に行って使える兵士を育成するためだったのです。

「走」という漢字1文字に、多くの歴史、思惑が隠されているなぁと思わされました。

いつも記事を読んでいただきありがとうございます。英語学習に苦しんでいる方、つまらなそうに嫌々語学を学んでいる方が周りに居ましたら、シェアしていただければと思います。楽しく、深く、語学に取り組める人が1人でも増えたら幸いです。