読書日記 「ほんとうのことは誰にも言いたくない」と違国日記と

「違国日記はぜひ読むべきだ。すくなくとも自分は読んでよかった。」と言われて、読んだのは違国日記が完結した後だった。

なので、新刊が出ることを待たずに全部読めるはずが、読み進めるのがしんどくて、ものすごく時間をかけて全巻読み切ったのが半年前のことだ。

漫画でこんなに時間をかけたのは初めてかもしれない。言葉足らずなせいで、人を傷つけてきてしまっていた自分の過去を見ているようで、反省と後悔の念が湧いてしまい、いちいち自分の過去を振り返りながら、読んでいた。
言葉足らずだったから許されるわけではない。でも、思い出す過去の自分は言葉が足りていると思い込んでいたんだなと読みながら気付かされた。

ひたすら、物語が自分に跳ね返ってきて、悩みながら読んだ。自分ルールで自分としては、フェアに生きているつもりだけど、とってもも自分が身勝手で迷惑な存在なのではと思いつつ、自分をほんの少しだけそんな優しく捉えてくれる物語が好きだった。
槙生は私にとっては、私の話だった。

砂漠を抱えて生きている。
人に何かを強制してはいけないと思っている。

違国日記の著者のヤマシタトモコさんがインタビュー本を出していたことを知ったのは今日だった。
「ほんとうのことは誰にも言いたくない」。タイトルから違国日記が匂った。

外は台風の1日だったので心許すまで読めた。未読の漫画の話は、「ごめんなさい、すぐ読みますから。」と思いながら、先に飛ばして。

外の天気は気にしてはしかたないけど、今晩は雨漏りしませんように。

言葉によって自分を表現できる人は、言葉にすることで自分を縛ってしまう怖さを知っている。
社会の中で伝わる強い言葉を知っていると。人が振り回され魅了される言葉を知っているとなおさら、運動エネルギー豊富な言葉は避けたくなってしまう。
間違いなく、その時の気持ちは、その強い言葉ではないのだろう。
願わくばお互いの繊細な世界を壊さない、せっまい、動いていない言葉を使いたいな。

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