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スペイン地元企業への転職奮闘記🇪🇸


はじめに

3月の末にスペインのバルセロナに移住しました。
理由はシンプルにスペインに住みたかったからです!
コロナ禍に入った頃に「日本は飽きたな、どこか外国に住みたいな」と思い、どこがいいか考えたときに以下の複数の希望を満たすのがスペインでした。

  • ヨーロッパのどこか

  • ご飯が美味しいところ

  • 気候がいいところ

  • 人、文化が好きなところ

  • 言語に興味があるところ


他の候補としてはドイツとイギリスがありましたが、上記の5つを比較した時に圧倒的にスペインが勝りました。

  • ドイツ

    • ⭕️スタートアップとか、テック系の仕事は多い

    • ✖️気候がそんな良くないイメージ

    • ✖️人と文化にはあんまり引かれない

    • ✖️ご飯スペインの方が美味しい

  • イギリス

    • ⭕️英語やから楽

    • ✖️でも気候が最悪

    • ✖️人も嫌味っぽいイメージがあって、文化も強くは興味が出ない

    • ✖️ご飯スペインの方が美味しい

そのような理由からスペインに住むことに決めました。
その中でも海があって、ある程度大きい都市で、都市としての魅力もたっぷりなバルセロナを第一希望の引越し先として就活をすることにしました。(二番目はバレンシア。海があって、ある程度大きいので。マドリードは海がないのでなし。笑)

スペインの経済状況

スペインは失業率が圧倒的に高いです。
全世代だと12%(ユーロ圏全体の倍)ほどで、若者の失業率は27%(ユーロ圏全体の倍弱)です。※日本の全世代失業率は2.6%とスペインの約1/6です。笑
スペインの温かい気候や文化、国民性から日本のように必ずしもみんながずっと働く感じではないようです。そのような背景をありますが、それを鑑みてもスペインの経済環境は良くないです。そのような状況からスペインで働くのは難しいかも知れないなと思い、他の国の会社で働きつつスペインからリモートで働くことも視野に入れてました。(私はソフトウェアのエンジニアなので、リモートワークが可能な求人も多かったです。)

ヨーロッパ圏の失業率グラフ

転職活動

初めて日本企業以外に就活したので全く就活の仕方が違い、最初は少し腰が重かったです。
使うプラットフォームも違えば、履歴書も日本語しか持ってない、どう始めればいいかもわからない状態・・・

履歴書

腰が思いまま 2, 3ヶ月経過しましたが、流石にそろそろスペインに引越ししたいと思い、適当に履歴を書き始めました。
めんどくさかったので https://zety.com/ という履歴書プラットフォームが簡単な質問を返すだけで作ってくれる履歴書から始めました。
プロジェクト経験だけ書くとおそらく経験したであろう経験をお勧めしてくれて、そこから自分にあったものを選んでいく感じです。
ただ結論から言うとこのプラットフォームは個人的には良くなかったです。
申し込んでも全然連絡が返ってこなかった・・・!!
振り返ってみれば「そうだよね」と思うんですが、履歴書の質が良くないとその段階で落とされます。更に外国人なので現地の人やEU圏内の人よりも基本的には採用のハードルが高いです。
そんなところに適当な履歴書で行って良い返事が来るはずもありません。

とはいっても最初のハードルは低くすることが大事です。
更に履歴書はどんどんブラッシュアップしていくことが大事だと思います。
就活をしてみて、手応えが悪いとPDCAを繰り返し、他の優秀な人・良い結果をもらってる人の履歴書やプロフィールのテンプレートを真似して自己流に編集するのがいいと思います。
兎にも角にも(とにもかくにも)まずはやってみるところからです!

私は英語の履歴書しか作りませんでした。スペイン語は流暢ではなかったですし、バルセロナ出身の友達(エンジニア)に聞くと彼も英語の履歴書しか持ってなかったので、英語一本で行きました。
特定の言語での履歴書を要求されたことはなかったです。

就活プラットフォーム

色んなプラットフォームに登録して山ほど求人に申し込みましたが、個人的にはLinkedInとGoogle検索で出てくる求人で見てれば良いと思います。
LinkedInから色んなプラットフォームに飛ばされることもありますが、その際は脳死で申し込んでました。
LinkedInと連携してるところが多いので、海外で就活する際はLinkedInのプロフィールを充実させておけば良いと思います。

求人申し込み

申し込みはLinkedInや他Platformに掲載されているところで申し込みました。
Visaの申請を手伝ってもらうというのが結構ハードルが高く、その時点で門前払いの会社が多かったです。数打てばどこか対応してくれるだろうという考えで、興味あるところはひたすら申し込みました。
海外ではカバーレターというような会社に対してのラブレターのようなものを送る文化があるのですが、カバーレターは賛否両論あるようなので、「本当に行きたい!」って強い気持ちがあるところ以外は送らなくて良いと思います。
カバーレターに関してはいろんな人が色んな意見を持ってますが、個人的には結構面倒なので、汎用的なものを送るか送らないようにしてました。
3社くらいはその会社用にカバーレターを書いた気がします。

面接・面談

面接やリクルーターとの面談はかなりしました。合計10回以上はしたかなと思います。リクルーターはとにかくQuick call(短めの電話)をしたがってくるので、興味のある求人を持ってる人、VCのHR部門の人などだけと会ってました。全員と会ってるときりがないので、馬が合いそうな人など自分の感覚に従うと良いと思います。

面接のタイプは会社によって様々でした。
大体は口頭で以下のようなことを聞かれました。面接で聞かれることは基本的に日本と変わりません。

  • 過去の経歴、実績

  • 過去プロジェクトで一番大変だったこと、それをどうやって克服したか

  • どのような環境だと活躍できるか、逆にどのような環境だとストレスか

  • 自分が得意としてること

海外転職の際にやるべきこと

海外の転職は日本の転職とは若干違います。プラットフォームや細かい風習などいくつかあります。その中でも日本人の人が海外転職をする際にやるべき3点をご紹介します。

  1. LinkedInのRecommendation(推薦)を書いてもらう

  2. 英語で話せるようにしておく

  3. 適度に笑顔を設ける

1. LinkedInの推薦を書いてもらう

LinkedIn上で推薦を書いてもらい、その推薦をLinkedInのプロフィールで表示することが出来ます。
これは小さなハックですが、効果が結構大きいです。実際に私もLinkedInで推薦を書いてもらってからスカウトがかなり増えました。
恐らく推薦を書いてもらってる人は求職者の中のスコアが上がり、リクルーターや人事の人に表示されやすくなるのだと思います。
前の職場の人、現職の同僚、もしくは一緒に仕事をしたことがある人に推薦を書いてもらうといいでしょう。海外で転職したいなら英語で書いてもらうのが理想です。
できれば上司と部下、上司と同僚など別の角度、位の人から推薦を書いてもらうとどんな人がわかりやすいのでいいと思います。
以下のような感じでテンプレートがインターネットにたくさんあるので、自分に合いそうなものを選んで相手に「よかったらこのテンプレートを使って書いてもらえませんか?」というと英語が苦手な人も書きやすいでしょう。

2. 英語で話せるようにしておく

英語の基礎能力はもちろん大事ですが、話す内容を事前に決めて、スムーズに話せるようにする。本番をイメージして練習することが大切です。
英語が苦手な場合は面接で話す定番の以下のような事項をスラスラ話せるようにしておくと良いと思います。

  • 自己紹介

  • 自分の強み、弱みの説明

  • FAQの答え

  • 志望理由

  • 海外で就職したい理由

自己紹介とかはスライドとかを用意してビジュアルも加えて説明すると、英語力を補えると思います。英語力がWritingやDocumentationで補えることを面接で証明できると採用側は英語力があまり気にならないかもしれません。

3. 適度に笑顔を設ける

欧米でのコミュニケーションは日本のコミュニケーションとかなり違うところがあります。細々した部分なので全てを文章で説明できませんが、特に笑顔のタイミングや感じが違うと思います。
欧米に旅行したことがある人なら、何か尋ねると笑顔で返してくれたり、さいごに笑顔で会話を締められたことがある覚えがあるかと思います。
人によってはウインクと笑顔で締めくくる人もいます。
「Thank you」というとウインクと笑顔で「You're welcome」を表現する人もいたりします。
上記のように色んなタイミングで視覚的コミュニケーションの一環で笑顔を挟んだりします。可能であれば、適度に笑顔を作ると良いでしょう。

他にも以下のことを準備・意識しておくと良いと思います。

  • ヘラヘラしない

    • 英語が話せないと申し訳なく感じる人が若干数いると思いますが、申し訳なく感じる必要はないです。なので自信満々にしておくのが大事です。英語は日本語からとても遠い言語なので、ヨーロッパなどの人と比べて、日本人が英語をあまり話せないのは言語学上当たり前のことです。

  • 自信を持って話す

    • 英語を話せるのと自信を持って話せるかは関係はありません。準備をしっかり行なった上で自信を持って話しましょう。

  • むやみに謝らない

    • 日本人はよく「すいません」という人がいて、英語の場合「Sorry」という人が多いです。ただ大抵の場合「Excuse me」が適切な場合が多いです。もしくは何もいう必要はありません。これはその国の文化・感覚に大きく左右されるので、"小さなことで謝る必要はない"ということだけ覚えておくと良いと思います。※もちろん遅刻とかは謝罪する必要があります。

給与交渉

給与交渉はどの国でも中々難しいシビアなトピックです。
ただ海外になるとより難しいトピックです。というのも初めて海外に転職するときは市場相場がわからないし、自分の市場相場もわかりません。
私は以下の優先順位で企業を探していたのですが、複数の国を候補として就職活動する場合は各国によって給与水準が違うので相場感がとても難しかったです。

  1. スペインのブロックチェーン関連企業

  2. スペインのIT企業

  3. 海外のフルリモートのブロックチェーン企業

ここは自分の職種におけるランク(ジュニア、ミドル、シニアなど)とその国ではいくらぐらいが平均かというのを調べて、その後に妥当な金額感を検討すると良いと思います。
求人を多く見てると大体の相場感も身に付いてきますし、リクルーターや担当者に給与レンジを聞くと答えてくれることが多いので、その範囲内で交渉するのが良いと思います。その範囲外で交渉することは求職者がよほど市場価値がない限りは難しいです。

さいごに

VISAをサポートしてもらう、という条件だったので就職が中々難しかったが、VISAのサポートなしだと割りかし簡単そうに感じた。実際にVISAサポートなしでスウェーデン🇸🇪の企業からも内定をもらった。円安だったので年収1,500万円ほどだった。
コロナ後にヨーロッパ各国はノマドビザというものを結構出している。
ノマドビザとはその国では就労せずにリモートで外国の企業に働きながら、合法的に長期でその国に住めるというVISAの制度です。
ヨーロッパだけでもノマドビザが可能な国はこれだけあります。誰もが知るようなドイツ、イタリア、スペインなどもノマドビザを発行しています。

(ノマドビザ発行国)
アイスランド、アルバニア、アルメニア、エストニア、キプロス、ギリシャ、クロアチア、スバルバ ード諸島(ノルウェー)、スペイン、チェコ、ドイツ、ハンガリー、ポルトガル、マルタ、モンテネ グロ、ルーマニア、ラトビア ※アンドラ、イタリア、北マケドニア、セルビア

日本企業にいながら海外でノマドワークもできますし、スペインにいながらイギリスの企業で働くなどということもできます。
ノマドといいつつ、国によっては在留証明書のような身分証も貰えるので、普通に賃貸契約とかも可能です。国によって違うと思うので、興味のある国で調べてみてください。
スペインのノマドビザは1年〜1年半有効で最大5年まで更新可能です。
他の国も似てるような条件だとは思いますが、気になる国があれば調べてみてください。
ヨーロッパはEUブルーカードという長期就労ビザを出してるので、ノマドビザを5年取った後はEUブルーカードで更にビザの延長が可能です。
なのでかなり長期でヨーロッパに住むことが可能です。
※EUブルーカードは高度人材向けのビザなので職種や学歴などのフィルターがあります。

色々書きましたが、興味ある人は海外企業での就職おすすめです!
学べることも多いですし、今だと円安を逆手に円での給料が高く見えます!!貯金すると円の資産が爆上がりです。
僕は円安が進むごとに円での自分の給料が高くなる、というのを楽しむ遊びを一人でやってます。笑

興味あるトピックや質問あれば、XのDMやコメントください!

参照


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